●鉄剤

 貧血を呼んだ方から鉄剤について以下のようなご意見を頂きました。


食後に服用する事もある。。
う〜〜ん。医師の考え方なのでしょうね。私は、寝る前に服用しています。


<服用時間について…>

 これについて薬の本を見てみました。そこからまとめると

【空腹時服用】
メリット:吸収が良い
デメリット:副作用(胃腸障害など)が起こりやすい

【食後服用】
メリット:副作用が起こりにくい
デメリット:空腹時服用より吸収が悪い

っていうことになるようです。これはどちらがいい悪いということではなくて、患者さんの特性(胃腸障害を起こしやすいか起こしにくいかなど)や症状とそして医師の考え方だと思います。

 薬と腎臓にも書きましたが、薬自体が諸刃の刃を持っているものであり、薬の作用が人間の都合の良い場合を『薬理効果』とよび、悪い場合を『副作用』と呼ぶわけです。そんなわけで、このような加減が必要となってくるんですね。

 同じ方からのメールの続きです。


鉄剤とお茶との組み合わせは禁止だそうですね。でも、 病院発行のちらしによると。。

『以前は、お茶に含まれるタンニンで鉄の吸収が悪くなると言われてきましたけれども最近では、鉄欠乏性貧血の時では鉄の吸収率が良いため、お茶と一緒に飲んでも鉄の吸収は悪くならないことが分かって来ました。ですから、鉄剤とお茶とは一緒に飲んでもかまいません。ちなみに、鉄剤をビタミンCと一緒に取ると鉄剤の吸収が良くなります。』


<ビタミンCについて…>

まず鉄材と併用してビタミンCを処方することですけれど、これも鉄剤の時期と同じで、『吸収はよくするけれど胃腸障害などの副作用を起こしやすい』というメリット・デメリットを持つので、患者さんの特性)や症状とそして医師の考え方によるようです。

<お茶について…>

 私が持っている栄養系のテキストには大概『鉄剤はタンニンと結合すると吸収が悪くなるので水で服用すること』と書いてあり、また授業でもそう習いました。

 鉄剤をお茶やコーヒーで飲んではならない理由としては、体の中でイオン化して溶けて存在している鉄が、タンニンと結合して、溶けない形になってしまい、吸収されずに体の外に排泄されてしまうからというのがその理由とされてきました。
 ちなみにタンニンとは蛋白質、アルカロイド、金属イオンと強く結合し、 難溶性の塩を作る 性質をもつ化合物の総称、つまり、溶けてるいろんなものとくっついて溶けなくしてしまうものといえるでしょうか?

しかし、この情報のように、薬の本を見ると『以前はそう言われていたが、現在は気にしなくていいとこになっている』と書いてあるのがありました。

 調べてもわからなかったので、医療者のMLで質問し、病院の薬剤師さんから回答をもらいました。結論から言うと、鉄剤は『お茶で飲んでも影響なし』だそうです。

 昭和60年ごろの話だそうですが、鹿児島大学病院薬剤部から、そういう研究発表が学会でされているということです。(論文については出されているみたいですが回答くださった薬剤師さんもお持ちでなかったため、私自身も読んでません。ごめんなさい)

 それによると、貧血の患者さんはお茶を飲んでも鉄剤の吸収に影響無しとのことです。これが出された前の年の発表では『お茶は鉄剤の吸収を阻害する』という発表がなされたのでその薬剤師さんはびっくりしたそうです。どうしてこんなことが起こり得たかというと、『阻害する』というデータが出たときの対象者は貧血のない普通の人を対象にした調査だったからだそうです。で、実際貧血の人だとどうかというのを調べたらお茶を飲んでも吸収
は変わらなかったとか…

 正常人では鉄剤服用後のお茶は4時間後でも鉄剤の吸収が阻害されるけれど、貧血の人だと大丈夫だそうです。貧血になると、普通の人より鉄の吸収率が上がるからです。いやぁ、体ってうまく出来ているものですよね!!!

 この件でとある医師と話していると、『鉄剤やサプリメントを安易に頼って逆に鉄の摂り過ぎの害が出ることもあるよね?』ということを言われました。いや、その通りです。とにかく摂ればいいっていうわけではないんですよね。鉄剤やサプリメントに頼り切るのではなく、鉄剤やサプリメントは賢く『利用する』ものとしときましょう。必要以上に避ける必要は無いものですが、必要以上に頼ってはならないと思います。これは鉄にだけいえることじゃないですけどね。

 鉄欠乏貧血の方は鉄剤を飲んでいるから大丈夫と思わず、なるべく食品から鉄を摂ることを意識した生活を送りましょう。

(2001/12/3)