The Shock of the New
「ミュータントX 現る」
プロクシー・ブルーより
「少女は6階から飛び下りて歩いていきました
男は炎に飛び込んでも平気でした
そう、確かに...
不思議な現象が増えています
ここで真実が語られます...」
エマ・デラウロがバーの中を人込みを掻き分けて逃げ回わり、複数の男達がエマの後を追っている。偶然店に居合わせたブレナンとぶつかり助けを求めるエマ。彼女は無意識のうちに自らのテレエンパス能力で自分が追い詰められている様子をブレナンに伝えるが、彼はその意図をよく理解できない。そのままエマはその場を去り店を出てゆく。
人通りのない通りを謎の男達の駆る車に終われるエマ。追い詰められる手前でジェシー・キルマーティンが現れ彼女を避けさせ自身は分子密度を薄くして車を素通りさせる。スリップして停止した車のうえにシャリマ−・フォックスが猛獣の咆哮をあげながらビルから飛び下りて来る。車から降りて来た男達は屋根の上のシャリマ−挑むが彼女の驚異的な身体能力をいかした格闘にはかなわない。次に一人の男が銃をかざしながら走って来るジェシーはエマを自分の後ろに庇い先ほどとは逆に農密度の体で銃の玉を跳ね返し、岩よりも堅い腕で男達をぶっ飛ばしていく。二人とも残りの男達を強烈な蹴りでのしてしまう。全てが片付いたとき、一人の男がゆっくりとエマ達に近付いてゆく。アダムだ。「エマ、もう逃げなくていい...」アダムはにっこりと優しい笑みを浮かべると自分達は皆仲間だと教え、エマを安心させ共に来るように言う。町の上空を飛ぶダブル・ヘリックス機内にて、アダムはエマに自分達は「ミュータントX」だと告げる。
不安がるエマにアダムは彼女を襲ったのはジェノマックスと言う、表向きはバイオテクノロジー会社だがその実体は政府の秘密機関の警備隊員だと教える。そして一応の用心の為彼女の顳かみにビジュアルクロークを装着させ、一時的に視力を奪い目隠しをする。ダブル・ヘリックスは海沿いの山岳に隠されたミュータントXの本拠地「サンクチュアリ」に到着する。エマにはテレエンパシ−能力があるためジェノマックスに追われ、またエマ自身ジェノマックスの極秘プロジェクトに因ってつくり出された者達の一人たのだと説明するが、エマは自分の能力についてとぼける。アダムは最近街で起こっている不思議な現象に少なからずジェノマックスの子供達が関わっている可能性があると言う。エマをスカウトしたアダム自身は特殊能力は持たないが、元ジェノマックスの遺伝子工学者だったことを明かす。
ジェノマックス社にて。セキュリティ部門の責任者メイソン・エックハートが特殊マスクを装着しながら部下のソーンからエマをアダム達に奪われた報告を聴いている。
サンクチュアリにて。エマは実験室でDNAの診断を受けている。相変わらず自分の能力について否定するが、アダムはエマの力はエマ自身の体や心、精神に影響を及ぼすと教える。ジェシーとシャリマ−がやって来て、診断は自分の能力を知る為に必要だとアドバイスするが、エマは自分には彼等のような怪物でないので必要無いと突っぱね、怪物と言われたことに傷付いたジェシーとシャリマーは部屋を去る。アダムはそんなエマを気遣いながらもたしなめる。
プロクシー・ブルーより
「私はパラノイア。パラノイアに地球の未来が託される...」
街のバーでプロクシー・ブルーの画面をブレナン・マルレイは酒を片手に眺めている。そこへ仲間の2人がブレナンのいるテーブルにやって来て翌日結構予定の大きな仕事について成功を祈り乾杯する。
ジェノマックス社。自分の研究室に設えたジュークボックスで音楽を聴くブリードラブ博士の元へジェノマックスのセキュリティー責任者のメイソン・エックハートがやってくる。博士は昔アダムに盗まれたミュータントのデータベースの再構築を完成させつつある。ジェノマックスの過去の過ちを悔い、アダムのことすら責めようとしない博士をエックハートは危険視する。メイソンは自己の免疫システムが崩壊した責任はアダムにあると恨んでいるのである。自身の執務室に戻りながらエックハートは部下のソーンに博士がジェノマックスの過去を世間に公表すればアダムへの復讐が叶わなくなるといい、ソーンはエックハートの意を介して未来は変えられると意味ありげに言う。
ミュータントXの本拠地サンクチュアリではどうしても自分をミュータントであることを受け入れないエマを、エックハートから守るため街から脱出させることを決める。
ビルの屋上駐車場に立ったブレナンはその手に電気を溜め一台の黒いスポーツカーに向けて放電しドアのロックをはずす。周りを見渡しながら車に乗り込むとキーの差し込み口に向かって再度放電をしエンジンをかけ走り去る。
エックハートとソーンはブリードラブ博士の研究室に向かいながらミュータントを秘密工作員ではなく警備担当として使えばばれないと話し合う。博士にソーンを身辺警護に当たらせると提案したエックハートは博士から来週新聞社にジェノマックスの悪行を全てを明らかにすると聞かされ、あまり時間の有余がないことを知る。彼等の去り際に不穏なものを感じ取る博士。
仲間の待つ屋上駐車場に戻ってきたブレナンに仲間の一人であるトニーは盗んだスポーツカーを解体業者に売れば儲かると持ちかけるが、ブレナンは売らないと言う、車の窃盗より大きな仕事が待っていると。そこへ依頼人のカーターと言う男が近付いてくる。駐車場から見えるあるビルを指し警報システムに付いて説明を始める。男は金庫の鍵を自分からすったことにして使用し、自分の勤める証券会社に強盗に入り何としても成功させるよう言い渡して、たった今ブレナンが乗っていたスポーツカーで去る。彼が打ち合わせ前に盗んで乗り回していた車は依頼人のモノだったのだ。
アダムは巨大な本屋を装おうミュータントの隠れ家の一つにエマを連れてくる。隠れ家にはルビーと言うテレパシー能力を持つミュータントが2人を歓迎する。ルビーはエマの考えを読み、彼女がすばらしい能力を持っていること教える。アダムはエマを隠れ家の内部に案内し特種能力を使って作業をしているアリソンとビンスに彼女を紹介する。自分の能力を否定するエマを別人として生きてゆくため街から出すことを彼等に頼むがエマは断ろうとする。だが彼女の味方はミュータントXだけであり、このまま街に残ればまたエックハートの部下達にねらわれるとアダムは言う。サンクチュアリでは留守番をしているシャリマーとジェシーがエマが残ってくれたら...と残念がっている。
「ジェノマックス社創設当時我々は自らを先駆者と信じ、最先端にいると感じていた。世界を変えられる程の知力を持った男女は神の領域を犯し遺伝子を操作した。我々ジェノマックス社の関係者一同は甚大なる被害に責任を感じている。DNAを操作し大自然の掟に背いたことを、政府は多額の賠償を支払うべきである。恐ろしい宿命を背負わされたジェノマックスの犠牲者達に罪はない...。」
ブリードラブ博士は世間に公表するための文書を作っている。それは自分が過去におかした過ちに対する告白と懺悔である。だがそれを阻止するためエックハートがソーンを連れて博士の前にあらわれる。エックハートは博士の罪悪感を責め生かしておけないと告げる。身の危険を感じた博士は助けを呼ぼうと電話をとるが目に見えない力によってそれを奪われ、さらに逃げ道すらも断たれる。やっていたのは目の前に立つソーンの仕業であり、彼は自分をジェノマックスの子で博士の言う「罪のない犠牲者」のミュータントであることを博士に明かす。驚く博士にエックハートはジェノマックスを裏切った酬いを受けてもらうと引導を渡した。ソーンは博士のジュークボックスを力で操作し中のディスクを浮き上がらせる。全てのディスクは博士をめがけて飛んでいき、その命を奪ってしまう。全てが終わった後エックハートは博士の再構築したミュータント達のデータベースを奪い去っていく。これで各地に散ったエックハートが「怪物達」と呼ぶミュータント達の捜索が可能となったのだ。
依頼人の依頼で証券会社強盗を請け負ったブレナン達3人。仲間のトニーとマイケルの二人は客を装い店内に入り見張る。ブレナンは地下のセキュリティーシステムに向かい配電盤を放電によってショートさせカウンターに向かう。開いている金庫室のドアが閉まるまで時間は120秒しかない。3人は隙を付いて警備員から銃を奪い(?)が客と店員と警備員をマイケルが見張っている間にブレナンとトニーは金庫室へ侵入、依頼人のカーターから受け取った鍵を使ってある金庫をあけようとするが焦ってトニーが鍵を落としてしまう。時間が押し迫っているためブレナンはトニーを金庫室の閉まりつつある扉の外に出させ放電によって金庫をあける。中から財務省証券の束を盗み出すとギリギリ金庫室から脱出することに成功し、3人は守備よく銀行から去ってい行く。ブレナンの力の凄さを間近に見た窃盗仲間のトニーは情報提供に対する賞金目当てにプロクシー・ブルーのホットラインを通じてジェノマックスにブレナンの正体と能力を密告してしまう。
シャリマーが隠れ家でエマに新しい身分証明書を一式渡す。ここまでしてくれる彼等にエマは心を開きつつあり、ジェシー達に「怪物」と言ったことを悔いていると言う。また街を出る案内役のアリソンはそんなエマの心を察し彼女の気持ちが分かると言う。
エックハートはジェノマックス社の全社員達に向けて博士が殺害されたことに対するセキュリティの強化と全部署に対する予算の拡大を伝える。今回の事件は全てプロジェクトの産物であるミュータント達の仕業とし、彼等に対抗し世界を守るためミュータント達を捕らえることを目的とした「ジェネティック・セキュリティー(GSA)」を創設することを表明する。社内向けスピーチを終えたエックハートはソーンよりプロクシー・ブルー・ホットラインから得たブレナンの情報について報告を受け喜ぶ。
サンクチュアリでアダムは恩師のブリードラブ博士の死を知り、ミュータント達にとって状況がこれまで以上に厳しくなったことを悟っていた。アリソンよって港に案内されたエマはテレエンパシー能力を使ってアリソンにジェネティック・セキュリティーの者たちが追ってきたと思わせ、その隙にアリソンの車を奪って走り去ってしまう。報告を受けたアダム達はエマの心変わりに驚きながらも彼女を保護するために動きだす。ジェシーがコンピュータを駆使して衛星通信からエマの乗るアリソンの車を探し、アダムはダブル・フェリックスでジェシーの指示する場所に向かい、シャリマーは一足先に港からバイクで追跡する。
バーでブレナンを見つけたエマはお互いの能力について告白し合う。お互い人とは違う能力を持ちながらそれを他人に恐れられることを避け、知られないように努力しトラブルを出来るだけ避けてきた同じ境遇に共感しあう。そしてちょっと席をエマが席をはずしたところへソーンが現れた...。
エマを探知したジェシーから報告を受けたアダムもシャリマーも追跡を続ける。ようやっとビルとビルの隙間からアリソンの車を発見するシャリマー。
ソーンはブレナンにジェノマックスに来るように誘い掛ける。だが戻ってきたエマはソーンの思考を読み取り、ソーンがブレナンを捕らえようとしている意図を知る。ソーンの思惑をテレエンパスによりブレナンに伝えると、彼はソーンの誘いを断りパンチを浴びせてエマとその場を逃げる。スカイコースに向かって逃げるエマを高所から目で追うシャリマーはエマに連れがいることをアダム達に報告する。
スカイコース内の通路を必死に逃げ回るエマとブレナン、そしてそれを追い続けるソーン。通路の先にある長いエスカレータを降り切ったブレナンは追ってきたソーンに向けて電撃を放つ。ソーンは後方に吹き飛び、初めて人に向けて放電をしたブレナンも呆然とする。死んだかどうか確認しようと階段を昇る2人の前に何ごともなく立ち上がってくるソーン、そして気付くと周囲はジェネティック・セキュリティのエージェント達に囲まれていたエマとブレナン。エマを庇いブレナンが取り囲む男達と格闘を始めた時シャリマーが屋根から飛び下りソーンの後ろにいたエージェントを蹴り落とす。同じく間に合ったジェシーも身体の密度を変化させて次々と敵をのしていく。健闘するブレナンにソーンは念力で落ちていたスタンガンをぶつけ、ブレナンはショックにより崩れ落ちる。ジェシーとシャリマーが慌てて駆け寄るが、ブレナンは既にエージェント達に抱えられソーンはシャリマー達に銃を向け威嚇する。駆け付けたアダムは奴らを一先ず行かせ、重大な事態を引き起こした事を謝るエマに自分達がどんなに危険な状態にあるかを身をもって教えたのだった。