
時計の複雑機構の最高峰とは?
時計の3大複雑機構の中で最高の複雑さを誇ると言われるのがミニッツリピーターですが、
極端な言い方をすれば、実はリピーターは複雑時計の最高峰ではありません!!
鳴り物を中心にコレクションしているマニアは口を揃えてこう言います。
「グランソネリこそが複雑時計の最高峰である!!」と。
勿論永久カレンダーやスプリットセコンズも非常に複雑で、その製作には特別な技術を必要とします。
同じ鳴り物でも、4つのハンマーとゴングでメロディーを奏でるウエストミンスターチャイムのような
特殊なリピーターも、グランソネリ以上に貴重で高価な物です。
それなのに何故グランソネリが特別な存在なのか?それは他の時計がレバーやボタンなどの
手動操作でなければ動作しないのに比べ、グランソネリだけがただ唯一、自動で作動する
オートマチック作動シークエンスを備えているからです。
鳴り物にあまり詳しく無いと、自動で鳴る物の方が単純で、安っぽいと思っている人も
結構いるようですが、それは大きな誤解と言う他ありません。
15分毎に自動で鳴り、自動でストップし、また次の時打ちに備えるメカニズムの凄さを知るには、
中のメカニズムを見て頂くのが一番だろうと言う事で、今回の品を通し、その複雑さの一端に
触れて頂ければと思います。
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クロックウオッチとソネリの違いについて
まず最初にお断りしておきたいのですが、私はこれまで、毎正時と15分毎に
自動で時を打つ機能を総称して”グランソネリ”と呼んでいました。
しかし、オークションサイト等の表記を見ますと、両者を分けて表記している場合が
多いようなので、今後は以下の基準で両者を分類したいと思います。
@:クロックウオッチ=自動で時打ちするだけで、リピーターのように
任意のボタン操作で鳴らす事が出来ない物。
A:ソネリ=自動打ちに加え、任意のボタン操作でいつでも時打ちが可能な物。
正し、クロックウオッチ系の機械でも、任意時の時打ちが可能な物はソネリと表記します。
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グランソネリとは?
毎正時と15分毎に自動で時打ちし、リピーターのように、任意の時間をボタン操作で
鳴らせる物をグランソネリといいます。
本来はグランドファーザークロックや置き時計等に組み込まれる時打ち機構ですが、
稀に懐中時計にこの機能を搭載した物があり、これらはリピーターより圧倒的に数が少なく、
またリピーターより更に複雑なオートマチック作動システムを備える為に大変高価です。
海外オークションハウスでは、一番安い物でも手数料込み150万円以上するのが当たり前
!!
あの物量を誇るebayですら滅多に出品される事が無く、まして日本の市場では、ほとんど
見かける事すらありません。
そんなワケで、欲しい欲しいと思いながらも、これまでなかなか入手出来ずにいましたが、
最近、遂に私の上がり時計と言えるグランソネリを入手しました!!キタ━━(゚∀゚)━━ッ
!!!!!!!
今回入手した物は、イタリア人コレクター氏が、13年前にトリノのアンティーク店で
購入した物です。このお店は大変有名な時計修理屋でもあるとの事。
購入してから13年間、一度もOVHしていないそうなので、早めにOVHする必要がありますが
お店にお願いしたら、最低でも25万円以上かかりますね。う〜ん、どうしましょう?(^^;)
まぁとにかく、写真を見て頂きましょう !


ムーブメントはスイス製ですが、銀のケースはガッチリしたイギリス風で、
恐らく1890年頃に作られた物のように思えます。直径63mm、厚さ20mmと大型。
キャップ式のエナメルダイアルもイギリスのスタイルで、同じ頃に作られた物でしょう。
ケースの傷や擦り減りも少なく、ダイアルにはヘアラインもありません。
高級で貴重なビンテージムーブメントの場合は、このように後年、ケースが別作される事が
珍しくありません。オリジナル性という点では評価は下がりますが、単純にサイズの合う
ケースがあてがわれた物(ガッチャ)とは意味が全然異なります。
たまに、こういう物までガッチャと混同する人が居ますが、別作のケースの場合、
価値は全然違いますのでご注意下さい。
元々はこのような、エレガントな金無垢ケースだったと思われますが、戦争の混乱などで
オリジナルのケースが失われたのでしょう。
銀のケースは、全体に非常にしっかりした出来ですし、もしこれがオリジナルの
金無垢ケースなら、お値段は数倍したはずですから、私にとっては理想的な買い物でした。

中蓋には二つのカギ巻き穴があります。刻印は上から・・・
"Echappement a cylindre, trous
en rubis, repetition, grande sonnerie”
” シリンダー脱進機、 ルビーの穴石?、リピーター、グランソネリ”
というような意味の言葉が書かれてあり、これもケース別作の際に彫刻された物でしょう。
外周にはギョーシェ彫りがあります。

ムーブメントは1820〜30年頃のスイス製です。
どうです? この芸術的で複雑、かつエレガントなパーツの曲線は。
コレですよコレ!!はぁ〜何と言う美しさ…
(*´▽`*) ウットリ♪

トリノのお店の説明では、ブレゲタイプのオーバーハンギング・ルビーシリンダー脱進機という
説明で購入されたそうですが、テンプの穴から中を覗くと、普通のシリンダー脱進機のようです。
分解していないのでまだ未確認ですが、おそらくルビーシリンダー脱進機と思います。

おそらくこちらの時計と同じ時計師、もしくは工房の作でしょう。
脱進機は違いますが、パーツ形状など、ほぼ同じ作りです。
オリジナルの金無垢ケースならば、アンティコルム等の海外オークションで
手数料込み180万円弱。国内のショップならば250万円〜クラスですね。
シルバー別作ケースの場合の評価額としては、ebayなら80万円〜、
国内ショップなら150万円程度でしょうか?
今回の品はebayで落札した物ですが、メールオーダーでイタリアに送金して、
物が届くまで約3週間・・・無事に届くか気が気ではありませんでしたが、
ともかく時計もソネリも動いていたので一安心。
海外からの高額の買い物は心臓に悪いですが、セーラーさんが親切な人で、
メールの対応もマメだったのが良かったです。(メールは英語)
届いてすぐにチェックした所、テンプの振り方がちょっとカクカクしてます。
最終OVHから13年経っているので油切れしてるようですが、現状でも一応
全姿勢で止まらずに動いてますし、歩度も問題なく、時打ちも正常。
ケースがガッチリして、ゴングが完全に密封状態になってるので
音が比較的小さめですが、非常に綺麗な澄んだ音です。(ベルではなく巻きゴング式)
なんと言うか、リピーター系の音と言うよりも、置き時計の鳴り方に近い感じです。

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