長野の大地 見どころ100選 その70

川とともに・浅川 川の流れ周囲よりも高く−堤防のかさ上げが原因

(長野市民新聞 2002年9月14日号掲載記事)


 北長野駅の近くに、通称「めがね橋」と呼ばれるJR信越線を越える跨(こ)線橋があります。
 この付近で数年前までは、信越線は浅川の下をくぐり抜けていました。浅川が周りの地面より高い場所を流れていたために、信越線は川の下をくぐり抜けなければならなかったのです。

 周囲の土地より高い所をこのように流れる川を、天井川と言います。その後、浅川は河川改修により川底を4−5b掘り下げる工事が行われ、現在は信越線の下を流れるように変わりました。

 では、浅川はどうして天井川になったのでしょうか。
 浅川の扇状地は大きく2つに分けられます。三輪本郷−北長野駅−長野高専付近を境にし上流側は傾斜がきつく、1`流下するごとに25b低くなるという勾(こう)配を示します。

 一方、下流側では1`流下するごとに15bほど低くなるというようになだらかになります。
 天井川になるのは、ちょうどこの境付近から下流です。
 上流側の勾配のきつい地域では、川は大地を削って流れていますが、勾配が緩くなると上流から運んできた土砂をためるようになリます。

 浅川は昔から時々、洪水を起こしてあふれ出ていたため、堤防工事が行われました。堤防ができると、運ばれてきた土砂は堤防内にたまり、次第に河床が高くなります。すると堤防を守るため、堤防のかさ上げが行われます。その繰り返しの結果、川の流れが周囲の土地よりも高くなって天井川となったのです。
 長野周辺では篠ノ井の岡田川、松代の蛭川、若穂の保科川などでも天井川となっている場所が見られます。

 洪水から田畑を守るための堤防が天井川を生み出したのですが、一方で堤防が決壊した場合には、低い土地に水があふれ出し、大きな災害を生むことになってしまったわけです。

 自然の川は大地を削ったり、土砂をためたりしますが、こうした自然の営みの様子を知ることは、流域に住む人間生活にとって、大切な問題です。