「有事法制」関連法案が、野党の一部を加えた賛成多数で衆議院を通過した。議員の9割近くが賛成に起立したこと
に、小泉首相は満面の笑みをたたえ、「画期的」と自賛した。「戦争をする国にならない」ことを世界に誓った日本国憲法を誇り、愛する国民にとって、その笑顔は、憲法を嘲笑する邪悪な笑いとしか受け取れない。
米英両国は、自国への攻撃も受けず、また国連の承認も得ず、つまり国連憲章を真っ向から否定してイラク攻撃をはじめた。日本の小泉政権は、いち早くその戦争を支持し、「後方支援」の名で実質的に米英の侵略戦争を押し進めた。
その小泉政権は「有事」に備えると称して、今回の「有事法制」関連法案を強行しようとしている。その中身は、日本が自国を守るためではなく、アメリカがやる先制攻撃、侵略戦争に、日本国を総動員して協力させるためのもの。日本国民はそのために基本的人権を犠牲にして、アメリカの戦争に協力することを法的に強制される。その戦争に反対して発言
し、行動することは、一切権力によって有無を言わさず禁圧される。報道や表現の自由は一気に死滅する……。
私たち日本映画人は50数年前に、「大東亜戦争」の名で、侵略戦争に協力することを強制され、心ならずも戦争協力の映画を作らされ、あるいは若く有望な映画的才能を戦陣に散らせた。その痛恨の記憶が失せないのに、「有事法制」の強行によって、もう一度、さらに大きな規模と深刻さで、その「痛恨」をくり返させられようとしている。
衆議院議員の9割近くが賛成したと彼らは自賛するけれど、イラク戦争についても、「有事法制」についても、世論の過半数は明白に異議を唱えている。私たちは断じて「有事法制」関連法案の国会成立を許さない。そのことを声明する。
2003年5月20日
日 本 映 画 復 興 会 議
映 画 演 劇 労 働 組 合 総 連 合
映画の自由と真実を守る全国ネットワーク
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