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目覚ましで目を覚ます 今日は「アタシ」の推薦で就くことができた新しい職場に行く日 彼女とは駅前の喫茶店で待ち合わせ |
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アタシはいつもブラックを頼む 俺が頼むのはカフェオレ ここのカフェオレはなかなかの味 アタシは俺のスーツ姿を見て ニヤニヤしながらコーヒーを飲んでる 俺のネクタイのズレを指摘すると カップを口に当てたまま上目使いでこう言った 「ねぇ、何でアタシがアンタのことあんなに詳しく知ってたかわかる?」 「恥ずかしいけど、一目惚れってやつね」 「いつかアンタ、バイトやってたでしょう?」 「その会社にアンタが面接に来た時」 「受付をやってたのがアタシだったんだよ?」 「電車で会ったとき、気づいてくれなかったもんな」 「冗談まじりでWSの裏ページにアンタの名前を打ったんだよね」 「もしかしたら何かわかるかもしれないぞ、なんて」 「あの裏ページ、本当にすごい検索機能だったからさ」 「裏ページ?」 「ほら、アタシってそこらへんの操作は誰にも負けない自信があったんだよね」 「天賦の才能ってやつ?」 「他人には内緒なんだけどさ」 「そんなの発見するの簡単よ、ちょちょいのちょい」 「それで俺の名前を打ったの?」 「そうよ」 「だって『トリ』だよ」 「アンタがウチの会社に持ってきた履歴書に書いてあった名前」 「ウチもよく採用したよね、本当」 「トリって書いてたっけ、俺?」 「書いてたわよ」 「しっかりと」 「名字も名前もない、『トリ』だけよ」 「普通じゃないと思ったわよ」 「ま、実際そうだったけど」 「WSから出てきたデータが示してた通りだった」 「まいったな」 そう話している間にも 街は忙しそうに動き始めていた 人々は足早に各々の場所に向かっていた いつもと同じ そして決して同じではない 一日が始まったわけだ とあるどこか 地元の人々のための小さな個人病院 そこは開業医と若い看護婦との二人だけで開かれていた 今日は雨降り 朝から患者は一人も来ない のんびりとした時間が部屋を流れている 看護婦はその医者のためにコーヒーを煎れていた カップを運ぼうとトレイに乗せた時だった 彼女はどこともなく宙を見上げ そして言った 「先生」 「聞こえる、あの歌が」 「聞こえるでしょう?」 「ほら。耳を澄ましてみて」 「トラキア... |
真っ暗真っ暗、暗い世界なのに
確信できますか
あなたの進むべき道を
この胸に溢れる感情は何ですか
言葉にできますか
それに名前を付けることができますか
遠くにぼんやり見えるあの光は何ですか
あれは僕たちの光ですか
奪われることのない僕たちの光ですか
昨日出会った
自分が知らなかった自分に
手を振って別れを告げるために
雨上がりの空
黄金色の陽に染まるまばらな雲
アスファルトの水溜まりで反射する
映し出された世界に
たどり着く事ができますか
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「何?」 「え」 「うん」 「いや、何でもないよ」 「急ごう、会社に」 「話が過ぎたよ、時間いっぱいだ」 「初日から遅刻はマズイって」 「あ、ホントだ」 「急がなくっちゃ!」 |
この胸に溢れる感情は何ですか
言葉にできますか
それに名前を付けることができますか