サザナミフグ

Arothron hispidus

40p

 何事も度を超すとやっかいなことになってしまうのが世の常。このサザナミフグ君も度を超して大きくなりすぎてしまったらしい。いつも砂底にドテッと休憩しているのを目にするのだが、近寄ると他の魚同様一応は逃げる。けれどもそこから5メートル泳げばいい方で、たいてい数メートル先に再びドテッと着地してしまう。あまりの体の重さにもはや泳ぐ気力も失せてしまったようなのだ。
 しかしここまでのんびりできるのも、ひとえに彼らの体内にあるフグ毒のおかげであることは紛れもない。毒を持ってるやつを食べる酔狂な動物というのは人間くらいだから。

 そんな怠惰な生活を送る一方で、時には中層を漂い、まるで飛行船のようにフンワカと気持ちよさそうに泳いでいる姿を見ることもある。普段の様子から考えるによほどいいことがあったに違いない。そういうときは心なしか口元が笑っているようにも見える。