給餌物と色彩
 

私自身、アフリカンを飼育をしていて、どの様なメカニズムで発色がおき、どの様な飼料を与えることで現在も悩んでいます。その時に非常に勉強させていただいた文章が、下記の文章です。
 また、この文章でも説明がありますが、基本的にはホルモンが活発化して、色素細胞が誘発されることにより、色彩が美しくなるようなので、最近は、そのホルモン形成に役立つと言われる、ヨウ素が十分に含まれると言われる、テトラのアクアバイタルを使用しています。原文はこちらです。

シクリッドの発色コントロールと増進
著者:ジェイソン セーロン
 

 発色とは基本的に、内分泌と神経システムの作用によるものです。しかし、摂取物に含まれる色素も、この発色を決定付ける要因にもなっています。
内分泌と神経システムの両者は、魚の発色に影響を与えます。脳下垂体はホルモンを分泌し、このホルモンは、魚の生涯に渡り、しかも、成熟期に達した段階から、色素の生成を誘発し続けます。つまり、色素の生成は成熟期の始まりから、活発化するのです。
多くの魚類において、自らの色彩をカムフラージュに用いたり、異性を引付ける目的で使用します。シクリッドの仲間は、成熟期に達した時のその輝くような色彩でよく知られた存在ではありますが、この自発的な神経システムは、捕食者や、攻撃的な混泳魚と言った刺激で、様々に体色を変える働きがあります。
おそらく、この体色の変化をご覧になったことがある方は、この変化が驚異的な速度であることはご存知の事だと思われます。

細胞に特別な色素を持つ細胞は、色細胞とよばれ、鱗の下に存在しています。これらの細胞では、色素の微粒子が出てきたり、消えたり、または、収束したり、分散したり出来るように枝分かれしてしています。こうした細胞の不確定さにより、魚は急激に色を変える事が出来るようになっています。
更には、こうした特別な機能をもった、色素細胞には、イリドフォレスと呼ばれる、色の無いプリン状の結晶体が存在しています。この結晶体は、その大きな大きさから、イリドフォレス同士で動けなくなり、積み重なって存在しています、こうした現象は結果的に、魚の表面反射を行う事となり、魚の色彩の基本部分、または、構造の根底部分となっています。このイリドフォレスとは、銀色に輝く働きがあり、とりわけ、遠洋に住む魚では、こうした、細胞は、外部の光に対して、反射作用を行うこととなり、下から見た場合では、太陽光線のきらめきに混じるように輝いて見え、反対に、暗い場所や、上部からこの魚を見た場合では、より一層暗く見える性質を持たせることとなっています。これは、捕食者から身を守る為に出来たメカニズムと言えるでしょう。

 色素は、それぞれの色によって形作られますが、カロテノイド色素は赤とオレンジ、キサントフィルは黄色、メラニン色素は黒と茶色を形成します。
 フィコシアニンと言う青緑の苔に存在している色素は青い色を形成します。また、細胞の中に黄色の色素が、もともと有る場合、この青い色素は、緑の色彩を帯びてくるようになります。

キサントフィル

メラニン

カロテノイド

フィコシアニン

魚は自ら、幾つかの色素を作り出すことができますが、こうした自分で作り出す事ができる色素以外は、食品摂取によって、供給されなければいけません。黒と茶色の色素は、メラノシテスという細胞から作り出されます、しかし、カロテノイド(赤、オレンジ)、キサントフィル(黄色)は作り出すことができません。それゆえに、これらの色素は、給餌によって供給する必要があるのです。

自然下に存在する、色素は多くの鑑賞魚用飼料に用いられています。色揚げ飼料は、観賞魚の色彩を向上させるような、自然から採取された色素が含まれていると考えられます。カロテノイドと言う色素は、多くの海水、または淡水の無脊椎動物がもつアスタキサンチンで見受けられます。この色素により、鮭などの魚は特徴的な色素を帯びていますが、エビやクリルといった飼料や、タンパク源として鮭肉を使用している幾つかの飼料にも含まれています。
純粋なアスタキサンチン、またはカンタキサンチン(アスタキサンチンの合成物)もまた、魚の赤や、オレンジの色彩を高めるように添加されている場合があります。
これらカロテノイド色素は、よく、鮭や、虹鱒の養殖場で、肉が赤色に染まるように使われたりもします。
キサントフィル(黄色)はトウモロコシのグルテン飼料や、乾燥卵に含まれている色素ですが、これは、黄色を高める作用として、飼料にも含まれているようです。また、マリーゴールドの花びらの粉末も、また、キサントフィルの原料として使用されています。
青緑藻スピルナに豊富に含まれるフィコシアニンもまた、青色を高める作用として添加されています。
発色に対して、補完的な作用を施す色素と言うのは、通常、その価格的なものから、限定的に使用されるものが一般的なのでありますが、これらの色素は、そうした高価な色素とは対照的に様々な場面で、通常、よく観賞魚の色揚げ用に使用されています。

観賞魚の発色に関して議論をする場合、魚を染めたり、色付けしたり、または、ホルモンの含まれた食品を与えたりすることを語らないことは出来ないと思われます。
魚の色付けは、基本的に色の無い魚(例えばグラスフィッシュ)等で、よく見られます。この蛍光カラーのペイントは毒性の無いものですが、しかしながら、着色の工程や、取り扱いと、輸送上のストレスから、病気の問題が発生することが良く見られます。こうした魚はよく、白点病や、細菌感染症を水槽内に持ち込むことが指摘されています。さらに、時間と共に、このペイントが消え、元の何も変哲の無い魚に変化し、多くの飼育者が、こうした魚に見出していた『美』を失ったと興ざめする結果になっています。こうした、魚の染色と言う行為は現在では非常にポピュラーになっています。こうした魚は、染色剤を投入された水の中に浸され、染色されます。
こうした、染色行為や作業工程といった段階で、前述の病気に感染することに成っているようです。

ホルモンもまた、色揚げと言う目的で使用されるケースがありますが、このことは、魚を早熟させる結果を生み出します。テストステロン(男性ホルモン)は色素細胞内の色素の生成と発色の早熟を即す結果を生み。通常、くすんだ色を呈する幼魚が、熟成した成魚の色を発する作用を生んでいます。こうした、ホルモンによって処理された魚は、よく、生殖機能が失われたりします。更には、食事摂取などによって、ホルモンを引き続き投入しなければ、この色彩を保てなくなると言う減少も表れたりします。
また、通常、幼魚期の性というのは、まだ、確定した状態で無く、曖昧な状態なのですが、こうしたテストステロンを中心としたホルモン摂取は、全ての幼魚を雄に性転換させる結果をうみだしてしまいます。
つまり、過度な量のテストステロンは、生殖機能を失わせしめ、体内から自然に発生するホルモン生成機能を破壊してしまいます。したがって、こうした魚はホルモン処理された餌をストップさせられると、その色彩を保てなくなってしまうのであります。
こうした、魚類用の飼料で、ホルモン剤が含有されることは、ティラピア(オレオクロミス)用飼料では、適宜に商業利用されています。ティラピアの生産者には、出荷サイズになる前に魚が成熟してしまうと言う共通の悩みがありました。その結果繁殖業者は、養殖池で、性的な成熟と繁殖を行わせない為に、たびたび、大小とりまぜて混泳させたりしてして、性的成長が行われ無いようにしました、なぜかというと、食物摂取による、エネルギーが肉体の成長につながらず、生殖細胞の成長に多く費やされてしまうからです。
したがいまして、ホルモンを含む飼料は、肉体的成長を、より早く行う為に、よくティラピア類の雄に使用されたものでした。こうした飼料は、テストステロンを含み、オスは非常に早く成長致します。この種の飼料は、幼魚の成長促進用として、使用され、現在でも、FDA(米国食品医薬品局)の承認の下に、魚用飼料として承認されています。

現在の情況から、鑑みますと、こうしたタイプの飼料は、観賞魚の養殖業者や、アクアリストの中では余り広まっていないように思われます。また、成魚の色揚げ用に使われることも殆ど無いように思われます・・・しかしながら、これは、シクリッドという例外を除いての話です。
こうした魚とノーマルの魚を区別するに場合、魚を購入する場合、十分に魚を観察する必要があります。これ以外、方法はありません。もし、余りにも美しすぎる魚、これは、非常に怪しいものです。
また、水質と言う事項も、観賞魚の色彩向上に関して、補助的な役割を果たします。劣悪な水質は、飼育魚のストレスを増大させ、魚の色彩を鈍らせてしまいます。質の良い、生物ろ過装置と、定期的な換水(最低限、2週間に一度)は、彼らが、眩いばかりの色彩を発揮させるような環境作りに役立つことでしょう。
 


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