| ★ Equation of time ★ |
「 カレンダー修理 」
本館でUPしている、トリプルカレンダームーンフェイズの
ミニッツリピータークロノグラフムーブメントのガラですが・・・
欠損している歯車とムーンフェイズ盤を自作して装着して見ました。
日車と月車の間にある中間車は手作業で削り出した自作の歯車です。
この中間車の歯にはピンを一本立ててあり、31日で1回月車を回す構造です。
今まではこの中間車がなかった為に、月車が時計と連動していませんでした。
ムーンディスクはスチールの薄板を青焼きした物に、
金色の接着シートから切り出したお月さんの顔を貼り付けてあります。
本来の月齢は、一齢でおよそ29.5日なので、ディスクに月を2つ配して
二齢で59日(59歯)が一般的なのですが、今回59枚歯が見つからなかったので
60枚歯の歯車で代用しました。
このムーンディスクは24時間で一回転する歯車に立てられたピンで、
24時間で一歯、つまり1日に一歯送られます。
さて、これでトリプルカレンダーの修理は完了ですが、今回はもう一つ、
”イクエーション・オブ・タイム”いわゆる”均時差表示”の機能を追加します。
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「”Equation of time”とは? 」
”Equation of time”(均時差)とは、我々が普段使用している「平均太陽時」と、
実際の天体運行に基づく「真太陽時との差」を表示する機構の事です。
普段、我々の生活で使われている”時間”とは、太陽の周りを地球が一周するのに
掛かる時間(1年)が基準であり、これを元に、1日の長さ=24時間とされています。
この1日=24時間は、地球が太陽の周りを”真円の軌道”で、常に均等な距離で
回っていると仮定した”平均的な太陽時”(平均太陽時)なのであります。
しかし実際には地球の地軸は傾いており、また太陽の周りを回る軌道は楕円形を描きます。
この為、1日の”本当の長さ”は、年間にプラス16分〜マイナス15分の間で変動します。
この本来の天体の運行に即した時間を”真太陽時”と呼びますが、この時間と
”平均太陽時”との差を”均時差"と言います。(真太陽時−平均太陽時=均時差)
具体的にどういう現象が起こるかと言いますと、こちらの動画を参照して頂けると
分かり易いでしょう。平均太陽時では、常に昼の12時に太陽が真上に来ていなければ
なりません。しかし、実際の天体の運行では、太陽は常に12時に真上に来ているとは
限らない。
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補足
あしながさんから、「平均太陽時では、"標準子午線上"において、常に昼の12時に
太陽が真上に来ていなければならない。」とした方がより正確な表現であるとの
情報を頂きました。(あしながさん、感謝!)
参考ページ: http://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso01-j.shtml
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この時間のズレを時計の文字盤上で表示するのが”Equation
of time”なのです。
この”真太陽時”は、天文学者など、一部の専門的な分野でしか必要とされないために、
私たちの日常生活では平均太陽時の方が使用されているわけです。
天文学者にとっては実用的な機能ではありましょうが、一般人にとっては
甚だ実用性に乏しく、時計の複雑機能の中でもかなりマイナーで、
どういう機能なのか知らない人も多いのではないでしょうか?
というワケで、これが最初の試作段階の写真です。
カレンダーの月車と同軸上に、瓢箪型のアナレンマ・カム(analemma
cam)を固定しました。
試作段階なので、この画像では文字盤上のイクエーション針が正しい表示になっていません。
(アナレンマとは、均時差により、1年のうちに太陽の位置が8の字型を描いて運動する事を言う)
参考ページ: www.sci-museum.kita.osaka.jp/news/text/a030108.html

こちらが修正後のアナレンマカムです。

そしてこれが修正後のイクエーション針です。
月表示の上に均時差の目盛りを書きました。

アナレンマのディスクに書かれている数字が月を表します。(真上の数字)
均時差の目盛りは、1目盛り=5分です。
くの字型のイクエーション針に立てられたピンが、アナレンマカムの外周をなぞって
針の先が均時差を表示します。
調整が適当なので、厳密には正しい均時差を表示出来ていませんが、
まぁ、大体こんなもんかな?という程度ですね。
あと重要な点として、本来アナレンマカムは時計と歯車連動で一年をかけてゆっくり回転する
歯車上に設置されるべき物ですが、今回の時計では、カレンダーの月車上にカムを設置したので、
毎月1日の均時差しか表示出来ません。
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