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読書記録

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夫が多すぎて』 27/03/2002

〔梗概〕
第一次大戦末期。ウィリアムを戦地で亡くしたヴィクトリアは、亡夫の親友フレッドと再婚。しかし、成金のレスターからもちやほやされている。そんな中、突如ウィリアムが帰ってくる、という知らせが。戦死は誤報だったのだ。夫が二人いる、という情況に陥ったヴィクトリアだったが、ウィリアムもフレッドも、お互いに「夫としての権利」を譲り合う。そこで、ヴィクトリアは二人の夫とおさらばしてレスターと結婚することにするが、離婚のためには辣腕弁護士ラーハム氏による綿密な手続きが必要。とりあえずヴィクトリアと別れた二人は、二人の自由と三番目の夫に対して乾杯する。

20世紀初頭のイギリスでの離婚手続きのダブル・スタンダードが第三幕での笑いの(そして風刺の)主眼となっているが、なかなかにややこしい。男は簡単に離婚できるが、女は夫がかなりひどくて、暴力を振るったり浮気をしていたりしないとできない、ということになっていたようだ。それをばかにするような、弁護士と三人のやりとりがなかなかおもしろい。

全般的に、男たちは失い、ヴィクトリアは着実に得てゆく。そんな男たちの物悲しさが漂う、喜劇だった。

〔データ〕
【書名】夫が多すぎて
【原題】Too many husbands
【著者】William Somerset Maugham
【訳者】海保眞男
【総頁】214
【発行】岩波書店(岩波文庫) 14 December 2001
【ISBN】4-00-322549-X

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レコンキスタの歴史』 25-26/03/2002

〔梗概〕
中世スペインがイスラム勢力により征服されてから、1492年にグラナダが陥落して「レコンキスタ」が完成するまでの七百年間の歴史を俯瞰し、その現代スペインへの影響などについても見る。

もう少し、個々の具体例が多くでていると楽しかったのだが、概説書、という感じ。スペインも、行ってみたいなあ。

〔データ〕
【書名】レコンキスタの歴史
【原題】Histoire de la Reconquista
【著者】Philippe Conrad
【訳者】有田忠郎
【総頁】173+2(reference)
【発行】白水社(文庫クセジュ) 25 January 2000
【ISBN】4-560-05823-7

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私の國語ヘ室』 19-25/03/2002

〔梗概〕
「現代かなづかい」の矛盾点を指摘し、その成立過程から、その誤りを示してゆくことで、「歴史的かなづかい」の正しさを論証してゆく。

なるほど。

〔データ〕
【書名】私の國語ヘ室
【著者】sc恆存
【総頁】360
【発行】文藝春秋社(文春文庫) 10 March 2002
【ISBN】4-16-725806-4

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かくれんぼ・白い母』 18/03/2002

〔梗概〕
子どもをテーマにした短編集。「かくれんぼ」は夫と心が離れてゆく母が、かくれんぼ好きの子どもを溺愛してゆくが、その子どもを亡くしてしまっての静かな狂気を描いてゆく。「白い母」は婚約者を亡くした独身男が子どもをきっかけに新たな家庭へと動いてゆくさまを描く。「光と影」は影絵にとりつかれた母子を描く。そして、「子羊」は無知故の子どもの引き起こす悲劇を描いたもの。

「光と影」「子羊」あたりは本当に救いがない。唯一、救いがありそうな「白い母」の後に、こう救いのない話が続くと、少しがっくりとしてしまう。

〔データ〕
【書名】かくれんぼ・白い母 他二篇
【原題】Pljatki, Belaja Mama, Svet i Teni, Baranchik
【著者】Fjodor Sologub
【訳者】中山省三郎
【総頁】117
【発行】岩波書店(岩波文庫) 5 December 1937
【ISBN】4-00-326411-8

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平安鎌倉史紀行』 15-17/03/2002

〔梗概〕
平安時代のはじまりである平安遷都から、鎌倉幕府滅亡までの六百年ほどを、鉄道旅行家宮脇俊三が、「時代順」にめぐる、というルールを自分に課しつつ、史跡をめぐる。項目としては、「桓武天皇と渡来人」(京都)、「坂上田村麻呂をさぐる」(宮城・岩手)、「平安京の設計」(京都)、「最澄と空海」(京都、滋賀)、「嵯峨天皇から菅原道真まで」(京都)、「平将門の風土」(茨城・千葉)、「貴族海賊藤原純友」(愛媛)、「葵祭・六波羅蜜寺・鳳凰堂」(京都)、「京の葬送地めぐり」(京都)、「前九年の役を行く」(宮城・岩手)、「後三年の役を行く」(秋田)、「白河・鳥羽から黒田庄へ」(京都)、「平泉という都」(岩手)、「平氏昇殿」(三重・京都)、「熊野御幸今昔」(和歌山)、「平清盛と神戸・音戸・厳島」(兵庫)、「頼朝挙兵」(千葉・神奈川・静岡)、「木曽義仲のふるさと」(長野)、「一ノ谷と屋島」(兵庫・徳島)、「平家滅亡と義経」(山口・福岡)、「関東武士の居館めぐり」(埼玉)、「鎌倉街道をさぐる」(埼玉・神奈川)、「都市鎌倉」(神奈川)、「修善寺の墓」(静岡)、「実朝暗殺」(神奈川)、「承久の乱」(愛知・岐阜・京都・島根)、「親鸞と道元」(茨城・福井)、「六波羅界隈と草戸千軒」(京都・広島)、「蒙古襲来」(長崎)、「東郷荘と阿弖川荘」(鳥取・和歌山)、「笠置山」(奈良)、「千早城」(奈良)、「足利市と新田郡」(群馬)、「鎌倉幕府滅亡」(東京・神奈川)。

地図も記載されているため、なかなか史跡めぐりをしようという際には重宝かもしれない一方で、著者はタクシーも多用しているので、かならずしも重宝ともいえなそうでもある、という欠点もある。それにしても、地方のタクシーの運転手たちが、一様に「行っても何もないかもしれないから、申し訳ない」という反応を示すというのが、何か少しほほえましい。

〔データ〕
【書名】平安鎌倉史紀行
【著者】宮脇俊三
【総頁】447
【発行】講談社(講談社文庫) 15 December 1997
【ISBN】4-06-263660-3

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イタリア紀行』 24/02-15/03/2002

〔梗概〕
【イタリア紀行(上・中巻)】友人たちにも秘密裡に、カールスバートを出発したゲーテ。そのままブレンナー峠を越えてイタリアへと入る。ヴェローナ、ヴィチェンツァ、パドヴァを経てヴェネツィアに数日滞在。続けてフェラーラ、ボローニャ、ペルージャを経てローマへと到達し、滞在する。滞在中は『ヴェルテル』の作者であることを偽るために偽名を名乗り、画家ティッシュバインらと交わる。さまざまな史跡を訪ねつつ二ヶ月ほどローマに滞在した後、さらに南、ナポリ・シチリアへと向かう。
【第二次ローマ滞在(下巻)】ナポリからローマへと戻ってきたゲーテの二度目のローマ滞在を描く。

ゲーテによるイタリア旅行記。ただし、日記などではなく、友人宛ての書簡などから再構成したもの。基本的に、ゲーテの興味関心はルネサンス期やグレコ・ローマン時代の彫刻・絵画などにあるので、教会などについては比較的興味が薄い。南イタリアのほうへ割いている分量が多いので、そのあたりに興味がある場合には、大変おもしろいかもしれない。

画家ティッシュバインとの交流、なんだか聞いた名前だと思ったら、ゲーテの肖像画を描いて有名な人ではないか。それは、交流もあるはずだ。そのほか、ハミルトン卿夫妻(妻がエマ・ハミルトン、つまりネルソン提督の愛人として有名だった女性)などとも交流を持っている。また、当時パリで裁判中だった(今、話題の「首飾り事件」に関するものだったと思う)カリオストロ伯爵、ことジュゼッペ・バルサモの家族を、身分を偽って訪れてみたりもしていて、なかなかゲーテの冒険心の強さに、思わず微笑を浮かべてしまう。

どちらかというと、心象的な旅行記、といった感じだが、逆に北国からの南欧への憧れの気持ちが強く、イタリアへと行きたい気持ちにさせられた。

〔データ〕
【書名】イタリア紀行(上・中・下)
【原題】Italienische Reise(上・中), Zweiter Römischer Aufenthalt(下)
【著者】Johann Wolfgang von Goethe
【訳者】相良守峯
【総頁】842
【発行】岩波書店(岩波文庫) 5 April-5 May 1960
【ISBN】4-00-324059-6,4-00-324060-X,4-00-324061-8

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