高校生のための栄養士養成講座

 最近、なぜか、栄養士希望の高校生からの進路相談メールがよく来ます。栄養士さんや養成校の学生だけではなく、栄養士を目指す高校生にも来てもらえるのはありがたいことです。というわけで、栄養士を目指す高校生のためのページを作ってみました。
 進路を選ぶとき、とかく成績やネームバリュー、場所など、目先のことで決まっていきがちですが、一度、自分の栄養士としての将来について考えてみることって実はすごい大事なことだと思います。遠回りなようですが、そういうことをきちんと考えることによって自分が行きたい栄養士学校も決まってくるのかもしれません。私は、大学に入り、いろんな人と知り合い、もっと合った大学があったかもと思うこともあります。もっとも私は、エスカレータで大学に入ったので、選びようが無かったのですが…。
 これを書いている今、私は大学4年生です。いろいろ悩みながら新しい道へ1歩踏み出そうとしています。そういう意味ではみなさんと同じ立場です。だからこそ、こんなことを書いているんだとも思います。
 このページ、進路について、将来について、即効性はありませんが、じっくりは効くと思います(謎)。(管理)栄養士を目指す高校生は一度、読んで見てくださいね。

注:私は自分の大学の事情しか知りません。また、エスカレーターのため、大学情報も知りません。もっとも、また、もし知っていたとしても、自分のフィルターを通してみているため、偏っていることはいなめません。そのため、受験勉強に関すること、個々の養成校に関することは書きませんし、聞かれてもお答えしません。(自分の大学も含めて)


Step1 まず、知らないと始まらない!管理栄養士・栄養士について勉強しましょう。

まずここを読んでみよう(必須!)栄養士・管理栄養士(資格についての解説ページ)

さらに仕事や就職について詳しく知りたい人はちょっと難しいけど読んでみよう栄養士就職ナビ(養成校学生用就職案内)

もっと知りたい人は栄養士さんの雰囲気を感じてみよう!栄養士かわら版(栄養士さんが集う掲示板。)

※今、栄養士の世界は転換期をむかえてきていて、これからもっと専門的に認められる方向に変わっていこうとしています。みなさんが(管理)栄養士養成校を卒業するころにはもっと状況が良くなっているかもしれません。


Step2 自分をみつめてみよう!

 さて、(管理)栄養士について勉強してどう思いました?よし!頑張ってなろうと思いました?それとも、思っていたのとちょっと違う?栄養士になることに悩むのであれば、もう一度、将来について考えてもいいかもしれませんね。
 ここでは栄養士になりたいという話で進めていきます。
 さてさて、ここで、ちょっとしたワークをやってみましょう。ワーク???何それ?面倒くさそう…別に大したことはしません。自分をちょっとみつめてみようという企画です。気軽にやってみてください。日ごろ、実質的なことに流されて見過ごしがちなことを一度、立ち止まって考えてみること、これは実はとっても大事なことです。
 自分が就職活動をしながら自分について仕事について考えていることを踏まえ、高校時代を思い出しながら、思いつきで作ってみたんですけど、もっとなんとか改良点はあるかなあと思っています。こういう風にしてみたらってアイデアがある方、教えてくださいね。

まず、紙を用意しましょう。ルーズリーフ、プリントの裏、何でもいいです。

今からいくつか質問をしていくので、用意した紙に質問とその答えを書いていってください。なるべく自分の言葉でありのままに、まとまってなくて良いので思いつくままに書いていってください。具体的なことでも抽象的なことでもいいです。

○日付・最近あったこと。(メモ程度で可。)

○栄養士のイメージを思いつくだけあげてみましょう(名詞でも形容詞でも思いつくままいくつでも)

○なぜ、栄養士になりたいと思ったんですか?(いくつでも。栄養士という職業に興味をもった理由でも)

○どんなことを学んでみたいですか?(どんなことに特に興味がありますか?)

○栄養士になった自分を想像してください。あなたはどんな場所でどんな風に仕事をしてますか?(複数でもいいです。描ける人は絵も描いてみよう!)

○どんな栄養士になりたいですか?(これも思いつくまま…前の質問とかぶるかもしれないですが、まあ適当に)

 お疲れさま。どうでしたか?ことばにして、考えがいろいろ整理できたのではないでしょうか?書いた紙はこのコーナーの次のSTEPに生かされてきますので、それを見つつ、読んで見てください。そうそう、紙はせっかくですし、保存しておきましょう。(部屋に貼っても可)テストに追われ、受験勉強に追われ、進路指導ではいろいろ言われ…へこんだり、志望校選びにわけがわからなくなってきたとき、今日書いた紙を眺めてみてください。自分は何のために今、頑張っているのかが見えてきて、頑張る気になれると思います。
 これは、学校に入学して、迷ったり、しんどくなったときにも有効な手段です。学校に入ると、またどんな栄養士になりたいかが変わってくるかもしれません。正直、私は大学にいる間、このままでいいんだろうか…と悩んだことが何回もあります。そのとき、上のようなことを考えたり、文章にすることによって自分が進むべき道が見えて、そのために勉強したり、自分を磨いたり出来たように思います。だから、学校に入ってもまた、気が向いたらやってみてください。
 高校時代に書いた紙、学校に入って書いた紙、働き出して書いた紙、残しておいて比べてみるとその時々の思いがよみがえって楽しいかもしれないですよね〜。


Step3 後悔しない学校選びを!

 さて、ここまできたら、いろいろと自分の考えも、栄養士になりたい思いもまとまってきたのではないでしょうか?だまとまってないよおという人はSTEP1とSTEP2をもう一度、読んでみてください。これが固まっていないと、学校もうまく選べないと思います。

まず、初めにひとつだけ忠告を!

とにかくネームバリューと自分の成績にだけには躍らされないようにした方がいいと私は勧めます!世間一般で良いと言われる学校があなたのニーズやフィーリングに合っているとは限らないし、成績に見合った学校に妥協で入ったとしても満足できるとは限らない。その辺は恋愛などと似ているかもしれないですね。まわりでいい男、いい女とうわさされる人とつきあってもあなたが幸せになれるとは限らないし、妥協でつきあった相手と幸せになれるとは限らない。もちろんなれる場合もあるけれど…う〜ん深い。

※もう、ここに行くのよ!と決まっている人……なぜそこに行こうと思うのですか?その学校についてあなたは良く知っていますか?それが明確に出せるのであれば良いのですが、明確でない人はもう一度、考えてみるといいかもしれません。

専門学校?短大?大学?

 さてさて、いよいよ学校選びです。栄養士になるためには養成校に行く必要があります。養成校には大学、短大、専門学校があり、2〜4年の修業年限の差があります。現在では全て昼間のコースで夜間で学べるところはありません。現在、栄養士として専門的に働きたいと願うのであれば、管理栄養士を持っている方が断然良いのですが、通う期間によって管理栄養士の国家試験の受験資格を得るために必要な実務年限が異なります。3年以下の養成施設は全て栄養士過程です。4年制の養成施設(多くの場合、大学)では、大きくわけて管理栄養士養成校、栄養士養成校があり、カリキュラムが微妙に違います。今のところ、どちらに行っても管理栄養士への道は開かれていますが、管理栄養士国家試験受験資格を得るために必要な実務経験の有無などで差が有ります。(管理栄養士についてや管理栄養士国家試験の受験資格については栄養がらくた箱の栄養士・管理栄養士を見てください。)まず、自分はどのような養成校に行くのかを〜専門学校・短大・大学〜おおまかに決めておくと良いでしょう。ちなみに専門学校と短大、大学の違いですが、一般的に大学・短大は学問性を重視、専門学校は即戦力重視と言われています。(参考:看護婦養成の話。多分栄養士も同じようなものでしょう)

具体的に候補を決めよう(Pick Upしよう)!

 さて、専門学校・短大・大学…自分はどこに行くか、大体、考えられたでしょうか?この場合、きっちり決まっていなくても構いません。どうやって選んだらいいでしょう?偏差値、試験科目、授業料、ネームバリュー、自宅OR下宿…選ぶポイントはいろいろありますね。さて、どうやって決めて行きます?親や先生が進めるところ?自分の事情(経済・成績)と刷り合わせて?普通はそんなところですね。
 しかし!学校選びはそれでいいのでしょうか?仮にも2〜4年間、自分が学ぶ場所です。おまけに今までと違って専門的に学ぶ場所です。自己研鑚も大事ですが、環境も大事!自分の夢をより良いカタチで現実にするために、目先にとらわれず、慎重に選ぶべきです。

 まず、自分の条件と合ったところをいくつか、ピックアップしましょう。ここではなるべくたくさん選んだほうが良いでしょう。栄養士の養成校は日本栄養士会のHPに都道府県別で載っています。都道府県別で面倒といえば面倒なのですが、ここが一番確実だと思います。STEP2のWORKで書いた紙を参考に、いくつでも候補をあげていってみましょう。参考までに、下にこれまでメールなどで寄せられた質問等と私の回答をまとめてみました。主に大学についてのことになっていますが、まあ参考にしてみてください。

○公立の大学
 大学は公立とひとくちにいってもかなりあります。私も全ては知りません。管理栄養士・栄養士養成校の一覧は栄養士会のHPにあります。そこから公立のところを探してください。

○学部はどこへ?
 生活科学部(家政学部)、医学部、農学部などがあります。カリキュラムは厚生省で決められているのでどこも変わりません。就職についてもあまり変わりはないと思います。ただ、学部はその学校が力を入れている部分であることは間違いないでしょう。例えば、医学部や保健学科などの養成校は医療に力を入れているはずです。また、農学部は食品や栄養成分を学ぶこと、実験系に力を入れているように思います。(この辺、あいまい)生活科学部は…う〜んどうなんでしょう。私の印象としては普通の人が健康に生活していくための栄養に力を入れている感じがしました。この辺は私の偏見が混じった意見かもしれないので、また、違った意見があれば教えてください。>学生の方

○ちょっと進んだ大学・短大の見方
  大学全体にどんな学部・学科・専攻があるのかもチェックしておくと良いかも。大学ではそれぞれ授業を専門の先生が受け持つことになります。解剖生理なら医師、食品学なら農学系出身者、栄養指導論などは栄養士など…。カリキュラム(管理栄養士養成校の例;まゆの大学のはこちら)の専門科目に関わる学部・学科があるということはその科目について専門の学部に所属して専門的に勉強している先生の授業が聞ける場合が多いものです。また、その科目について実験・実習施設も充実している場合が多いです。つまり、良い教師陣、環境に恵まれて学べる可能性が高いということです。可能性が高いといったのは、学部専門の先生=良い研究者とは限らないし、良い研究者=教えるのがうまいというわけではないからです。でも、意外に重視されていない割に、重要な指標であることは間違いないと私は思います。

○文系なんですが…(理科は苦手なんですが…)
  私は生活科学部(旧家政科)に在籍していますが、受験科目に理科はありましたし、生化学や実験などあります。はっきりいってばりばりの理系です。管理栄養士過程は法律でカリキュラムが定められているので学部がどこであれ、授業の内容は農学部であろうと生活科学部であろうとかわらないと思います。栄養士を目指す以上、理科(化学・生物)の知識は必不可欠です。
 そういう意味で、どこにいこうが基本的に理系だと思ったほうが良いし、どこであっても基本的にカリキュラムの内容的には変わらないので、大学に入ったら理科は避けては通れないことを覚悟しておいたほうがよいですよ。
 栄養士って大学でも社会に出ても、周りで思われている以上に、理系の知識が必要なんですよ。授業には化学式がたくさんでてきます。私の時代は無かったですが、うちの大学では今は、生物受験の人は高校化学、化学受験の人には高校生物の単位取得を義務付けています。
 なんて、おそろしいこと書きましたが、まあ、それぞれの受験科目で受かりやすいところというのもひとつの考え方でしょう。うちの大学(生活科学部)の一般入試科目は国語・理科(生物・化学から1つ選択)・英語でした。その他、いろいろバリエーションがあると思いますが、理科を避けて通ろうと思ったら推薦を狙うくらいしかないのでは?と思います。1回生の時にまわりの人に聞いてみたら文系コースの人も多かったです。その人たちは足りない部分を塾や家庭教師で勉強して補っていたとのことです。だから、文系コースの人でも勉強すれば受かることは受かるはずです。頑張ってください。ただし、入学したら化学、生物をしっかり勉強しましょう!

情報を集めよう!

 上で候補にあげた学校の情報を出来るかぎり集めましょう。先輩で行った人があれば、それを聞くのも良し、HPを持っている学校ならHPを読むのもよし…。そうそう、パンフレットは絶対、取り寄せでも見ておきましょう。オープンキャンパスなどをやっている学校も多いので、足を運んで、実際の学校を見、説明を聞いてくるのも出来たらしておきたいことのひとつです。
 それら情報を集めるといろいろ見えてくると思います。そして、おのずと自分の行きたい学校が絞れてくると思います。ひとつに絞るのもひとつ、併願でいくつも受けるのもひとつ、成績と相談するもひとつ、入れるまで頑張る意思を固めるもひとつ…

もう一度、書いておきますが、とにかくネームバリューと自分の成績にだけには躍らされないようにした方がいいと私は勧めます!世間一般で良いと言われる学校があなたのニーズやフィーリングに合っているとは限らないから。また、成績に見合った学校に妥協で入ったとしても満足できるとは限らないから。

勉強しよう!

とにかく最後まで頑張って受験勉強だ!!!

 行きたい学校に入れるだけの実力をつけなければ始まらない。高望みだから無理と思う学校でも勉強を頑張ってみると意外に手に届く範囲にあるかもしれませんよ。とにかく後悔しないように頑張っておきましょう。

受験勉強に煮詰まったり、疲れたりしたら、STEP2を思い出してみよう。もう一度、やってみるのも良い手段!とにかくがんばれ!!!


epilogue 夢を描こう〜おしまいに伝えたいこと〜

 ここまで読んでくれてありがとうございます。お役に立てましたでしょうか?いろいろ書いたのは、みんなに後悔して欲しくなかったからです。
 えらそうに書いていて、私、実は大学を消去法で選んだ口です。profileを見れば一目瞭然なのですが、私は大学までいけるエスカレーター校に在籍していました。そのため、栄養士になりたくて今の大学を選んだわけではなく、大学の中で一番行きたい学部専攻を選んだら、栄養士だったわけです。入ってみて、いろんなことを学びました。いろんな人とも出会いました。その中で、私が見つけた私なりにやりたいことは医療でした。しかし、私の大学は医療に対し、あまり力を入れていない大学でした。そのため、いろんなジレンマ、歯がゆさを感じてきました。もちろん、自分の大学に対し、素晴らしいところだと誇れる部分もあります。しかし、私が最も学びたいと感じた医療に対しては不満が残る部分が大きかったのです。結局、私は大学の外でいろんな勉強をすること、本を読むことで不満を埋めてきました。もしかしたら学問なんてそんなもので、足りないものは自分で補っていくものかもしれません。しかし、学びたいことを学ぶ環境が整っているにこしたことはありません。特に4回生になって卒論をはじめたとき(これが、性懲りも無く、大学の中で詳しい先生がいない分野を勝手に突っ走ったわけです。どうしてもやりたかったわけで…)しんどい思いをしました。私がやっていることに対し、詳しい先生がいれば…と何度もため息をつきました。
 その他、出会った人に聞いたいくつかの大学の事情に対し、うらやましいと感じたことも多かったです。ここなら、私の不満を補ってくれる人がいそうだ。私が学びたい分野に関して思う存分学べる環境にある!とかと…。
 そんなわけで私は学校選びは重要だったわと痛感したわけです。そして、どんなふうに選べば良かったのだろうと考えた結果が上の文章です。
 そんなわけで、みなさんには上を参考にして自分にぴったり合った学校選びをして欲しいと思います。

 でもね、頑張って選んだとして、実は合わない学校かもしれない。入ってから考えが変わって、別の学校にいけばよかったと悩むかもしれない。もしかしたら、栄養士としての道を選んだことに対しても悩みが生じるかもしれない。また、意外にきついカリキュラムに辛くなってしまうかもしれない。そんなとき、自分を支えるのは自分の描く夢だと私は思います。高校の時に描いた栄養士への夢、それを思い出してまた、頑張る力が沸いてくるかもしれません。また、辛いときでなくとも、描いた夢はさらなる力を身につけようと頑張る自分を後押ししてくれると思います。私は自分が描いた夢に支えられてここまできました。そしてこれからも頑張っていこうと思っています。ちょっとかっこいいこと言い過ぎですか?でも、これは私のほんとの気持ち。

だから、みなさんに伝えたい!夢を描いてください。高校生の今も、そしてこれからも。そして素敵な栄養士になってくださいね。

この先、みなさんとお互い、栄養士として出会えることを楽しみにしています。

FROM まゆ (written at 2000.9.2)