北見競馬場
昭和49年7月1日開設
コース:ばんえい・直線200m
(第1障害・高さ1.1m、幅10.5m 第2障害・高さ1.6m、幅11.0m)気がつけば、「日本の競馬場全場踏破」まで、残す競馬場は3ヶ所となっていた。そのうちの2つは北海道にあり、北見競馬場と門別競馬場である。東京在住の私にとって、日本最北端にして最東端であり、しかも秋しか開催していない北見競馬場が、ここまで残ってしまったのはやむを得ないところである。しかるに、できれば「いかにも最後まで残ってしまった」というような形で「全場制覇」の瞬間を迎えたくない。私は一念発起することにした。秋も深まった10月半ば、無理矢理仕事をやりくりして、羽田空港から北海道は女満別空港に降り立った。風は心なしか冷たく、セーターを一枚重ね着して、目指す地を踏みしめた。入場門をくぐるとちょうど2Rが始まったところだった。馬場水分1.6%という橇を曳くにはあまりにも過酷な状況の中で、10頭の巨漢たちが騎手のかけ声とそれを見守る観客の声援に応えるかのように第1障害に続々とアタックしていく。一足早い紅葉が砂けむりにかき消される馬場に、馬具の金属音と騎手たちの勇ましいかけ声がこだました。
のんびりしたムードのパドック。そういえばこの競馬場、馬頭観音見かけなかったけど、もしかしたら、奥の藁葺き屋根がそうだったのかなぁ。。。
コース全景をご覧いただきましょう。北見競馬場は、帯広、岩見沢と違って周回コース(平地競走用)を持たない、純粋なばんえい専門の競馬場なので、全体にこぢんまりとした印象を受けます。毎年秋のみの開催なので、コースのすぐ背後の山裾まで紅葉が迫り、それは美しい風景を醸し出しています。
1トンはたっぷりある馬体を御す体力、たぐり寄せた手綱の反動で障害を登る瞬発力と腕力…。これほど女性が男性に対して不利を被る競技は他に例を見ないでしょう。そんな中で頑張る二人の女性騎手、佐藤希世子騎手(写真左。およびタイトル写真の大外)と2005年1月にデビューしたばかりの竹ケ原茉耶騎手(同右)。過酷な世界に身を投じているだけでも素晴らしいのに、勝負の世界でも一番を目指している…。彼女たちを「尊敬に値する」と言わずして、他に表現があるだろうか。
スタンド裏のやきとりは絶品です。画像から美味しそうなにおいが伝わってくる気がしませんか?
【左】 圧巻の第2障害。馬と騎手の気持ちが一つになったとき、坂を越えるエネルギーが生まれる。写真はこの日の3R。1番人気に応え見事快勝のライズドラゴン号と藤本匠騎手。 【右】 この競馬場の特徴はゴール前に高低差1.1mの坂があるところ。最後の最後で止まってしまう馬もいて、さながら「第3障害」の趣です。