((クロックウオッチ(ソヌリ)ムーブメント

---ソヌリとリピーター ---

時打ち時計には、任意の時間をレバー操作で知らせる”リピーター”の他に、
毎正時を自動的に打つ”ソヌリ”という形式があります。

任意の時間を知るリピーターの技術は、イギリスの時計師 ダニエル・クエア
”Daniel Quare” (1647 - 1724) が、
1685年頃に特許を取ったとされていますが、
この技術が出来る以前は、ソヌリが懐中の一般的な時打ちメカでした。

基本的に掛け時計などに使われている時打ち機構を懐中時計に応用した物なので、
ボンボン時計と同じように、毎正時と30分(もしくは15分ごと)に勝手に鐘が鳴ります。

正し、ソヌリにもリピーターと同じような機能があって、任意のレバー操作で
時間を確認出来る物もありました。

しかしながら、どちらかと言えばリピーターの方が利便性が高かった為、
複雑な機構のソヌリはあまり作られなくなり、懐中の時打ちはリピーターが
スタンダードとなりました。

正し、少数ながらソヌリも作られ続けましたが、数が少なく値段が高過ぎるため、
リピーターマニアの憧れの的となっています。

---ソヌリの種類---

ソヌリには毎正時だけ打つアワーストライカーと、毎正時&30分を打つプチソヌリ、
毎正時&クオーターを打つグランドソヌリがありますが、この中ではグランドソヌリが最も複雑で高価です。

http://search.sothebys.com/images/products/4/7/475BJ_N07978-276.jpg
これは最近サザビーズで出品された1890年頃のグランドソヌリ&クオーターリピーターで、
時計と時打ち用の香箱を持つタンデムワインディングスタイルの典型的なソヌリウオッチです。
ちなみに落札額は6600ドル。この作りとしては安い方かもしれません。
実は私が一番欲しいのがこのタイプなのですが、こんなお値段では無理っす。(;´Д`)ハァ〜・・・

---ガラソヌリを探せ!! ---

という訳で、どこかに安いクロックウオッチのガラが無いかずっと探していた私でしたが、
そんな美味しい物見つけるのは至難のワザ・・・。
しかし、実は以前から一つだけ気になっていたガラムーブメントがありました。
それが今回御紹介するコレです。



皆さん良く御存知のイギリスのお店で、大分前から売れ残っていた物です。
商品説明を読みますと・・・

Very good, requires cleaning. Lacking motion work, dial and hands.
とても良い。しかしクリーニングが必要。日の裏関係の歯車とダイアル、針が欠損。


とあります。。。
がしかし、写真を見ますと他にも問題が有りそうに見えました。
まず一見してムーブ全体が汚い!!スチールパーツは錆びてるし地板の酸化も進んでいそう。

それにダイアル側に見える「謎の穴」。。。そして右のハンマー部分にパレット(ツメ)が無い。
これってもしかしてパーツがいくつか欠損してるのでは???(;゚д゚)

その他に、バレル軸のコハゼが外れていますからチェーンは外れているはず。
も一つ問題は、このムーブはゴングも欠損している為、自分でゴングを調達して
取り付けなければなりません。

しかもこんな汚いのに値段が約68,000円と結構高い!!
こんな壊れたきちゃないムーブが68,000円ですぞ!!!
誰が買いますか?こんなムーブ。なるほどこれでは売れ残るわけです。

んがしかし、これまでの私の経験からすると、見た目が悪くても手入れすればちゃんと動く物も多く、
このムーブももしかすると・・・というガラ師の勘が私を購入に踏み切らせたのでした。
この”賭け”は、ヘタすると7万円近いお金をドブに捨てる事になりかねないバクチですから
かなり勇気が要りましたよ。

はてさて、このガラムーブは再生出来るのか?
ガラのまま私のガラ箱入りとなるのか?

さて次は分解と外観チェックです!!


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