三条競馬場
昭和3年6月開設
コース:右回り1周1000m・直線195m
平成14年1月4日限り廃止(レース最終日は平成13年8月16日)「三条競馬場の3コーナーは凄いらしい」
地方競馬好きの間でしばしば話題に出る「直角カーブ」を、かねてよりこの目で見たいと思っていた。そこへ「新潟ダービー」が16年ぶりに三条競馬場で行われるという知らせが届いた。これは絶好のチャンスである。
平成13年7月8日、日程をやりくりし、佐々木竹見引退当日に盛り上がる地元・川崎に背を向け、仕事の書類を上越新幹線「とき」車内に持ち込んだ。燕三条駅から川縁を歩くこと十数分、ついに念願の地、灼熱の三条競馬場の地を踏みしめた。件の3コーナーは噂に違わぬ(?)、急カーブで、まさに「勝負のポイント」。どの騎手もここでまくりをかける。どちらかというと、馬の能力より騎手の腕が勝敗の分かれ目といった趣で、大変スリリングな攻防に感動を覚えたものであった。この日は、2Rから参戦するという熱の入れようだったが、終わってみればプラス50円。ちょうど入場料金分だけ浮いたことになった。
この日から僅か4ヶ月後の11月5日、66億円にも及ぶ累積赤字のため、新潟県営競馬の廃止が決定された。三条競馬場は、同年8月16日を最後にレースは行われなくなり、翌1月4日、正式に廃止となった。
入場してすぐのところがパドックです。「最後」の新潟ダービーに臨む。手前(3番)の向山牧騎手は笠松競馬(岐阜県)で、すぐ後ろの山田信大騎手は船橋競馬(千葉県)で現在はそれぞれ活躍中。
左書きの伝馬表に珍しさを感じました。(下写真)
メインスタンドはなかなか立派なつくりです。だが、近づいてみると、鉄骨は錆び、かつての指定席だと思われる3階(ガラス張り部分)には、使われなくなったテーブルや椅子が無造作に積み上げられ、それはまるで廃校のような趣でした。
コースのラチは木製(写真左)、着順掲示板だけがポツンと構える内馬場(写真右)。この競馬場は、外側のコースだけを借りる契約になっていて、内馬場は畑(国有地だったように思う、詳細は失念)となっています。色とりどりの野菜は目を和ませてくれますが、それにしても、これほど何もない内馬場も珍しいものです。
「天下分け目の」第3コーナー。ご覧のように、先頭集団は手前を向いて走っているのに、後続集団は横を向いています。実際に見ると本当に「直角」に曲がっている様子がよくわかります。
この競馬場では、皆、この第3コーナーでまくりをかけていきます。「3コーナーを制する者は三条を制す」なのです。
「新人ジョッキーは誰でも最初は怖いんだろうな。」
ふと、そんなことを考えてしまいました。
最後の直線の攻防。いくら3コーナーに勝負どころがあるとは言っても、やっぱり競馬の醍醐味は直線ですよね。