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★リピーターの音について★
久し振りのコラムですが、今回はリピーターの音について語ろうと思います。
「タンブラとケースの材質」
一般にリピーターの音色は、ケースの材質により変化すると言われます。
ガンメタルやニッケルケースより金無垢ケースの方が良い音がする。
同じ金無垢でも、イエローゴールドとピンクゴールドでは音が違う…とか、
プラチナケースが最高と言う人も・・・。
確かにケース材質の違いによる音質の差はあります。
重くて分厚いイエローゴールドは柔らかい音色、
ピンクゴールドやプラチナはクリアな音色・・・と言うように。
しかしケースの材質がリピーターの音色に与える影響は、
実はそんなに大きいものではありません。
私が思うに、リピーターの音質を決めるファクターの8割は
タンブラ(ゴング)で決まると言って良いと思います。
皆さんも高級メーカーの時計師が万力にタンブラを固定して、細ヤスリで
丹念に削りながら調音している姿を見た事があると思います。
リピーターの音に関しては、このタンブラの調整こそが一番重要なポイントであり、
ここの出来でリピーターの音の良し悪しの8〜9割が決まるのです。
ぶっちゃけて言うと、タンブラの良い物はプラスチックの箱でも良い音がする
・・・と言うのは言い過ぎかも知れませんが、良い材質と工法で作られ、
丹念に調整されたタンブラであれば、概してどんな材質のケースでも
良い音がする物なのです。
しかしながら金無垢ケースでないと良い音がしないという間違った認識が
広まっている原因ですが、そもそも金無垢のケースに納まるような機械は
高級な物が多いですから、掛けられている手間も違うし、必然的に音の良い
確立も高くなるわけで、それにマニアの高級志向も相まって、リピーターは
金無垢ケースで無ければ良い音がしないという幻想が広まってしまって
いるのではないかと想像されます。
そもそも同じ金無垢のリピーターでも音はピンキリなのに、ケースの材質で
音が決まるなんてあり得ない話です。
楽器で言うなら、タンブラが音源でケースがスピーカみたいな物ですから、
音源が悪かったらどんなケースに入れても音は良くなりません。
シルバーやニッケルケースでも、綺麗な音を出すリピーターは沢山あるのです。

(写真提供:すこちぃさん)
「ベルリピーターとケース」
では大昔のベル式リピーターの場合はどうでしょうか?
一般に巻きゴング式(タンブラ)はA・L・ブレゲの発明による(?)と言われますが、
それ以前の殆どのリピーターやアラームは、音源にベルを使っていました。
材質はベルメタルという大変綺麗な音を出す金属なのですが、硬い材質という
事もあり、割れてしまっている物も良くあるようですが、これは経年劣化による
ものでしょうか?
この時代のリピーターには、皆ケースに細かい透かし彫りがあり、ベルの音を
外に逃がすような構造になっています。
これはタンブラがケース自体をスピーカーとして利用しているのに対し、
ベル式はベルその物が音の発生源である為に、ケースが密閉されると
音がこもってしまって良い音がしないからなのです。
つまり、ベル式は穴が多いほど音が良く響く。
しかしながらあまり穴が大きいとホコリや湿気が内部に入り易くなる。
この反比例する問題の折衝点が、あの細かい透かし彫りだったんですね。
ですから、腕時計のリピーターでベルを使うとクリアーな音が聞こえ難く
なっちゃうんです。
一度そういう物も作って見たいとは思ってるんですけどねぇ〜。
END
(※レポート協力:Grandam師匠)
