第2弾!Christopher Lawrence Interview by Buffalobeat.com
大好きなクリストファーローレンスのさらなるご活躍をねがって(はあと)
Translated byアクア
インタビュー & 文 by Bill Whiting-Mahoney
クリストファーローレンス。 多くのテクノDJ達や毎夜オールでくりひろげられる熱気に満ちた世界中のレイブシーンが、彼のことをまるでGODのような存在としてあがめているわけだが、実際に彼とじかに話してみれば、さらにその確信は深まることだろう。
クリストファーはヒプノテイック・テクノのサブジャンルであるトランスの達人といわれている。トランスというジャンルにおいて要求されるのは、たえまなく繰り返されるビートが、催眠作用をおこさせるような一定のペースを保ちながら、速いテンポで展開されることである。彼はまた全米はもとより世界中の音楽批評家たちから “America’s Best Trance DJ”と表され、その音楽スタイルは絶賛を浴びているのである。
彼の最新アルバムである “United States of Trance”(訳注;2001年1月リリース)は濃厚なミキシングといえ、さらにスプーキー(ダークなかんじ)でエロテイックな要素を感じることができるだろう。その仕上がりの完成度はもちろん、並いる音楽批評家たちをも納得させるほどである。
Christopher Lawrence(以下CLと略);「みんなの声を代表して言うならばね、もし僕がせいいっぱいやらなかったとしたら、その時点でレイブに初めて来た人達はがっかりして、もうニ度とレイブになんか行くもんかって思うだろうって。」
クリストファーのその言葉からは、世界中からあびる絶賛を胸に、つねにプレッシャーと戦っていることがうかがえる。
CL;「僕はね、その場を乗り切るだけのごまかしや手抜きなんてしようとは思わない。なぜなら、どんな夜だって誰もがベストDJになれるのだから。ベストでいようって思うことではなくて、自分がベストだって思うことをプレイすればいいんだ。
CL;「いつもDJデッキに立ちながら思うことは、自分が過去にしてきたことは何にも意味を持たないってこと。大切なのは今、この瞬間なんだって。それに、イベントでもみんなそんな風に感じているんじゃないかって思ってるよ。僕にとって重要なのはひとつひとつのイベントであって、マスコミに対して何をしゃべってきたかっていうことではないんだ。」
ひとつひとつのイベントは人生で一度きり、おなじものはふたつとないという考え方と共に、クリストファーは、どのレイブイベントともひとつひとつ大切に付き合っていきたいという姿勢をつらぬいているわけである。
彼がまだDJとしてかけだしであった頃、レイブイベントは違法であって世間からやっかいなものとして認識されていた。そして現在、レイブイベントはよくオーガナイズされたものになり、個性の感じられないイベントも多くなったといえる。
そんな時代の移り変わりを経験してきたクリストファーは、じつにさまざまなレイブにまつわる思い出話を語ってくれた。時にチャーミングな苦笑とちょっとだけ後悔の念もかいま見せながら。
CL;「90年代の初め頃、ゴールデンゲートパークでぼくらはよくフリーパーテイーをやっていたんだ。(訳注;サンフランシスコ)よく発電機とかを借りてきて、公園のど真ん中に行ったもんだったよ。広い広い公園の真ん中あたりまで行くと、もうまわりには住宅地なんかなくって、もう朝まで一晩中おもいっきりパーテイーができるんだ。近所からひとつの苦情もでないしね。
CL;「だたひとつだけ問題だったのは、タイマーでセットしてあるスプリンクラー。明け方4:30に、150人くらいの人が芝生の上でおどっていて、スプリンクラーがいっせいに回り始めるんだ!もうぼくたちはサウンドシステムを救うためにあわててその水しぶきのなかに飛びこむってかんじだったよ。」
CL;「それに、ロスアンジェラスでは倉庫もよく使ったよ。もう廃屋になっている倉庫とか見つけてきてね、そこにサウンドシステムやら運びこんで。その倉庫の前には工場とかがあったんだけど、ぼくらが勝手に使っていてもぜんぜん気にしてないみたいだった。その工場もけっこうな騒音を出していたから、ぼくらが出している音も気にならなかったんだろうね。それに付近にいっぱい違反駐車してある車にも誰も気に止めなかったし。
CL;「でもある時、そのエリアに逃亡犯がにげこんだらしくて、パトロール中の警察が来て、とうとうぼくらがパーテイしてるのを見つけちゃったんだ。それで逃亡犯の捜索に協力するようにって求められたけど、そんなんで落ちるヤツなんか誰もいなかったね。警察はぼくらの発電機だけ没収しただけで、あとはみんなとっとと家に帰れ〜!って。」
後悔の気持ちをちょっとだけ込めて、クリストファーはこう言う。「でも時代は変わったんだ。もう誰もそういうことはできないんだよ。」
近年、レイブイベントは合法化され、大規模なイベントにかぎっては一連の運営基準を満たすことが義務づけられるようになった。たとえば、Venueにおける火災などの非常時の非難経路の設定や、Venueそのものの使用許可などである。(訳注;Venue−イベントが行われる場所)
しかし、“レイブイベントはドラッグ使用を助長し、危険なものである” といったレイブシーンに対する社会からの批判は、いまだ根強いものがある。
ことに最近のマスコミはネガテイブで誤った考え方でもって、このアンダーグラウンドカルチャーをひたすら攻撃し続け、アメリカ社会全体にレイブイベントの悪いイメージを植え付けることに成功しているのである。
CL;「約2年前のNocturnal Wonderland(訳注;毎年9月に行われる約3万人規模のレイブ)でのことだけど、パーテイー自体はうまくいっていたんだ。でもすぐに収容可能人数の3万人に達してしまって。すでに中には3万2千人もの人がいて、まだ外には1万人の人達が中に入ろうと並んでいたんだ。そうしたら、警察のヘリがやってきて、外で並んでいる人達に向かって催涙ガスをまいたんだよ!警察にとっては、そうすることが(なかなか中に入れないのでさわいでいる)人々をコントロールする一番効果的なやり方なんだろうけど、そんなやり方はただ人々をパニックにおとしいれるだけだと思う。」
クリストファーは、それでいても現在ある合法的なレイブイベントのあり方に賛成のようであるが、それはむろん、ファンやオーガナイザーの立場を思いやってのことである。
さらに彼はレイブイベントの今と昔の違いをこう指摘する。
CL;「昔は冒険することが好きだったよ。でもそれはいつもリスクを伴なうものだったけれど。数千人の人が集まっていても、警察が来ちゃったら、まだ夜中の1:30だろうが、車に乗って家に帰らなきゃならなかった。今はもう合法化された中で、みんな法にしたがって、他のコミュニテイの代表者とも交流するし、みんなが納得できる形でやっているよね。
CL;「僕がいままで経験した一番大規模なレイブイベントは、ニューイヤーズイブのロスアンジェラス・コロシアム(訳注;84年LAオリンピックが行われたスタジアム)でのTogether As Oneだったんだ。メインステージのグラウンドは4万人が収容可能人数で、ここでも警察がセキュリテイを使ってグラウンドにもうこれ以上人が入れないように通路をふさいでしまったんだ。警察はそんなことをしておきながらも、その後のコメントで、“過去のレイブでの警備経験から予測されていた最悪な事態よりも、状態はかなりましなほうだった” なんて言うんだ。一方、マスコミの方は、警察はなんてひどいことをしたんだ!ってかなり書きたてていたみたいだね。」
最新アルバムをリリースするにあたって、クリストファーはこう述べている。
CL;「アルバムタイトルをである“United States of Trance”、今アメリカのアンダーグラウンドのトランスがどんなものであるかっていう意味をこめてそうしたんだ。多くの人たちが耳にしているヨーローッパの商業的トランスは、本当の音じゃない。僕は目立つだけのものになんかなりたくないからね。そういう意味でもこのアルバムを出すことは、重要なことなんだ。」
忘れられない美しさを持った “Holdin’ On” (3曲目)、出だしからこみ上げていくような迫力の“The Longer Now”(12曲目)、サイケな質感の“Psychomanteus”(8曲目)など、どれもユーロのソフトで流れるようなトランスのそれとは違うものといえるだろう。クリストファーのその根底に流れるHot-and-bothered(訳注;ごめん辞書ひいてね)なベースラインは、どれも心地よく突きぬけるような名品ばかりである。
こだわりのないリスナー達にとっては、すぐにこれらのトラックにはあきてしまうかもしれない。だが、レイバー達には何が良いのかわかっているはずである。クリストファーのこれらとれたての作品の数々は世界にむけて発信されるときを迎えた。かしこいリスナー達はこの “United States of Trance”のそのヒプノテイックな美しさを気に入ることであろう。
トランスミュージック。その本質とは、それを聞く者をひとつの世界にいざなうもの。クリストファーローレンスのトランススタイルは、ヒプノテイックでエピックな世界への道を提示するものである。(完)
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P.S.ここまで読んでくださりまして、ありがとーでっす!(感謝)