HITH(穴あき病)に関して
 

私自身、まだ、飼育歴があさく、穴あき病を経験したことが無いのですが、穴あき病を経験された方によると、そのしつこさは、非常に厄介な病気の様です。
アメリカのサイトに、この病気に関して、非常に細かい解説文がありましたので、日本文に翻訳いたします。原文はこちらです。

HITH(頭部穴開き病)に関して
著者:アダム ダグナ
 

『頭部穴あき病』(Hole In The Head 省略して"HITH")はまたの名を、『頭部並び側線部腐敗症』(Head and Lateral Line Erosion 省略して、"HLLE")としてとして知られています。これはは同じ病気なのですが、ただ単に、呼び方が異なるにすぎません。
それは、顔部分の感覚器官と同様に側線に沿ってに表れます。そして、まさに、『穴開き』の名前どおりに、この両方の場所で穴が開く現象が見られます。
これまでの研究に於いて、今だ確定的な結論が出てなく、または複数の研究結果で矛盾が見られる為、この病気の多くはミステリーに包まれたままです。しかしながら、多くの時間を費やして研究された結果、現在、通説とでも言えるような一般的な理論が4つあります:
『外部環境説』、『常用飼料説』、『活性炭素説』および『Heximita伝染病説』です。

①外部環境説
第一の『外部環境説』は、2つの主なサブカテゴリーに、分類することができます。それは、「水質」と「ストレス」です。
今まで、劣悪な「水質」と、穴あき病のとの関係が示唆され続け、そして、この水質の問題が重要な要因では無いかと言われてきました。
水質上問題が無い状況下では、病気と言う問題は殆ど起きないと言う点から鑑みましても、この「水質」と言う問題は、穴開きに限ら
ず全ての観賞魚の病気に対しての原因となりえる非常に重要な項目であるといえる事です。
非常に理想的な水質の状態で、病気が発生することは、確かに有るのかもしれませんが、どう考えても、ごく稀な少数例であって、通常、私たちは、そうした事例をを目にすることは無いに等しいと思われます。
私たち、飼育者が常識の様に知っている、十分なろ過と、水換えは、もちろん行わなければならない必須項目であります。。
よく、雑誌などのメディアで紹介されている様に、アンモニア濃度は0、亜硝酸濃度は0、更に硝酸塩濃度は40ppm以下に保った方が良く、理想は10ppm程度です。
また、幾つかの研究では、硝酸塩が40ppmを越えるレベルの水質で長期間飼育が行われた場合より穴開き病が、より一層進行することとが分かり硝酸塩と穴開き病の関係が示唆され続けています。
サブカテゴリー2番目の「ストレス」とは一体どういったことなのか?それは、幾つかの事が考えられます。
水槽内の混泳魚同士の争いは、その内の一つとして考えられますが、しかし、これは、更に、2つに分けて考える事ができます。
一つは水槽内に於ける、優劣の差により、餌の採り具合が違ってくることによるストレス、そして、直接的な攻撃を受けることによるストレスです。
飼育者が、同じ水槽内にそれぞれ、異なる攻撃力を持った魚を(必ずしも異なる種の魚と言う意味では無く、異なる個体と言う意味です)飼っていれば、このうち、1つまたは両方のストレスが魚の中で発生しているのでは無いでしょうか。
水槽内で、より優位に立った魚は、少し食べては、下位の地位の魚を追い掛け回し、餌を食べさせないようにしたり、または、一度に沢山の餌を摂取し、弱い固体は、その残り物にしかありつけない情況になってしまいます。
この情況は非常にストレスを溜め込んでしまう環境であり、長時間にわたって、この情況が続けば、時間と共に、魚の免疫器官が疲弊してしまい、発病という名の、次の段階の問題に発展してしまう危険性があります。

②常用飼料説
第二の『常用飼料説』に関しても、穴あき病の原因であるとして通常、認識され、多くの方々が支持している説の一つです。これは、壊血病や、くる病といったものと同質であると考えられています。
また、両者は人間では、ビタミン不足によって引き起こされる病気であります。(壊血病は、ビタミンCが不足した食事を長期間摂取し続けることで発生し、昔の水夫は長い航海で、新鮮な果物や、野菜を摂取できなかったため、この病気に良く罹った)
人間と同様に、もし、適切な栄養を備えた食事を摂取する事を、長期間に渡って怠ったならば、水槽の中の魚も、人間と同様に、体調が悪化してしまいます。
もしバランスの取れていない、または、適切とはいえない食事を長期にわたって摂取し続けたならば、魚は身体的に大きなダメージを蒙ることとなります。飼育魚が豊満に太っているから、健康であると誤解はしないようにしたいものです。これは人間で肥満が、必ずしも健康の象徴では有り得ないという理屈と全く同じであります。ただ単に、食事は、食べればよいと言うものではありません、適切な食事と言う物が大事なのです。
更に穴開き病の悪化と、カルシウム、リン、ビタミンCとDの欠乏が研究により、分かってきています。
昨今の熱帯魚飼料はビタミン等のサプリメントが加えられている為、バランス良くビタミンが配合されています。熱帯魚飼料の内容を熟知し、バランスをとり、摂取物に変化を与えることは非常に大事であります。
注釈
:肉食性または、肉食性により近魚種、例えば、オスカー、フラミンゴシクリッド、グアポト(アメリカシクリッド)等に、与えるのに、生餌の小魚をメインの飼料としてはいけません。なぜならば、こうした生餌には、実質的には、栄養価値が皆無であると共に、チアミン(ビタミンB)を破壊するチアミナーゼと言う酵素が多分に含まれるからです。
チアミンは、重要なビタミンの一種で、もし、生餌を、給餌時にメインとして与え続けたならば、チアミン不足となってしまいます。
つまり、もっぱら、生餌のみを中心として、魚に与え続けたならば、非常に穴あき病に感染する確率が高まるといえるのであります。
更に、生餌には、白点虫(Ichtyophthirius multifiliis)等の病気を持ち込んだり、他の沢山の寄生虫や、細菌性感染を招く恐れがあります。 ここで、重要なことは、飼育魚が生餌にむしゃぶり付く迫力ある光景を鑑賞したい欲求を飼育者自身が如何にコントロールするかに、関わってきます。そして、このことは、結局は飼育者自身の為にも成る事なのです。

③活性炭素説
第三の『活性炭素説』は最も喧々諤々の議論がなされてる説だと思われます。この理論は、活性炭とは有害な毒素を水槽内の水から取り除くのが通説であるが、実際は、病気の原因になっていると言う考えです。当初この考え方は、理屈に合っておらず、今まで私たち飼育者が見聞きしたり、実践してきたセオリーと全く逆な考え方なのでありますが、穴開き病発生数と活性炭の関係を考慮した場合、あながち無視できない事実が浮かび上がってきます。(すなわち、活性炭が水槽内に投入されると、穴あき病が発生し、それが取り除かれると、穴あき病は沈静化するのです。)
多くの実験で、活性炭素を用いた水槽では、魚は病気にかかることが無く、活性炭素説を裏付けるような事実が見られず、この説は信用に値しないと取り扱われてきました。
しかしながら、私の個人的な経験では、穴開きの病の原因の多くは、活性炭そのものから出てくるものではなく、活性炭に付着しているの活性炭の微小粒子から生まれるものでは無いかと考えています。活性炭が熱帯魚店に陳列されるまで、何百キロまたは、何千キロの道のりを揺られ揺られて、トラックなどに積載されやってきます。活性炭の粒は、その過程でぶつかり合い、活性炭の微粒子が形成されます。活性炭を使ったこと無い人にとって、それを洗浄するときに、出てくる黒い微粒子を目にすると、これは、ただの黒い汚物では無いかと感じるのではないでしょうか。あまり、適切な洗浄を施さなかったり、または全く洗浄を行っていない活性炭は、微粒子を水槽内に持ち込むことになります。そして、このことは病気の原因になることなり、活性炭と、そして、重要な活性炭の微粒子が取り除かれると、穴あき病は鎮静化することになります。
この説に関して、更に、他の見解もあります。長期の活性炭の使用により、水槽内で多くの必要微量元素が活性炭に吸収されることにより、欠乏状態となり、この事が、魚を病気を導くというものです。

④ヘクサミタ(Heximita)原虫伝染説
かつて、ヘクサミタ説は実際は、この病原原虫が重要な原因では無いことが分かるようになるまでは、穴あき病の主要な原因だと、信じられていました。、この説に関してはは、まるで病気を治すために、熱帯魚関連者が、高い薬を売りつけ、治療を勧めてているように捉えられたことからも、説得力を失ってきているようです。
ヘクサミタは腸に住む寄生原虫です。これは、多くの熱帯魚に寄生し、腸壁から栄養分を吸収することを阻害する原虫です。しかしながら、多くの穴あき病の症例で、分かってきたことは、ヘクサミタは魚の体外にでも、穴やクレーターを形成して必ず生息しているのです。つまり、魚の腸内が病原中に、たとえ全く侵されてい無い状態であっても、水槽内では、まだ、寄生を行っていない原虫が、幅広く生息しているのです。
多くの穴あき病の病例では、ヘクサミタの薬を用いた治療で劇的な回復をなし遂げることができました、しかしながら、一方で、回復したのと同じ頻度で、良好に成る兆候を全く示さず、回復が叶わない魚もいました。
ヘクサミタと穴あき病の間で見られたこの関係図式は、免疫機構が弱ったことによって生まれた2次感染の問題であり、穴あき病の直接原因であるとは現在ではあまり考えられてはいません。
しかし、ヘクサミタが腸内で(つまり腹水が)表れている場合、穴あき病の治療は、この伝染病が治るまでは治療を行っては始めてはいけないと考えられています。

治療
一般的に流布している説に反して、穴あき病の治療は、非常に簡単で、出費がかさむものではありません。この病気は、完全な治療が可能であり、または、幾つかの過程を得て、沈静化させることが出来るものであります。飼育者の方々が、下記のステップ項目の方法に従い治療を行うことが最良だと私は考えています。この項目にある、幾つかの事項は、必ずしも必要というわけではありませんが、1と2の事項は、絶対必要事項です。
興味深いことに、こうした治療には、高価な薬品は必要なく、いずれも、良質な食事環境、そして、水質管理によるもので、この方法に拠って治療を行えば、非常にわずかな出費、又は、ややもすれば、お金をかけずに、治療を行うことができあます。

1) バランスの取れた、ビタミン豊富な食事環境
食事を適正化させるために、一週間に2度は、ペレットなどの餌に、ビタミンを添加して与えてあげてください。もし、ビタミン剤が最寄の熱帯魚店で見つからない場合は、粉末状のマルチ ビタミン剤を、水槽の水に一部溶かして、その中に、ペレット飼料をふやかして与えてください。更に、付け加えて言うならば、なるべく、自然下の環境により近づける為に、様々なバリエーションの餌を与えるようにしてください。例えば、ミミズ、コオロギ、ミールウォーム、ハツ(牛の心臓)、ザリガニ、エビ、赤虫、又は、クリル等です。こうした、餌は冷凍のものでも全くかまいませんが、ずっと習慣的に続けるようにしましょう。

2) 換水の実施
最低20%、しかしながら、50%を超えない程度で、3日に一度、換水を行ってください、通常は、25%-30%が適宜な量です。過多気味になった硝酸塩を減らす、最も有効な方法は、水換しかありません、更に、砂利を吸い取るようにして、換水を行ってください、そうすることによって、砂中のデトライタスや、糞便を自然と吸い出すこととなります。

3) 19~38リットルに対して、さじ一杯のアクアリウム塩の追加
需要な事は、治療用に、食塩を使用しない事です、適切な、塩と言うのは、人工海水、アクアリウム用の塩です、なにも処理されていない原塩でもOKです。換水を行ったときに、塩を加えて下さい、なお、塩と言うのは、次の水換えを行うまで、水槽内に留まったままですので、水換を行うまで、次の塩を付け足すことは避けましょう。

4) 水温を27度~28度に上昇させる
この事は、魚の新陳代謝を上昇させ、治療時間を短期間にさせることができます。ただ、29度~30度以上には上げないで下さい。ここまで、上げてしまうと、魚に過度なストレスを与えることとなり、治療に有効な働きが行えなくなります。更に、上記1】と2】そして、3】のステップを踏まずに、いきなり、温度を上昇させると、穴あき病を反って、より一層進行させることとなる可能性が出てくるので、留意されてください。

5)ろ過設備より、全ての活性炭を除去する
これは、活性炭が主だった原因ではあると感じた場合の、用心の為の対策であります。そして、将来的には、質の良い活性炭のみを使用し、水槽に導入する場合は、よく掃除を行ってください。また、これは、6】のステップに進む場合、この活性炭が薬品を吸収してしまうことがあるので、活性炭を取り除くと言うことは、その意味からでも、非常に重要です。

6)もし全てが失敗に終わったならば・・・
もし、全てが失敗に終わったり、または、とても末期的な情況であるならば、ヘクサミタ原虫に対する治療を行うもの良い方法です。ケースやボトルに書かれている解説に従い、一週間は続けて、治療を行ってください。そして、1】-5】のステップに戻って、トリートメントを引き続けて行ってください。
この時点で、病気が回復したり、もしくは、病状に軽減が見られた場合、引き続き行われる治療に関して述べたいと思います。まず、温度に関しては、以前通常時で飼育していた温度に戻してください。そして、38リットルに1さじ入れていた塩を、全て、もしくは幾らか減らして下さい。そして、換水も一週間に一度のペースに戻してください、そして、重要なことは、餌に関しては、引き続き、この状態を保った方が良いと言うことです。
もし、これらを試してみたのですが、未だに、穴開き病と格闘してお困りになっている方は、最後の章で述べられていることに、治療へのヒントがあるかもしてませんので、お試し下さい。

【その他】
まず、最初に、穴開き病を治療するのに、行わなければいけないことは、病気にかかっているかの見極めです。これには通常、魚がどの様な表現や、行動をしているか知る事しかありません、そのためにも日頃から、十分な観察が必要であります。 つまり、もし飼育者が、健康状態の魚とはどう言ったものなのかを知らなければ、頭にあるピンホール状の穴が正常であるか否かの判断さえつかないのです。
魚の通常の状態と常日頃からどの様な行動をとっているかを把握することにより、外観上に変化が現れる前に、先手を打って、問題を認識したり、対処したりすることができます。
このことは、恐らく、全ての病気に対していえることなのかもしれませんが、まず、何が正常な状態なのかを知ること無しに、何が問題状態なのかを語ることは出来ないのであります。

【他の考えられる原因】
本稿を発表するに当たり、穴あき病に関して、多くの人と、この病気に関して色々話す機会がありました。そこで、他に穴あき病の原因と考えられる様な事項について、追記してみたいと思います。しかしながら、これらは現在では、これらは、主要な原因と認知されているわけではありません。

【漏電説】
もし貴方の飼育している魚が、何故か穴あき病に掛かってしまい、しかも回復しない、または、慢性的に穴あき病に悩まされ、次々と飼育魚がこの病気にかかってしまうのなら、電圧計や、電気測定計で、漏電をしらべてみるのも手です。こうしたデバイスは、電流を計測することが出き、一方の針を直接水槽に入れ、そして、もう一方を機器の周辺に置くことにより、漏電を調べる事が出来ます。理想的には針は0を示さなければいけませんが、時々0以上を指す場合があります。この言った場合、漏電が問題になっている事が考えられます。
通常魚類とは、水に対して非常に敏感で、水中で流れてる電流が、ストレスの主要な原因になっていることがあります。まずは電気測定器を購入し、水槽に入れてみてください。そして、一体どの機器が漏電しているのかを特定し、それをメンテナンスするか、破棄してく下さい。(ヒーターとパワーヘッドがよく、この問題を引き起こします)
もし、こうした、漏電の問題が解決されたのであれば、上述の1】~6】の治療ステップを踏むことによって、多くの魚は病状を抜け出すことが出来ると思われます。

【厭食説 (食事に厭きる)】
原因が特定できない、ミステリアスな穴あき病のケースも確かに存在しています。しかも、こうしたケースを見てみた場合、一般的に良く推奨される適宜なペレット飼料を、規則正しく、1日2回、与えていました。結果的に、このことを通じて、私は、2つのことを感じらずにはいられません。 一つは、あるオスカーが健康的な食事を摂取しているにも関わらず、このタイプの食事に厭きてしまい、長期間の中で、穴あき病に冒されてしまったこと、そして、もう一つは、こうした熱帯魚用飼料が、生産工程のミスか何かで、入るべき、ビタミンや、ミネラルが混入しなかったことです。いずれにせよ、この両者に対しての対処は非常に簡単です。多くの異なるタイプの食事をペレット状飼料と周に2回のビタミン補給と同時に、彼らに与えれば良いのです。私は、もちろん、ペレット飼料を使わないように勧めているわけではありません、なぜなら、こうした餌は基本的な栄養を摂取する上で、最良の中の最良とも言える、非常に良好な餌であるからです。ただ、魚体の健康を保つ為に、ペレット飼料以外を追加的に推奨しているのです。少なくとも、こうした、餌に多様性を持たせることにより、魚はより喜びを感じることは間違いありません。

【おことわり】
私は、科学者でも、細菌学者でも、魚類学者でもありません。この内容は、参考資料としての意義合いでありまして、治療回復を保証するものではありません。この内容は、私の個人的な研究と、多くの穴あき病を治療した実績のある、他の愛好家の方の経験であります。ここで、述べられたアドバイスに従って、魚が死亡したとしても、何かしら責任が取れるものでもありませんので、ご留意下さい。もし、疑問点がございましたら、気兼ねなく、私まで、ご連絡ください。そして、皆様の成功をお祈りいたします。


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