★42ミリケース・腕リピーターカスタム★

さてさて、以前から予告してました腕時計のリピーターカスタムを作りましたので
加工順に写真を見て行きましょう。



今回使用するのは径34ミリのシリンダーリピーターです。1830年頃の品ですね。
右の小さい写真はモニター解像度”1280×1024ピクセル”で原寸大です。

このムーブ、ガンギ折れの上、テンワが酷い変形で使えず、脱進機部分はほぼ壊滅状態でした。
それでも最初は修理してみようかとも思ったのですが、手間かけてもまともに動きそうに無いので、
今回は得意の二階建てで修理することにしました。



リピーターのパーツをバラしたところ。ちょっとサビが出てますね。



出ました二階建て!!壊れた時計の機能を、他のムーブから供給します。
今回使用するのはガルーチの自動巻きムーブからローターを外したものです。
厚さが3ミリと薄目なので、二階建てに丁度良いサイズでした。



二階建て用の延長ツツカナです。ココをどうするかでかなり悩みました。
上の細い部分がリピータームーブに差し込まれ、クオータースネルが取り付けられます。



部品を外したリピータームーブ。二箇所に高さ調整用のレジンを接着してあります。
リピーターとガルーチのムーブは二番車軸が曲がらないように垂直に固定しなければなりません。
ココが垂直で無いと、二番車の回転にブレーキが掛かり、テンプの振り角が落ちたり
最悪止まったりします。



ケースにリピーターレバーのスリットを切っているところです。



リピーターのムーブを左右から芋ネジで固定します。



ガルーチのムーブを載せて2本のネジで連結固定します。一部接着を併用しています。
あとムーブのリューズ位置に合わせて、ケースに穴を開け直します。(写真:右)



バラしたリピーターパーツと、上に見えるのがリピーターレバー。
レバーの先には、操作しやすいように突起をロウ付けしてあります。



ちと、はしょりましたがコレで完成です。ケースの裏蓋は山の高い物に交換してありますが、
これで何とかムーブがギリギリ納まりました。ムーブが二つ入ってますので結構重いです。



リューズとスライドレバー部分です。
この時計には将来オートマタを取り付ける計画もあるので、それを見込んでレバー位置を
決定しました。 この為リューズに近い位置になってしまいましたが、操作性は悪くありません。



まだ完成したと言ってもリピーターの調整も不完全ですし、まだまだ改良が必要です。
ちなみに音はまぁまぁって感じですね。



これは過去の作品です。左が35ミリ、右が41ミリケース。音は右の方が良いです。
しかし私の作る時計はドレも似たようなデザインです。

今回の品はリューズ巻きですので、これらの時計のように、イチイチ裏蓋を開けて
カギ巻きする必要が無く、その点非常に便利です。
時計の精度はガルーチの精度ですから、日差30秒程度でしょうか?(止まらなければ)

しかしどれもこれも中途半端な不具合があったり調整不足だったりで
まともに使える物は一つもありません。
この辺が素人の遊びの限界か。。。

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追加レポート

その後の作動テストで止まり症状が頻発!!
二階建てカスタムでは毎度の事なので想定内ですが、原因は延長ツツカナの軸が
グラグラしている事と、分針の軸が時間車に抵抗をかけている点が問題らしい事が判明。

ツツカナがガタつかないように修正し、分針軸を細く削ってまた作動テストを続行中です。
リピーターのカウントミスはスネルの修正で解決しました。



あと裏蓋のガラスが若干ムーブに干渉している感じなので、裏蓋を二段ベゼルに変更。
これにより、時計の厚みは16ミリとなりました。



こんな感じですね。

作動テストの結果、時計は止まらずに正常に動くようになりました。
あとリピーターは正時から05分の間でカウントミスを起こす事があり、これは
クオータースネルの裏側にある補助パーツの動きが渋い事が原因でした。

この部分を修正した後は、この時間帯のカウントミスも改善されています。
これにより、調整が必要な部分はなくなりましたので、これで一応カスタム終了としておきます。

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追加レポート

カスタム終了後、数日経ってから、針の置き回りが発生しました。
(ツツカナが緩んで、二番車軸と空回り状態になる事)
と言う事でツツカナを作り直しました。



上が前に作った延長ツツカナ。軸の中心がズレてる上に、
先端のクオータースネルが差し込まれる軸の部分が細過ぎました。
そして下が今回作り直した延長ツツカナ。



また日の裏車の固定が甘いせいか、この辺が原因で止まる症状も発生したので
時間車(時針が付く歯車)を9時位置にオフセットして見ました。
時間は9時位置の小さい針で表示する形式です。
また止まり症状が出るかもしれませんが、現在この状態で作動テスト中です。

追記
その後、5日ほど作動テストを続けていますが、時計が止まったり、
針の置き回りは起こっていません。時計の精度も良好。
ある時間帯で、正時過ぎにリピーターが一つ余分に鳴る事がありますが、
これは二番軸の中心がほんの少しズレてるからで、機械的な不具合では無い為
このままでOKとしておきます。

あと針合わせをするとまたツツカナが緩んだり、色々なトラブルの原因となる為
針合わせはしない事にしました。
いや〜なかなか完璧には出来ないモンです。

END