ハーフクオーターリピーター ★Cony Dunlop - London 3060 ★ |
ちょっと前に予告してましたハーフ・クオーターリピーターを御紹介しましょう。
これも例によってイギリスのお店から仕入れました。


銘:Cony Dunlop - London 3060
バージ脱進機、フュージー&チェーン。
直径36ミリと小ぶりなので腕時計に出来ないかと思ったのですが、かなり厚みがあるので
無理っぽいです。
1760年頃のクオーターリピーターという事で購入しましたが、ダイアル下が異様に複雑な
部品構成だった為、師匠の秋本さんにお伺いした所、ハーフクオーターである事が判明しました。
7時位置に謎のレバーがありますが、何でしょうコレ?
リピーターのスライドレバーではないですし、押し込むとリピーターのハンマーが若干後退します。
もしかして鳴り止め装置でしょうか?
★補足
このレバーは「パルシングピース」という物だそうです。
音を出さずに時間を知りたい場面で使われるレバーで、これを指で押し込むと二つのハンマーが後退し
静音化しつつハンマーの衝撃をこのパーツを経由して持ち主の指に伝え、「こっそり」時間を知るための
仕組みなのだだそうです。

| A: クオーターラック B: ハーフクオーターラック C: クオータースネル D: ハーフクオータースネル E: アワースネル F: アワーラック (ここを押し込む事でリピーターが作動します。) G: オールオアナッシングパーツ(リピーターの誤作動防止パーツです。) H: これもオールオアナッシングパーツ |
後年のクオーターリピーターではGにEが固定されますが、このムーブでは
二つに分かれてますね。
クオーターラックの下にはハーフクオーターラックが重なっていて、Fのレバーを押し込むと
二つのラックが二つのスネルからクオーターとハーフクオーターを読み取ります。
口で説明するとややこしいですが、ミニッツリピーターと同じ原理です。
時間はアワーラックが読み取り、1/4時はクオーターラックが、1/8時はハーフクオーターラックが
それぞれ読み取るのです。
★ 時間の打ち方は、例えば12時57分だと単音の時間打ちが12回、
クオーターの連音が3回、最後にクオーターの後半を知らせる単音が1回鳴ります。
(単音が鳴らない場合は12時45〜52分29秒までの間という事になります。)
時刻を3パートに分けて打つ打ち方はミニッツリピーターと同じです。
ハーフクオーターリピーターはクオータースネルが8段になってるだけの物が多く、
こちらはクオーターリピーターと同じく時刻を2パートで知らせます。
★訂正
8段スネルのハーフクオーターリピーターでも、打ち方は3パートになるそうです。
5ミニッツやミニッツと違って、ハーフクオーターは3パート目が1回だけなので、クォーターの連音を
途中で止めることで3パートに見せる事が出来ます。つまり38分なら2回連音を打った後、
3回目の連音の1発目を打った時点で停止するわけです。

サイドビューです。直径36ミリのスペースにリピーターの機械が凝縮されています。
お互いの歯車が多層に絡み合って、分解と組み立ては困難を極めます。

バランスコックにはダイヤモンドのエンドストーンがありますが、ちっちゃいのでよく見えません。
さて、次は分解ですよ。
次へ
