futaba.gif (1105 バイト) 牛乳と母乳の比較 〜乳児期D〜

【母乳、牛乳および調整粉乳の成分比較(100gあたり)】

成分  

母乳

牛乳

調整粉乳

エネルギー

(kcal)

65

60

67

水分

(g)

88.0

88.6

87

たんぱく質

(g)

1.1

2.9

1.8

脂質

(g)

3.5

3.3

3.4

糖質

(g)

7.2

4.5

7.2

灰分

(g)

0.2

0.7

0.3

カルシウム

(mg)

27

100

49

リン

(mg)

14

90

33

(mg)

0.1

0.1

0.8

ナトリウム

(mg)

15

50

21

カリウム

(mg)

48

150

68

ビタミンA

(IU)

170

120

247

ビタミンB1

(mg)

0.01

0.04

0.05

ビタミンB2

(mg)

0.03

0.05

0.08

ナイアシン

(mg)

0.2

0.1

0.7

ビタミンC

(mg)

5

2

6

*13%の濃度で調乳した場合
*[中江利孝:乳・肉・卵の科学/弘学出版/1986/P26]

★PFC値

母乳 P:F:C=7:49:44

牛乳 P:F:C=20: 50:30

  牛乳は人乳に比べてエネルギー、糖質、ビタミンAが少なく、ビタミンCは含まれていない。たんぱく質はアルブミンとカゼインの割合が異なる。

 母乳の場合はアルブミンが60%含まれるため、胃内でソフトカードを作り、消化が良いが、牛乳ではカゼイン量が多いためハードカードを作り、消化液の作用をなかなか受け入れられず消化が劣る。また、牛乳カゼインを生後3ヶ月未満の乳児期に摂取した者にIDDM(インシュリン依存性糖尿病)の発病危険率が高いといったデータがある。

 これはまだ、乳児は消化器官が完全に発達しておらず、たんぱく質を十分消化できないからである。

 生後しばらくはポリペプチドがそのまま腸管上皮を通過しやすいので、牛乳を飲むと、牛アルブミンがそのまま吸収され、体の中の異物として抗体が作られることがある。牛アルブミンとランゲルハンス島B細胞は抗原として共通部分があり、事前に牛アルブミンに感作されていた個体は後日ウィルス感染をきっかけとして免疫的に自分のすい臓ランゲルハンス島のB細胞を攻撃することがある。これにより、B細胞は急激に破壊され、インシュリンを産出できなくなり、IDDMが発症する。

 灰分、リン、カルシウムにおいては牛乳の方が量の上で母乳の3〜6倍であるが、母乳はこれらの含有比率が乳児栄養に適当であるため、利用効率は牛乳より優れている。また、牛乳は脂質もリノール酸などの必須脂肪酸などが少ない。

 牛乳の糖質の大部分を占める乳糖は母乳にも多く、カロリー減であるが、添加量が多いと下痢を起こすことがあるので調整粉乳ではデキストリンやグルコースで補っている。また、牛乳には乳児栄養上、必要な銅、亜鉛、ビタミンA,B1,B2,B12、C、D、E、Kなどが皆無かもしくは含まれていても母乳に比べて少ない。ビタミンKは離乳期までは腸内細菌によるビタミンKの生合成がない。そのため欠乏は新生児メレナや2ヶ月未満の人工栄養児に多い頭蓋内出血などの重篤な疾患を引き起こす危険がある。

ya_l.gif (1277 バイト)粉ミルクの消化吸収

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