| ムブナの飼育について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ムブナも飼育を始めてほぼ一年がすぎました。 以前は大量繁殖された、少々インブリードもしくはハイブリッドの気のある個体しか飼育した事が無かったのですが・・・ 以前に飼育した事の無かった種類に接して感じた事を書いてみようと思います。 |
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| 【気性について】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 気が強いかと言われれば、やはり気が強いです。当初は思ったほど気が強いとは思えなかったのですが・・・ やはり、ある程度大きくなり『性的成長』が出てきたくらいからガラリと変わっていきます。 砂を掘りテリトリーを主張し、縦横無人にぐるぐると暴れまくります。 ムブナは比較的小さい段階から大人と同じ発色をして いるので、この性的成長がいつ訪れるのか分かりにくいですが・・・半年くらいで性的成長を向かえ凶暴になってくるようです。 しかしながら、こうした凶暴性は運動能力のあるムブナ同士ではほぼ問題にならず、隠れ家になる石を大量に投入し、水流ををガンガンに回した環境ではさほど問題ないようです。 そして、さらに水槽内を過密にしなければ一部の魚が極度に虐められたりします。 また、現地の写真でも非常に密度が高い状態で生息している様で、しかも、専門家の文章には、*1 『非常に多様な組み合わせで生活しており、多くの場合、30以上の種類が隣り合って生活している』との記述もあります、そういった意味では多くの種類を高密度に飼育するのが自然な状態に近いのかもしれません。 * 1 】2005 .Martin J. Genner & George F. Turner The mbuna cichlids of Lake Malawi: a model for rapid speciation and adaptive radiation |
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| 【ハプロとの混泳について】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 基本的には止めておいた方が良いと思います。特にムブナと同じくらいの大きさ、またはそれよりも小さいハプロとは混泳させないほうが良いとおもわれます。(あえて、混泳させるなら、ムブナよりもかなり大きな個体の魚)
餌に関してもハプロ(肉食)にあわせれば、ムブナがぶくぶくと太っていき、ムブナ(草食)にあわせればハプロが痩せ細っていきます。更に、ムブナは非常に太りやすい魚で体系を保つ為に、餌をかなり絞ると、餌不足から非常に行動がアグレッシブ(攻撃的)になります。 そこで、小さなハプロは・・・時々彼らの攻撃を受け一瞬にして餌となる場合があります。本当に一瞬です。一時間ほど、目を話しただけで、この数ヶ月お互いに生活していたハプロが骨となる事がありました。 ハプロクロミス大型魚との混泳も短期的には、可能だとは思われますが、餌のタイプが両者は全く異なるので、大型魚にあわせると、ムブナが非常に太ってしまい、最悪の場合は、特にワイルド個体の場合、餌を消化できずに、腹水になったりします。 |
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| 【餌について】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 餌に関してはやはり、草食性のもの、もしくは顆粒状の餌を少し与えるのが良いと思われます。 弊宅では植物用のフレークか、海水魚用の餌を1日に一度与えています。 かなり餌も絞っているつもりなのですが・・・・一部の餌とりの旨い個体は、結構太っています・・・ 私自信の経験上、ワイルド物と人工繁殖された魚の違いは歴然としており、ワイルドものは食性には非常に敏感だとおもいます。 人工養殖個体の場合は、何でもバクバク食べると言う感じでしたが、ワイルド個体の場合は、バクバク食べるのですが、それが原因で死亡してしまうという事がありました。人工養殖の個体でも、シュードトロフェイス デマソニは例外的に非常に餌への要求レベルが高かったです。動物食の場合には必ず問題がおきましたした。 余談ですが、シュードトロフェイスデマソニは、Cichlid.Forum.comなどでも飼育レベルは比較的高い部類と言う事で紹介されています。 |
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| シュードトロフェイス デマソニ "ポンボ ロック"(Pseudotropheus demasoni "Pombo
rock") *本魚は、更に、モザンビーク産の地域変種(Pseudotropheus sp. "demasoni mozambique")も知られています。 |
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| 【岩組み】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 岩組みはムブナを飼育する上では、他のマラウィシクリッドと異なり非常に重要になってくると個人的には考えています。彼らは非常に攻撃的です。しかしながら、非常に素早く、かつ優れた運動能力を持っている為、互いに攻撃をしあっても、所謂、あ・うんの呼吸でそれらを回避します。 観察をしてみると分かるのですが、非常に僅かな時間の内に、被攻撃者は攻撃者の攻撃を予測して、回避行動を取ろうとします。 多くのハプロクロミスの場合、このムブナの持つ、あ・うんの呼吸が無い為、もし、攻撃された場合、多くの場合殺されてしまうと思います。 更にやられる方は、まるで、動体視力のトレーニングになるようなスピードで、岩の隙間や岩の後ろに隠れて、攻撃者からの視界から消えて、攻撃を回避します。 この為、岩組み、つまり攻撃者から動体視力的なスピードで、視界から消えてしまえるだけの岩組み、しかも複雑な組み合わせが必要になってきます。 現在、弊宅の120cmの水槽には、合計で80kg近い岩が投入されていますが、水槽内の景観を気にしないのであれば、胡蝶蘭用の小さな植木鉢や、ビニール管を大量に投入するのも一つの方法だと思います。 |
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| シュードトロフェウス エロンガータス "チェウェレ" (Pseudotropheus elongatus "Chewere") 岩場の周りがやはりお気に入りの様で、城を築かんと右の写真の様に岩の周りの砂を掘り返します。 |
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| 【新規魚の導入】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| これが、結構手間がかかります。 これに失敗すれば・・・一瞬にして、消し炭の様に新規個体は殺されてしまいます。 通常ムブナの水槽は、ある一定の時間が経つと、網の目の様に縄張りが張り巡らせています。この中に一匹、もしくは、2-3匹の魚を投入しようものなら、周りの魚からいっせいに『殺し』を意識した攻撃にあいます。 それらを考慮して、魚を投入する前に事前に準備が必要になってきます。私の個人的な方法は・・・ @ 新規導入魚を1週間ほど、新しい水に慣れさせるため隔離箱で飼育する。 A 一週間後、上位にあるボスと準ボス魚を10匹ほど、他の水槽に移動させる。(更に、新規導入魚に似た外観、色彩の持つ魚をも一緒に移動させる) B それと同時に岩組みを完全に変えてしまい、水槽内の景観を全く変え、ディフューザーの水流の位置も変える。 C 観察をし、水槽内にいる魚の状態が、新規の環境に驚き、ほぼ、全ての固体が退色したのを確認する。 D ゆっくり、新規の魚を導入する。観察する。 以前は、大丈夫だろうと夜に魚を導入し、次の日に魚がつつき殺される経験を何度かしましたが、非常に面倒ですが、この方法で、なんとか凌いでいます。 |
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| ラビドクロミス sp チズムラエ (Labidochromis sp Chizumulae) 購入したばかりの個体は、水にも慣れさせるため、一週間ほど、隔離箱で飼育しています。 |
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| 【定期的な管理】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 一週間に一度半分ほどの水飼えをしています。飼育密度がある程度あるので、ディフューザーで酸素を十分に供給させています。更に、弊宅のムブナ水槽は岩組みが非常に複雑になっており、止水域が出ないようにと、ディフューザとエアポンプの2つで酸素供給&水流を作っています。 更に、1から2週間に一度、岩組みの景観をチェンジしています。こうすることで、時間と共に張り巡らされる縄張りをある程度リセットし、比較的平穏な環境が短期間ですが、出来るようです。また、この景観をチェンジする事が契機となって繁殖活動が引き起こされる事もあるようで、岩組みをいじると成熟した個体は次の日には非常に高い確率で卵を咥えたりします。 |
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| 【雑感】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 上記で、主に飼育に関して、書いてみましたが、自分と言う存在を無視して、本魚の事を考えた場合・・・どうでしょう・・・ よっぽど好きか、興味が無いと飼えないと思います。 ある程度の種類を飼育しようと思えば、一定の大きさの水槽か複数の水槽が必要だと思いますし、何よりも、ムブナとのみ飼育するのがベストだと思われます。 そして、私自身、ムブナが盛んに縄張りを主張する時に見せる刹那的な驚くべき体色変化を楽しんでいます。従いまして縄張りの主張とそれに伴う攻撃行為は他魚に比べて激しいです。こうした行為を活き活きとした(Vivid)行為と見るか ?はたまた、凶暴(Cruel)な行為と見るかで、飼育される方の本魚に対する考えも大分異なったものになるのではなかろうかと思われます・・・ |
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| シュードトロフェウス ファインジルベリ "ンカンダ" (Pseudotropheus Fainzilberi Nkanda) 右はやる気無し無しダメダメモード状態(周りに自分よりも強いライバル魚がいる)、左は他の個体を圧倒し、俺が世界一やけん!かかってこんかい!ゴるァ!状態、この体色は、ほんの数秒で切り替わり、彼らが何を考えているのか ? そして、不満がある場合は何なのか ?じっくり観察してみるのも非常に面白いものです。 |
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| また、本魚は岩場に生えた、移動することの無い苔を食べる魚です。 この事により、彼らが一生に行動する範囲とは非常に限られており、非常に小さな空間で独自の進化を繰り広げてきました。したがいまして同種でも数百メートル離れた地域では色彩が異なり、全く異なった色合いを持っている事が知られています。 こうした極めた限られた空間で進化したという、その希少性から、多くの学者の先生方は、ムブナを中心に研究されている方が非常に多く、論文、文献、書籍に関しても極めて豊富で、彼らに対する、生態、生理メカニズム、SMRS (種類間の配偶者認知システム)などに関して非常に豊富な情報が存在しています。 こうしたものを片手に読みながら、飼育をしてみるのも非常に楽しいものです。 こうした情報は、彼らが何を考えているのか ? 何を根拠にこうした行動をとるのか?と言うような、一種の翻訳機械の役割を果たしてくれ、水槽を観察する時に、より幅を持って色々な楽しみが出てくると思います。 |
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