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この写真は、一昨年(2001年)の4月に撮影したものである。
イガグリフグなんて名前は聞いたことがない、という方はけっこう多いだろうと思う。それもそのはず、10年前に名前がついたばかりの新進気鋭のフグちゃんなのだ。
フグといってもご覧のとおりハリセンボンの仲間である。この魚を見つけたとき、僕はネズミフグと思った。
でも、正面から見た顔がどうもネズミフグのようにかわいくなかった。ネズミフグであれば、かわいければ撮るけれど、かわいくないネズミフグなんて……

ね、可愛くないでしょう?
いつもならそう思って写真を撮ることなく済ませてしまっただろう。でもそのときの僕はちょっと冴えていたのか、なんとなくネズミフグじゃない気がする、と思ってしまったのである。もしそう思わなければ、おそらく永遠にこの魚の写真を撮る機会はなかったろう。
なにしろ瀬能さんにうかがったところによると、
日本で撮影された水中写真は非常に貴重だと思います
ということなのだ。
たまたま暇つぶし程度に持って入ったデジカメと、たまたま冴えていた僕の頭のおかげで、こうしてこの魚はここに日の目を見ることになったのであった。
珍しモノ好きが高じて、見飽きた魚には見向きもしないという魚好きダイバーは多い。と同時に、見飽きた魚だと思い込んでしまって貴重な出会いを逃しているということも多いのかもしれない。 |