ドローズの青い石

ドローズの青い石”

中近東のどこかにあるという謎の古代都市ドローズ。
その街にはノアの神がもたらしたという、伝説の「青い石」が
ノアの神殿に祭られており、街に災いが降りかかった時
民を救うという言い伝えがあった。。。

この時計は、その伝説の青い石の一部を使って作られたという
大変貴重な歴史的遺産である。
-------------------------------------------------



銘 「Droz Jeannot」(ドロー・ジャンノット) BRENETS(地名) SWISS

というワケで、今回ご紹介するのは大きな青い石を持つスイス時計のムーブです。
この時計があればアントラーがやって来ても恐くありません。(笑) 
この銘の時計は初めて見たような気がします。
ちょっとググって見ましたがネット上にも出ていませんでした。

繊細なムスターシュアンクル付きで、かなり高級そうなムーブです。
この作りの良さは以前レポートしたルイ・オーデマに匹敵するかも知れません。

しかしエナメルダイアルはかなりダメージありますね。

このムーブの特徴は何と言っても巻き上げ歯車に使われている大きな青い石です。
アメリカ時計にはモーターバレルとかジュエルドバレルとかいう、香箱に石を持つ
時計がありますが、スイス時計で丸穴車にまで石があるのは非常に珍しいですよ。



右上が丸穴車軸の青石。左が角穴車の青石。
澄んだ青と言うよりは、よどんだ水色っぽいですが、この二つは多分サファイアでしょう。

巻き上げ軸の穴は非常に力の掛かる所なので、石があった方が良さそうに思うのですが、
なぜか意外と少ないんですよね。ゼンマイ切れの際に割れたりしやすいからでしょうか?
この青石には多分ですが、実用的な意味に加えて装飾的な意味もあると思われます。
ちなみに反対側には石は無く、こういう点から見ても装飾的な意味合いが強いと思われます。



2番車以降の輪列は普通のルビーですが、普通の時計より石のサイズが大きいです。
ebayのセーラーの説明では23石との事でしたが、ホントかどうかOHのついでに数えて見ましたよ。

テンプ 上下穴石、受け石、振り石で計5石(ルビー)
アンクル 上下穴石、受け石、左右ツメ石で計6石(ルビー)
ガンギ車 上下穴石、受け石で計4石(ルビー)
4番車 
上下穴石で計2石(ルビー)
3番車
 上下穴石で2石(ルビー)
2番車 上穴石で1石 (地板側には石無し)(ルビー) 
角穴車 上穴石で1石(サファイア)
丸穴車 上穴石で1石(サファイア)
----------------------------------------------
合計 22石
筒カナが固くて抜けなかったので、2番車の地板穴に石があるかどうか
未確認ですが、多分地板に石は無いと思うので22石でしょう。

この青石というのは、あまり見かけない割に結構あるのだけれども、
いざ探すとなかなか見つからないという結構微妙なレア物です。
(ロンジンの時計でたまに見かけますね。)

アメリカやスイスでも、並品から高級品まで青石の物がありますが、
サファイアだから特別な高級品という事では無いと思います。
まぁ綺麗だし、ちょっと珍しいという程度でしょう。
言っときますが、間違っても「サファイア=天文台」ではありませんのでお間違いなく。



日ノ裏です。カンヌキやレバーの仕上げも上等。



こんな形のキチ車初めて見たかも?ピカピカですよ。



ほんじゃ分解しましょうか。
丸穴車と角穴車はこんな感じです。



プレート裏側。こんなところにも装飾が。。。



先端が盛り上がったガンギ車。軸が細いのは軽量化のためと思われます。




ムスターシュアンクルです。左は比較用のバセロン・ムスターシュ。
いかにJeannotのムスターシュが繊細か分かりますね。
(バセロンの中の人、いつも引き合いに出してスマン)
この繊細さは天文台パテ並です。テンプの振り石断面も三角形でした。



巻き止めも分厚い!こういう所もルイ・オーデマと共通してます。



4番車の軸が折れていたので修理しました。長く突き出ている軸が修理した部分です。
ここが根元から折れてて4番車がグラグラしてましたが、それでも時計は動いてました。
この細長い軸の先に秒針が装着されます。

次へ