日本よ、台湾よ―国を愛し、人を愛すること



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台湾には、素晴らしい未来が有る。

 日本を愛し、日本を4度にわたって訪れたロシアの指揮者ムラヴィンスキー(1903?1988)は、或る時、夫人にこう言ったと言ふ。
??「日本には、偉大な伝統が有る。だから、日本には、素晴らしい未来が有るに違い無い。」??ムラヴィンスキーのこの言葉は、未来は、伝統から生まれると言ふ真理を語った言葉である。この本(『日本よ、台湾よ』)を読んで、私は、この言葉を思ひ出した。 
 深い、感動的な本である。この本は、1960年代から、日本で台湾の独立・民主化運動に身を捧げて来た周英明・金美齢・夫妻の自伝的回想である。
 夫妻のそれぞれの生い立ち、日本での出会い、日本での台湾独立運動、そして、40年ぶりの祖国(台湾)帰還。どの頁を読んでも、深い感動を与えられずには居られない。その夫妻の回想から、私が感じる事は、夫妻の高潔な精神は、突然生じた物ではなく、日本と台湾の歴史と文化から生まれた物だったと言ふ事である。つまり、夫妻を生み、育てた日本と台湾の伝統と精神が、夫妻をこの生き方に導き、未来を切り開かせたのである。??台湾には、素晴らしい未来が有るに違い無い。

(西岡昌紀・内科医/61回目の終戦記念日に=台湾の戦後現代史が始まった日に)
台湾独立派とは

日本で活動する台湾独立派の象徴的存在と言えば、やはり金美齢女史だろう。この本を一読して、台湾独立派の人達がどのように生きてきたかを初めて知った。

中共と国民党を敵に回しての、まさに命がけの政治活動をしてきた人達だ。もう「中共(及び外省人)=絶対悪」という彼らの確信は、死ぬまで揺らぐことはないのだろう。私も、中国は野蛮で尊大で前近代的な独裁国家だと思う。

しかし、日本人側から見ると、彼ら独立派の活動は間違っていると思う。
日本と中国を戦争までさせようとするような動きは、やっぱりおかしい。日本と台湾は、非公式にそれなりにうまくやっているし、民間の人的交流も盛んだ。お互いに親近感を持つ国だ。
それでも、台湾が独立国家として世界に認められるために、日本が中国と戦争までしなければいけない筋合いなどない。
そもそも、台湾人自身が、独立志向はあっても、中共との戦争までは望んではいないだろう。

金美齢女史らの思想は、過激派のそれだと思う。

命をかけた人生

 周さん、金さん夫婦の自伝的書。
 台湾生まれの二人が当時の人間的道徳の通じない国民党政府政権時代に、祖国から日本に可能性をもとめやってきて、日々の生活に恐怖感を抱きつつ暮らした。この本のなかで今、日本・台湾・中国を見つめ直している。

 法治国家である現在の日本に感謝せざるをえない。タイトルにあるとおり、一読したあとは、国を愛し、人を愛することとはどんなことか痛感できるとおもいます。



扶桑社
新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論
台湾人と日本精神(リップンチェンシン)―日本人よ胸をはりなさい (小学館文庫)







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