191.『月のワルツ』


月を追いかけましょう
マイナス4度の片隅で
紺碧の空が引き立て役ね
電柱の陰で
猫が小さく泣いた

夜明けのダンスは醒めたステップで
ワルツ ワルツを踊るの
月のワルツを
この街がひどく騒ぎ出す前に


月に惑わされたい
形を変えてく魔術師よ
運命を変えてあたしを変えて
増えすぎた罪に
軽く乾杯してね

孤独なダンスを醒めたステップで
ワルツ ワルツを踊るの
月のワルツを
見守っていつも包み込むように



作成日:17.12.19

夜明けの空に浮かぶ月。




192.『報復』


弱いものがひそかに倒れこむ
今夜
強いものが見事に喰らい付く
ハイエナ

クジラが空を飛ぶ日だってくるさ
いつかきっと
羽を無くした蟻は思う
その拳を小さく震わせるだけ


搾取されて痛みに血を流す
ディーヴァ
奪うために笑顔で唄歌う
ディーヴァ

全てがお見通しおあいにくさま
だってあたし
黒い目をした魚だもの
嘘をついた小鳥は声を無くすの



作成日:17.12.19

下克上ソング?




193.『白銀色の世界』


昇る太陽と雲が競争する
何も無いこの場所で
何もいらないこと覚えた
あなたのその笑顔があればいい
言葉があればいい

白銀色(しろがねいろ)の世界に
明日への足跡が続いていくよ
どこまでも

川の流れと鳥が競演する
何も無いこの村に
音を創り出して奏でる
豊かなその自然があればいい
季節があればいい

白銀色の世界が
生命(いのち)の足跡を残していくよ
どこまでも



作成日:17.12.25

見渡す限り、白銀の世界




194.『エゴイストたちの鼓動』


ここは修羅場だよ
選択肢ならば自分次第
後悔だらけなんてご免なのさ
好きに歌え
好きに呑んで
好きにやって
喜びが脈打つ
あいつらの鼓動が聞こえないか

快活に歩いてゆけ
男よ
ふたたび戻れはしないのよ
きりきり舞いの駒でいいじゃないか
エゴイスト

ここは修羅場だよ
喰うも喰われるもあんた次第
賞味期限切れてしまう前に
好きに愛せ
好きに咲いて
好きにやって
妄想に狂った
華やかな鼓動が聞こえないか

したたかに狙ってゆけ
女よ
誰のせいにもできないのよ
尻軽女だっていいじゃないか
エゴイスト



作成日:17.12.25

酔いどれソング?っぽく仕上げたい。




195.『空へと続く階段』


薄曇りのあの日
君が
空へと続く階段を登っていくのを
見た

いつもの笑顔で
帽子を浮かせて
軽く挨拶していた

なんのためらいもなく
あとは振り返らず
登っていく


薄曇りのあの日
君が
空へと続く階段を登っていくのを
見た

うらやましいほど
気軽な足取り
そっと誘引している

僕は帽子を持つと
君のあとへ続く
登っていく



作成日:17.12.29

パステルカラーの絵本的ファンタジー。




196.『HOT CURRY』


悲しいことがあった日には
カレーを食べましょう
とびきりHOTなやつを

飛び上がれ
ぜんぶ吹き飛ばしてしまえ
みじめなことは何もかも


悔しいことがあった日には
カレーを食べましょう
とびきりHOTなやつを

燃え上がれ
燃えて焼きつくしてしまえ
小さな痛み何もかも



作成日:17.12.29

カレーを食べてる時に生まれた詞。




197.『自分探し』



この日本にも
人のいない場所があったのね
こんな所まで来ちゃったわ

会いたくないの
誰もいない場所が恋しくて
早朝の電車が連れてってくれる

そうねきっと
みんなの悲しみ集めたら
雪になって降りだした
だけど綺麗な白ね

メイクで飾り立てた
嘘が得意なあたし
真っ白な雪に黒い涙
落としていくだけ


今年の冬は
とくに寒いみたいそう聞いた
甘いあたしにはちょうどいい

自然の中で
自分探ししたら見えるかな
これからのあたしが羽ばたいてゆくの

そうねきっと
痛みに痛みが重なれば
強くなるって信じてた
だけど弱いままね

コートの襟を立てて
腕の時計を眺め
真っ白な雪にため息を
残していくだけ



作成日:17.12.29

あなたも自分探しの旅へ出かけませんか?




198.『原子時間と君と僕』



計り知れない空を見上げてごらん
宇宙が僕らにくれたPOWERを
地球がそわそわしている
”僕も生きているんだよ”って
戸惑いながら回転してるんだ

あるはずの無かったその1秒間
その瞬間に
大きく息を吸い込んでみよう

そうだ
微調整しておくれ
世界のひずみを
互いの思想を
時代の速度を
自然のゆらぎを
心の温度を
子供の夢を
大人の嘘を
言葉の罠を
争いの種を
そして
君と僕とのズレを

微調整しておくれ
原子時間とともに

原子時間と宇宙と地球
原子時間と君と僕



作成日:17.12.30

2006年元旦は例年より1秒多い、「うるう秒」が挿入されるそうです。
記念に作ってみました。ポエトリーリーディング用です。




199.『WINDOWS』


大きな波が打ち付けてくるから
僕はもうダメそうなんです
今になっても変わらない
裸の自分がここにいます

それでも
ありったけの力で
WINDOWを開け放つ
最後の力を

発信しています
小さく
受け取ってください
言葉を
贈り物にします
大好きなあなたのために


眠れぬ夜に誘われているから
僕はもう消えそうなんです
機械だけを愛しても
裸の心が叫んでます

それなら
とびっきりの笑顔で
WINDOWを開け放つ
最後の勇気を

発信しています
自分を
受け入れてください
優しく
忘れたりしません
大好きなあなたの気持ち

きっと
あなたへ届くはず
僕からのOPEN WINDOWS



作成日:17.12.30

WINDOWSのWINDOWは、僕があなたへと贈るいくつものWINDOW





200.『喪が明ける』


今でも鮮明に覚えています
十年前のあの日を
年末の騒がしさも一段落ついた
あとはもうお正月を迎えるだけの
静かで穏やかな午前中でした

電話の知らせは
ごくごく普通の会話の中で行われ
事の重大さに気づくまでには
時間がかかりました

「心臓はまだ動いています」

事の重大さに気づくまでには
時間がかかりました
けれど
妙な寒気と止められない震えが
一足先に状況を感知していたように思います

あとはもう
すべてが
白い幕がかかっていたようで
よく覚えていません

それから十日間
異国の地で
あなたの心臓は生き続けました

遺体となってまで
飛行機に乗ったあなたは
外交官としての人生をまっとうしたのでは
ないでしょうか

それからの私は
囚人のようでした

人は愛しいものを失ったとき
後悔と罪悪感に苛まれるものだと
初めて知りました

人は愛しいものを失った時
いろいろな想いを胸に抱くもので
自分を責めるやり方があるのだとも
初めて知りました

喪に服す期間は一年間だと
誰が決めたのでしょう
一年では超えられない痛みが
人の心には残るものです

それからの私は
働きました
お酒を飲みました
壊れました
病気をしました
死にかけました
嬉しくなりました
それで良かったのです

全ては成功したのです
私はそろそろ刑期を終えます
もとの私に戻ります
あなたが愛した頃の私へ
十年経った今
戻っていきます

もうすぐ
喪が明けます



作成日:17.12.30

念願の200詞達成しました。
No.200のテーマは決まっていました。父への手紙です。