Aulonocara

Aulosと言うギリシャ語でフルートとか笛を表す言葉と、"Cara"と言う頭部をあらわすラテン語が属名になっている様です。実際に、頭部にはまさに笛穴の様な連続した穴が頭部に連なって存在しています。
研究者の間では、これは側線が進化したもの考えられており、野生下では、この孔はソナーの役目を果たし、湖底に生息する、無脊椎動物や小魚が発する微小な音声(波動)を補足して、捕食活動を行っています。なお、タンガニーカに存在する、アウロノクラヌス属にも、こうした習性が見られると言われています。
本属の魚は基本的には、大人しく、すみに追いやられる存在に成りがちなのですが、発情期と同種間では結構やりあったりします。また、動きが比較的緩慢な種類なので、動きの早い種類と混泳させると、痩せ気味になることが多いので、その点のバランスは気をつけたほうが良いと思われます。

アウロノカラのソナー孔 Aulonocara Sonor

アウロノカラ属には、現在30種類ほどが知られていますが、主に5つのグループに分けることが出来ます。

■  バタフライ グループ  ■
バタフライグループ(又の名をヤコブフライベルギー グループ)の特徴は、彼らの鰭が成長と共に伸長してくる点にあり、その美しい姿が蝶々(バタフライ)の様であることから本グループはバタフライ グループと呼ばれています。
学術的には、本グループの魚は基本的には、アウロノカラ ヤコブフライベルギー(Aulonocara Jacobfreibergi)と呼ばれています。この名称はアメリカのアフリカンシクリッドのディーラーであるヤコブ フライバーグ氏を記念している事に由来しています。
バタフライグループは一般的に岩石と岩石が合わさって、狭間が洞窟の様になった所を中心に生活しています。こうした場所は、非常に暗い環境にあります。この事により、専門家はこのグループの魚はもっともアゴの部分のソナーが発達しているに違いないと目していましたが、実際、研究が進むにつれて、彼らのソナーはアウロノカラの中でも最も小さい事がわかりました。
飼育面では、バタフライタイプの魚の難易度は高くはありません。しかしながら、彼らはアウロノカラ属の中でも岩礁に頼り生活する傾向が最も強いと言われています。岩礁地域には、縄張りの目印になるような岩の窪み、凸面等が多い事から、この魚もアウロノカラ属の中でも縄張り意識は非常に強い魚です。
アフリカンシクリッドは全般的に同属の中では比較的攻撃を行う傾向がありますが、この点からも、本魚は他のアウロノカラ属の魚とはあまり一緒にしない方が良いかもしれません。

繁殖面での難易度は高いとは目されていませんが、その縄張り意識の強い性格が往々にしてメスを死に追いやる事があるので、オスとメスを一緒にする場合は、その点を留意した方が良いと思われます。
アウロノカラ ヤコブフライベルギー "エウレカレッド"
【Aulonocara jacobfreibergi "Eureka Red"】

■  スチュアートグランティ グループ  ■
スチュアートグランティ グループ(Stuartgranti Group)はアウロノカラ属の中では、最も普及したタイプで、70年代の頃には国際市場で出回るようになってきました。彼らは、岩礁地帯と砂地が交じり合った中間地帯、いわゆるインターメディエート ゾーン(Intermediate zone)に生息しています。
このスチュアートグランティ グループには、学名がアウロノカラ スチュアートグランティである種類が、その殆どですが、それ以外にも、骨格や、縞模様(メラニンパターン)などを元に本グループに属している魚も存在しています。
アウロノカラ スチュアートグランティ種はイギリス人で、マラウィ共和国でアフリカンシクリッドの輸出を行っているスチュアート グラント氏を記念して命名されています。

アウロノカラ バエンシー "ベンガ"
【Aulonocara baenschi "Benga"】

アウロノカラ スチュアートグランティ "サンガ"
【Auonocara stuartgranti "Sanga"】

アウロノカラ スチュアートグランティ "ムバンバ"
【Auonocara stuartgranti "Mbamba"】

アウロノカラ sp "スチュアートグランティ マレリー"
【Auonocara sp stuartgranti "Maleri"】


アウロノカラspスチュアートグランティ"チティムバベイ"マウラナ
【Aulonocara Stuartgranti "Chitimba bay" Maulana】


アウロノカラspスチュアートグランティ "マイソニ"
【Aulonocara Stuartgranti "Maisoni"】


アウロノカラ sp "ターキス"
【Aulonocara sp "Turkis"】

■  チタンデ グループ  ■
チタンデグループの主な特徴は、その吻部から頭部にかけての丸い形状です。
彼らは一般的に、深い砂地の場所に生息しています。
本グループの一部の種類では、野生化において、一年の内ある一定の季節に一度しか繁殖を行いません。この性質は人工的に飼育している状況でも同じようで、こうした種類においては人工繁殖個体が流通する事が非常に少なく、目にすることも少ないと言われています。

アウロノカラ エッセルウィナ "チタンデ アイランド"
【Aulonocara ethelwynnae "Chitende Island"】

■  メイランディ グループ  ■
メイランディグループの特徴はその背中から頭にかけての禿げ上がったような色彩にあります。体は比較的暗い色を呈するのですが、頭から背中にかけては明るい色が出るようになります。
本魚の飼育は難しくはないのですが、完全発色をさせるには、複数のメスと一緒に飼育するのが良いと思われます。繁殖に関して、彼らは一度に100個と非常に多量な卵を咥えますが、その卵の大きさは他のアウロノカラとも比べても比較的小さく、孵化率もあまり高くないと言われています。

アウロノカラ メイランディ
【Aulonocara maylandi】


■  砂地生息グループ  ■   サンド ドゥエリング グループ

頭部の骨格から判断して『砂地生息グループ』は全てのアウロノカラの中で、最も探索ソナー孔が発達した種類だと言われています。こうした探索ソナー孔は目の下の部分から下あご部分にかけて並んでいます。
また、この部分の鱗の数に関して、砂地生息グループは他のアウロノカラよりも多い事が分かっています。
彼らに関しての学術的な知見の累積は豊富で、現在ではこのグループに存在する魚は6種類が知られています。
1.Aulonocara Nyassae
2.Aulonocara guentheri
3.Aulonocara rostratum
4.Aulonocara gertudae
5.Aulonocara brevinidus
6.Aulonocara aquilonium
本グループは色彩的にも比較的銀白色に近く、彼らの住む砂地ではあまり目立たない色彩となっています。
野生化では、彼らは、捕食、繁殖活動を広大な砂地の上で行っています。その為、危険が迫った時に、石や水草の陰に隠れると言う回避行動を知らない魚です。その為、水槽で飼育した場合には混泳魚には注意が必要で、性格の荒い魚とは一緒にしない方が良いと思われます。
また、彼らの生活していた環境に近づける為にも、底砂は比較的目の細かなパウダー状の砂を敷いてあげると、リラックスできるはずです。


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