●ネフローゼ症候群

ネフローゼはネフローゼ自体の説明がちょっと複雑です。

 ネフローゼは『病名(疾患名)』じゃなくて、『症候群』です。どういう意味かというと、下のネフローゼの診断基準を満たすようなような状態になったときにネフローゼであると言われるわけです。原因となる疾患(糸球体腎炎・糖尿病性腎症など)はどうであれ、下の診断基準が当てはまればネフローゼであると診断されるわけです。この関係は『風邪』と『熱』で例えることが出来ます。通常、風邪が原因で熱が出るわけで、熱が原因で風邪をひくわけではありません。この、『風邪』が原因の疾患(ここでは糸球体腎炎としましょう)、『熱』がネフローゼに置きかわったのが2つの関係というわけです。先ほどの『風邪を引いて熱が出る』の言葉を置きかえると、『糸球体腎炎が原因でネフローゼ症
候群となる。』となります。少しくどくなりましたが、これでネフローゼがどういうものかわかっていただけたかなと思います。

 風邪をひいたとしても必ずしも熱が出るとは限らないように、糸球体腎炎になったからといって、必ずネフローゼになるわけではありません。中には微少変化型ネフローゼ症候群といって、糸球体腎炎などではなくてネフローゼだけを起こすような病気もあります。微少変化型は1回きりで2度と再発しない場合もあれば再発を繰り返す場合もあります。

 さて、そのネフローゼなんですが、簡単に言ってしまえば、ネフローゼというのは尿にたんぱく質がだ〜っと漏れて、そのために、血の中のたんぱく質の量が減るという状態のことです。

ネフローゼの診断基準

1.尿たんぱく3.5g/日以上
2.血清総たんぱく6.0g/dl以下(血清アルブミンとして3.0g/ dl以下)
3.高コレステロール血症250ml/dl以上
4.浮腫

(このうち、1,2は必須。3,4はなくても診断される。)

 ネフローゼは原則入院で、安静保温して治療します。食事療法は昔は、高たんぱくと言われ、尿にたくさん漏れるたんぱく質を補うことが治療とされました。
 しかし、高たんぱくにすればするほど余計にたんぱく質が尿にどんどん漏れていき、余計に腎臓に負担をかけることがわかってきたので、現在は、病態や症状に応じて、逆に普通〜低たんぱくにすることになっています。
 治療の反応の良い微少変化型のネフローゼ症候群はたんぱく制限はあまりしないようです。しかし、難治性のネフローゼ症候群の場合は軽度のたんぱく制限を行います。
 腎不全などによってネフローゼ症候群を発症した場合は、基本はその腎不全などの治療や食事療法をおくようです。 ただ、どの場合においても、尿中にたんぱく質が漏れ出ているいるので栄養障害に陥いっていないか、血中たんぱくの値などできちんと管理することが大切です。

 むくみ・高血圧を防ぐために塩分は制限します。水分はむくみが強いときは制限します。尿が少なかったり出なかったりしない限りはカリウムの制限などはしません。

 各病態別に書いていると、水分制限、たんぱく制限、塩分制限など同じ制限が出てきます。それぞれの理由や方法なで他の病態と重複するところは省いています。他の病態の欄も参考にしてみてくださいね。

(2001/02/19)