Silver Rain Silver Rain

雨が降り出すよ、僕の心に

分からないまま、走ってきたあの頃が

今になって懐かしく思うなんて


あの頃は今よりも不器用だった

今でも不器用なのかな

ねぇ?教えてよ

不器用な優しさしか出来ずに

傷つけてしまった人


Silver Rain

銀色の雨、冷たいね

振り向けば君の姿が、あったらいいのに

そんな事無いって分かってるけど


ただ歌を聴いて

君の為の歌を聴いて

いつかまた逢うとき

そっと抱きしめて…


Silver Rain

銀色の雨、優しいね

消せない過去達が、僕を今でも苦しめる

Silver Rain

ただ抱きしめて、そっと

あれから何年経ったかな

今でも僕には雨が降り続ける

銀色の雨が僕の胸の中で

to...×××






Silver Rain〜コノ思イ、歌ニノセテ〜

by T







聞いてもらった曲は-I-でSilver Rainです、いやぁ、何度聞いてもいい歌ですねぇ〜

リクエストしてくれたみんな、ありがと〜

それにしても、-I-っていったいどんな人なんでしょうねぇ?

一度見てみたいですねぇ、ははは…さて、続いてのコーナーは…


そこでラジオの音が途切れた

「決して姿を見せず歌い続ける…くぅ〜〜、格好いいわね〜!」

えびちゅを飲みながらミサトが叫ぶ

「ったく…いい年こいて何言ってんだか…」

呆れ返った様子でアスカがボソッと呟いた

その瞬間ミサとの耳がピクッと動いた

…どうやらミサトには聞こえていたみたいだった

不満そうにアスカを見た

「む…何よ、アスカはカッコいいって思わないの!?」

「まぁ…確かに歌はいいけど…」

「ん?歌はいいけど何?」

「どんな奴かな〜…って」

「う〜ん…確かに気になるわねぇ…」

「ねぇ、ミサト、ネルフの力でどうにかならない?」

全ての戦いが終わった後、ネルフは公開組織になった

そして世界に向けてこれまでのことを公表した

一部、公表されなかった部分もあるが…

「ちょっとアスカ…こーいうのは見えないからこそ、いいのよ?駄目に決まってんじゃないの」

まったくもってその通り

「やっぱ駄目か〜…もう寝よ〜、おやすみー」

「はい、おやすみ〜。ごゆっくり♪」

グビグビ、っとえびちゅを飲みながらミサト

その周りには空き缶が沢山転がっている…

ミサトが何か思い出したように呟いた

「ふぅ…もう2年になるのね…シンちゃん…」

碇シンジ

元サードチルドレン

元エヴァンゲリオン初号機パイロット

元同居人…

全ての戦いが終わった後、彼は消えた

「そっか…もう2年、だったわね…」

碇シンジが消えて2年になる

その間ずっとアスカは泣いてきた

ミサトはそんなアスカの姿をもう見たくなかった

これまでの戦いでボロボロになってきた分幸せになってほしかったから

無論、碇シンジにも…

「・・・もう一本飲もっか」

そう言いミサトはえびちゅを開けた

他人から見れば飲みすぎなのだが、本人に言わせてみれば

「こんなの水と同じよ」

だそうだ…

「くぅ〜〜!!やっぱりビールはいいわね〜〜!!」

能天気な声が葛城低に響く

先ほどまでシリアスだったのが嘘みたいな変わりようだ

そして葛城邸の一日が終わる






同時刻、某所

「分かりました、来週の夜ですね」

止まったままの時計の針が進む時は近い

時計の針はあの時止まったままだ

「はい…はい、分かりました。それでは、よろしくお願いします」

無くした景色の色を取り戻す日は近い

「…これで、いいんだよね」

電話を置いた少年が呟いた

そっと…目を閉じた

「…アスカは見てくれるかな」






数時間後、某所

「2年前、僕の心はボロボロだったと思う」

今は大丈夫なのかい?

「今は大丈夫だよ?」

「やっと父さんと分かり合えた気もするし…」

「母さんも戦いの後、戻ってきたしね」

「綾波…いや、レイが僕達の家族になってくれたし」

僕もだよ(はぁと

「そ…そうだったね…(な、なんか怖い…)」

…嫌なのかい?僕を見捨てるのかい…?

「そんな、見捨てるなんて!嬉しいよ、家族になってくれて」

やっぱり君は可愛いね…好意に値するよ(すぐにでも僕のものにしてしまいたいよ…)

「は、ははは…でも…思い出しちゃうんだよね…」

ん?何をだい?

「いつも勝気でさ、僕のことバカバカっていう女の子のこと」

「なんでだろうね…」

「何をしてても…顔が浮かんでくるんだ」

へぇ…それじゃあ逢いに行ってみたら?(…はっ!僕は何てことを言ってしまったんだ…行かなくていいよ、行かないでおくれ…)

「え?逢いに行ったらって?」

い、いや、僕が言いたいことはだね、つまり…(ヤバイよ、ヤバイよ…)

「あ、今度さ、僕テレビに出ることにしたんだ」

へ、へぇ…よく決心したね…凄いよ。見てみたいなぁ…(どちらにしても、早く日本に帰らないと…)

「あはは、まぁ、父さんがビデオに撮ると思うから帰ってきたら見せてもらいなよ」

そうさせてもらうよ(日本に帰ったら僕のを受け止めてもらって…その後…なんて完璧なんだ)

「あ、レ…レイ…ご、ごめん…も、もう電話切るね…」

え?ちょ…ちょっと…

「ま、またね、カオル君

シ…シンジくぅ〜〜〜〜ん!(レイめ…僕とシンジ君を邪魔するつもりかい…)

(…僕とシンジ君の間を邪魔する奴はみんな消してやるさ…ふ…ふふふふふ…)

「(な、なんか急に寒気が…気…気のせい…だよ…ね…ははは…)」


「…お兄ちゃん…誰と電話してたの…」

「え?え、えっと…そう!テ、テレビ局の人だよ!(カオル君と電話してたって言ったら何言われるか分からないよ…)」

「…そう」

「(し…信じてくれてない…)」

「…………(また…カオルと電話してたのね…)」

「(ど、どうしよう…)」






翌週、学校の屋上

「あ、そうだ…アスカ!今日-I-がテレビに出るんだって!!」

「え!?ほんと!?ヒカリ!!」

「ほんとよほんと!」

「やっと・・・って感じよね〜・・・」

「そうねぇ・・・Silver Rainが出てから1年、全然出なかったもんね」

屋上で弁当を食べてる時の事だったの

ヒカリが-I-がTVに出るって言ったのは

何でも、クラスの人たちから聞いたらしい

「はぁ〜・・・どんな人だろうなぁ?」

そう、これが気になるのよ

やっぱり、どんな人か気になるわよねぇ?

「カッコいい人だったらいいのにねぇ…」

そうヒカリが言った時、悪戯心が芽生えた

「例えば…鈴原みたいな?」

そう言った途端ヒカリが顔を真っ赤にして否定してきた

あはは、やっぱりヒカリからかうの面白いわねぇ〜

「ごめんごめん、でもさ、ほんとどんな人なんだろ?」

初めて-I-の歌が流れたのが1年前

CMで聞いただけだったのに

なんか…吸い込まれるって言うか

それから-I-のCDが飛ぶ様に売れたみたい

しかも、デビューしたての、1曲目から

ただ…

「でも…なんでSilver Rainしか出さないんだろ?もう1年も経ってるのに」

1年経っても、人気の歌だった

それだけ人を惹き付ける歌なんだな、と思う

「まぁ…なんか色々あるんじゃない?」






夜、葛城邸

それから家に帰るまでのあたしは機嫌が良かったらしい

まぁ…-I-が見れるんだからね

で、今TVを見てるってわけ

「やっと…って感じよねぇ」

ミサトも今日は早く帰ってきて一緒にテレビを見てる

「そうねぇ…あ、そろそろじゃない?」

「さあ、続いては大人気の-I-です!」

ドアが開いた

やっと-I-の登場ってわけね

そして…






「どうも、初めまして…-I-です」

ドアから出てきたのは優しそうな人を惹き付ける様な…

そんな感じの人だった

髪は肩ぐらいまで真っ直ぐ伸びてる

身長は170の中間ぐらいかな?

あ、サングラスとピアスしてる

服装は黒のTシャツにジーパン

ふ〜ん…格好いいわね…

でも…なんだろ…この感じ…

って思ってたら司会の人が話を進めだした

「えっと…なんて呼べばいいかな?」

「あ…ごめんなさい、-I-でいいです」

「Silver Rainだけど、-I-が作詞作曲したんだよね?どんな思いでしたの?」

「そうですね…」


そして、-I-はカメラの方を向いて…

「昔…そして大切な人を思い浮かべて・・・」

「今、これを見てるかも知れない…」

「大切な人を思ってです」


何でか一つ一つの言葉が心に響く…
あれ…?アタシ、なんでこんな泣きそうになってんの…?

「ほほう…だからこんなに優しい曲なんですね」

「そう言ってもらえると嬉しいです」


-I-は照れた様にはにかんだ

懐かしくて…愛しい感じがする…そんな微笑み

「さて…そろそろ曲の方にいきますけど…」

司会者の視線が-I-と重なった

「今、この番組を見ているかも知れない、大切な方へのメッセージを最後にどうぞ」

「そうですね…」

そして…

「いつか…いつか必ず逢いに行くから…」

「もう少し…もう少しだけ待ってね」


そう言って微笑んだ

なんで…なんでそんなに優しい顔してんのよ…

「さて、準備が出来たようなので…っと」

-I-が何かを言っている

「あの…これ、差し上げます」

そう言ってサングラスをゆっくり外した

下を向いてるから顔が見えない

「え?いいの?」

「ええ、いいですよ。貰って下さい」

「それじゃあ、ありがたく貰っておきますね」


そしてステージへとカメラを避ける様に向かった

「それじゃあ、-I-でSilver Rain-銀色の雨-です」

やっとテレビで-I-が見れた、歌を聴ける






あれ…観客達の様子が変…

あ…やっと正面向い…た…

それからア タシはどんな顔でTVを見てたか分からない






失くしてはじめて分かることってあるわよね

アタシがまさにそれ

気づくのが遅すぎた

気づいたときには大切な人がいなくなってた…

どうしてもっとはやく気づかなかったんだろう

…いえ、気づかないふりしてただけなのかもしれないわね

アイツがいなくなってから散々だったわ

…バカよね、アタシ

アイツのことバカっていえないわよね…

でも、いくらなんでも何も言わないでいなくなることはないのに…

…アンタのためにどんだけ泣いたと思ってんのよ…

………

はやく…戻ってきてよ…

シンジ…………






「歌う前に…一つだけ…」

「先ほども言いましたが、この歌は昔と、大切な人を思い浮かべてつくりました」

戦いの後精神的にボロボロだった僕は生きる気力を失ってたと思う

だけど歌に出あってからは変わった

生きて…歌いたいと思った

「過去を乗り越えるため…みんなのため…」

そう…僕は過去を乗り越えたい…

そのための一歩なんだ

みんなからすれば小さな一歩かもしれない

だけどこの一歩は僕にとって大きなものだと思う

「そして、大切な人のために歌いたいと思います…」

いつも勝気で僕をバカっていう少女

一番をいつでも目指していた少女

他人には決して弱いところを見せなかった少女



「この思い、歌にのせて」

君に、届いて欲しい



「Silver Rain」

アスカ………






Silver Rain

雨が降り出すよ、僕の心に

分からないまま、走ってきたあの頃が

今になって懐かしく思うなんて


あの頃は今よりも不器用だった

今でも不器用なのかな

ねぇ?教えてよ

不器用な優しさしか出来ずに

傷つけてしまった人


Silver Rain

銀色の雨、冷たいね

振り向けば君の姿が、あったらいいのに

そんな事無いって分かってるけど


ただ歌を聴いて

君の為の歌を聴いて

いつかまた逢うとき

そっと抱きしめて…


Silver Rain

銀色の雨、優しいね

消せない過去達が、僕を今でも笑ってる

Silver Rain

ただ抱きしめて、そっと

あれから何年経ったかな

今でも僕には雨が降り続ける

銀色の雨が

to…






アスカ…






「シン…ジ…」






止まっていた時計の針は動き出した

色あせていた景色が鮮やかに映った

全てを投げ出し逃げ続けた少年

失くしてはじめて大切なことが分かった少女

二人が交わる日は近い

どうか彼等に涙が溢れるくらいの幸せを…






…どうかシンジがカオルの毒牙にかかりませんように








〜後書き〜

この作品を最後まで読んで頂きありがとうございます^^
この作品は前のHPに置いてあったものを修正したものです。
どう感じるかは人それぞれなので、自分の意見は書きません。
突然ですが、お願いです。
誰かこの作品のafter(連載)を書いていただけませんか…?
我こそ!と思う方、「Silver Rain after 執筆希望」と書いてメール下さいませ。
メールはこちらまで。
よろしくお願いしますm(_ _)m