結びの1文に込める想い
この作品の特徴として、各章を季節を感じさせる一文で締めくくっていることだ。 例えば、この巻の第1章「山茶花は見た」では、次のようである。「大川端は、ぼつぼつ冬景色であった」 タイトルにある「山茶花」は、初冬に咲く花なので推して知るべしなのだが、ほかの章は最後をどう結んでいるのか。 第3章「江戸の怪病」では、「一雨ごとに木の芽がふくらんでくる春の夜である」季節を感じさせる文で結んでいる。御用のすじで、刃傷沙汰、醜聞の類を題材とした話しが多いが、そうした陰鬱な気持ちを晴らして次の章に臨むために、季節を感じさせるこの一文は置かれているのだと思うようになった。 さらに、風物を感ることの少なくなった昨今だから、なおさらこうした一文に安心させられるのだとも思う。
源さんピンチの第四巻
源さんピンチ! 四巻では『かわせみ』で準主役の畝源三郎にいろんな意味でのピンチが訪れる「女難剣難」が秀逸。 その他に、盗賊が絡みスリリングな「山茶花は見た」、得体の知れない妊婦と旅の道連れが誰なのかが気になる「人は見かけに」、辻斬りの犯人に驚愕の「ぼてふり安」など、ワンパターンでない作品が8篇収録されている。
文藝春秋
幽霊殺し―御宿かわせみ〈5〉 (文春文庫) 水郷から来た女―御宿かわせみ 3 (文春文庫) 狐の嫁入り―御宿かわせみ〈6〉 (文春文庫) 酸漿は殺しの口笛―御宿かわせみ〈7〉 (文春文庫) 白萩屋敷の月―御宿かわせみ〈8〉 (文春文庫)
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