| ★PLOJOUX 腕時計★ |
今回は、少し前に掲示板でちょこっと御紹介した高級ムーブをレポートします。


銘:PLOJOUX GENEVE 1900年頃のスイスレバー脱進機。径32o。19石。
ちょっと見ウルフティースで、ヒゲ持ちのネジは2本ですからそこそこ高級な感じです・・・が、
このムーブからは、それだけではない何か(オーラ)が出ていました。
幸いな事に誰もノーチェックだったようで、スタート価格で落札出来ました。
メーカーについて
アンティコルムのデータに次のような記述がありました。
"M. A.Plojoux" は高精度時計を作る時計師であり、
また複雑時計と宝飾のスペシャリストでした。
彼は1878年のパリ万博で二つの賞を受賞。
1880年にはゴールドメダルを獲得しました。
さて、ebayの説明には、少し動くが止まる…みたいな事が書かれていましたが、
これはダイアルのスモセコ軸穴と4番車軸とがズレた状態で嵌められていて、
ダイアルが4番車軸を押し付けた状態になっていたのが止まる原因でした。
この為、若干4番軸が曲がっていましたが、それ以外は特に問題なし。
天真も良い状態で、振り角も十分出ています。
不足だったのは、巻き芯(&リューズ)と日の裏車だけ。コレ位なら楽に修理出来ます。
さて、私が感じたオーラとは何だったのか?写真で見て行きたいと思います。


上(左)の写真ですが、このムーブは2、3、4番車がゴールドトレインでした。
(ebayの説明には記載なし)
スイスの32oサイズでゴールドトレインは結構珍しいのではないでしょうか?
右はウルフティースのUP。歯が磨かれてます。

さらにこの写真。天文台パテックとソックリのアンクル。
この形は別にパテックに限らず良くある形ではありますが、
繊細さと仕上げが他のメーカーとは全然違います。

そしてコレ!
振り石がパテックと同じ三角形です。
う〜ん、これは素晴らしい最高級仕上げのパテックと同じですよ。
つまりこれはパテックです。・・・・・・っておいッ!!(爆)
というのは冗談ですが、もしかすると?…という気もちょっぴり。
実は最初にebayで文字盤を見た印象がバセロンだったのですが、
今の所メーカーを特定する材料がありません。


左が洗浄前で、右が洗浄後。ピカピカになりました♪

日の裏です。香箱の巻き止めも健在。日の裏車だけ欠損してたので
手持ちのストックから合う物を探して装着しました。
補足
後で気付きましたが、カンヌキの浮きを押さえるパーツ(多分ネジ)も欠損していたので
このネジも補充しました。

安物ステンレス腕ケースにガッチャした所。ケース径は39oです。
若干ガタがあったので、薄いアルミのスペーサーを挟んでます。
厚みはかなりギリギリでしたが、ピッタリ納まりました。


ベゼルの内側をかなり削り込みましたが、エナメルの文字盤とピッタリ合っています。
ベゼルを嵌める時、ダイアルが割れないか、ヒヤヒヤしました。
あとリューズは巻き易いように懐中時計の物を付けました。
巻き芯はガラ芯からサイズの近い物を削り合わせて作成しました。
分針が若干短いので合う物を探さないといけませんね。




ところで一口に高級と言っても、どの程度高級なのかはなかなか伝わり難いのですが、
例えばパーツの磨きひとつ取って見ても、アンクルや日の裏のカンヌキ、
巻き上げ歯車のスプリングパーツなど、どこを見ても並の高級ムーブとは違います。
この辺はアガシ等もパテック並で高級と良く言われますけど、私の持ってるアガシは
そんなに仕上げは良くありません。。(パテックに比べれば…ですよ)
この点PLOJOUXの磨きは、手持ちの時計の中でもH. L. Matileと並んで手間が掛かっており、
雑な研磨ではダレてしまいがちなパーツのエッジ部分もピシッと立っています。
現代でこのクオリティーを保つのはデュフォーさんのシンプリだけでしょう。
まぁ、1900年頃の高級懐中ムーブと、近代の工業化された腕時計ムーブを比較する事自体
無理があるのですが、Cal,89ですらアレなワケですから、現代の腕ムーブなんて
どうしようもない。全くお話にならない。おととい来やがれな仕上げなワケですよ。
一見綺麗に見えるムーブも、実は機械でザッと仕上げて綺麗にメッキしてるだけで、
スプリングパーツもプレスで打ち抜いた物にメッキしたような物ばかり。
こんな物では数年に一度OVHが必要なのもわかります。(別な意味で)
ちと言い過ぎたかもしれませんが、現代の腕時計では絶対に得られない”物”が、
こんな安いガラムーブで味わえるのですから、ガラ遊びは止められないんです。

ケースに針合わせ用のダボ押しピンを取り付けました。
穴の位置がちょっとリューズに近過ぎましたが、
これで蓋を開けずに針合わせが出来ます。

針のサイズが合っていなかったので三針とも交換しましたが、
秒針だけ長さが足りませんね。
と言う訳で、今回の腕ガッチャはなかなか良い感じに仕上がりました。
直径39oと、若干大きい感じはしますが、無理なく使える大きさです。
この時計の売りは、ゴールドトレインと本物のエナメル文字盤というところでしょうか。
精度検査
現在、日差+20秒以内で稼動中。緩急針でさらに追い込めます。
日毎のバラ付きも無く安定した精度。
流石に良いムーブは精度もイイ!
END
