栄養士と管理栄養士
このページは法改正後のことを書いています。栄養士法改正については栄養士法の一部改正について(栄養士会)をごらんください。
§栄養士・管理栄養士って何?
栄養士とは、栄養士法によれば、「栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者」のことです。栄養士の免許は栄養士養成施設(2年以上)を卒業したら、都道府県知事からもらえます。このとき、特に試験は必要ありません。卒業したら、無条件でもらえます。一方、管理栄養士とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者」です。何やら、たいそうな書き方がされてますが、栄養士と管理栄養士の一番大きな違いは、『栄養指導が出来るか出来ないか』だと思います。栄養指導で保険点数が取れるのは管理栄養士のみ!栄養士がいくら栄養指導をしても点数(お金)にはなりません。つまり、栄養指導できるのは管理栄養士のみということになります。現在では栄養士も過剰状態にあるので、資格の標準が『管理栄養士』となっています。管理栄養士は管理栄養士国家試験(受験資格は下記のとおり)というのを受けて、受かれば、得られる資格です。(平成14年〜法適用。)
<管理栄養士国家試験受験資格>
1)2年制の栄養士養成施設を卒業した後、栄養士として3年以上従事したもの。
2)3年制の栄養士養成施設を卒業した後、栄養士として2年以上従事したもの。
3)4年制の栄養士養成施設を卒業した後、栄養士として1年以上従事したもの。
4)厚生大臣が指定した施設(管理栄養士養成施設)を卒業したもの。
(平成17年3月31日までの間は、改正前と同様の管理栄養士国家試験を実施すること。つまり、13年度以前の入学者は上の受験資格の実務年数が上記の年数に−1年で受けられます、また、管理栄養士養成課程の卒業生は13科目中6科目免除にされます。ただし、16年の国試に落ちたら上の受験資格で試験を受けねばなりません)
現在は、栄養士養成施設の卒業者にも管理栄養士国家試験受験の資格は与えられていますが、厚生省によると、今後の動きとしては管理栄養士養成校(4年制)卒業者のみに受験資格を与える方向に向かっているようです。
管理栄養士養成過程のカリキュラム(うちの大学の場合1997年入学分)*今後、教育改正が行われるようです。
<管理栄養士国家試験科目>
解剖生理学、運動生理学、生化学、食品学、食品加工学、栄養学、栄養指導論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食管理、食品衛生学、公衆衛生学、調理学、食品経済、食生活論
→国試についてはこちら
§栄養士・管理栄養士のお仕事
食の専門家、栄養士にはいろいろな職場があります。主なものを挙げました。参考にしてみてくださいね。
職場 |
活動内容 |
| 学校健康教育(小・中学校教育委員会など) | 学校給食管理、栄養管理、給食指導、栄養指導、衛生管理、調査統計、家庭との連携、啓蒙 |
| 教育施設(栄養士、調理師養成施設など) | 学生への教育、研究発表、カリキュラムの検討 |
| 矯正(刑務所など矯正施設) | 被収容者に対する給食管理、調理指導、栄養指導、安全教育、調査研究 |
| 行政(保健所、市町村保健センターなど) | 地域保健計画策定、栄養調査、健康展、栄養学級開催、給食施設指導、健康情報の収集、食生活改善グループ育成、栄養相談、指導 |
| 研究(試験研究機関) | 研究活動(基礎、臨床栄養、食教育、栄養改善の評価、健康増進、公衆栄養、食品開発など)、各調査活動 |
| 地域活動(公衆を対象に栄養改善指導を行う。他の職域に属さない) | 地域フリー活動者、ボランティア、保健所、市町村栄養業務嘱託、栄養士養成校講師、栄養クリニック・料理教室・ダイエットレストランなどの経営者または勤務者、自営コンサルタント、評論家、定年退職者による多様な公益活動 |
| 産業(事業所、寮など) | 給食業務、中高年労働者などの健康管理、成人病予防の食事指導、人事・経営などのマネージメント、QC活動 |
| 病院(医療施設など) | ベッドサイド・外来患者の栄養指導、給食管理、治療食の調理・指導、調査研究、医師・関連部門との連携 |
| 福祉(老人ホーム、保育所など福祉施設) | 給食業務、他の専門職との連携、喫食者・保護者への啓蒙普及、咀嚼困難児(者)などへ訓練参画、調査研究、地域活動 |
| 防衛(自衛隊など防衛施設) | 給食業務(野外、洋上、機上給食を含む。また、喫食者に外人も含む)、食品開発、調査研究 |
今後、職能、学術団体において、特定分野の高度な専門・技能を持った資格者(臨床栄養士、公衆衛生栄養士等)を育成し、認定制度を設ける方向に厚生省は検討しているようです。
§スキルアップのための資格
糖尿病療養指導士・運動療養指導士など
良くある質問メール
こういうHPをやっていると、たまに質問のメールがやってきます。その中で『今、社会人ですが、栄養士の資格を今の仕事に生かせるかなあなんて思います。仕事しながら栄養士になる方法ありませんか?』というような質問メールを何人かから貰ったことがあります。栄養士は簡単に取れると思われがちですが、養成課程を卒業しないと取れない資格であり、とりあえずという気持ちでとれるような資格では無いです。通信教育では取れないし、夜間の養成学校も私が調べた限りではみつからなかったので、仕事をしながらでは無理であろうと思います。しかも、養成課程では実験も実習もたくさんあるし、それに付随するレポートなんかもたくさんあって大変だし、ある程度、まじめに学校に通って勉強する態度が求められます。それゆえ、今の仕事の延長上で箔をつけるためといった考え方で栄養士になるのは私は無理だと感じます。もちろん、栄養士という仕事にどうしても魅力を感じて現在の仕事を捨てて、栄養士になりたいというくらいの意思があるのなら、頑張って欲しいと思いますが。
これらの動向は今後、日本栄養士会HPなどで見られると思うので時々チェックしておくと良いでしょう。