死者たちは眠れない……有事(戦争)三法成立後の「慰霊の日」
(2003年6月21日)
出典:反住基ネットML
 去る6月6日、有事(戦争)三法案が国会で成立しました。日本はとうとう、戦争を具体的に戦うための法律を作ってしまいました。しかし今、どこの国が日本に攻めてくるというのでしょうか。「脅威」といわれている北朝鮮は、年間の国家予算がわずか130億円程度で、食料やエネルギー不足で軍隊の訓練もろくに行えないのが実態です。市場経済化を進める中国は、多くの日本企業や台湾、アメリカの企業が進出し、経済的なつながりを深めることはあっても、戦争をしなければならない理由はありません。
 こういう点を考えると、有事(戦争)法が目指すものは、自衛隊が米軍と一体となって、アジアや中東の戦争・紛争に介入していくことにあるといえます。一橋大学教授の渡辺治氏は、海外に進出した日米の多国籍企業を守ることが、有事法制の狙いだと指摘しています。
 先のアメリカ・イギリスによるイラク侵略戦争では、インド洋に出撃した自衛隊艦隊が燃料補給など攻撃を支える重要な役割を担っています。今の日本はまるでブレーキのきかない暴走車のようです。このままでは近いうちに自衛隊による本格的な戦闘も起こりかねません。実際、イラクへの自衛隊派兵が決まれば、アメリカの支配に抵抗するイラクの兵士や民衆と衝突し、自衛隊員が殺し、殺される状況におちいる可能性が大きいのです。
 有事(戦争)法は、このような米軍と自衛隊が一体となった戦争に、私たち市民一人ひとりが、強制的に協力させられる体制を作ります。運輸や医療、食料など戦争に必要なすべての分野で、民間労働者や公務員は戦争支援のために動員されます。全国の地方自治体は国の指揮下におかれ、港湾や空港、道路、電力、水道、放送、医療施設なども軍事優先になります。戦前の「国家総動員態勢」が再現されるのです。
 一見平和な日常がくり返されているかのように見えますが、有事(戦争)法の成立により、日本は戦争への道に進む歴史的転換を行いました。そういう意味で、今年の6・23沖縄戦慰霊の日は、大きな節目になると思います。二十万余の人命が失われた地上戦を体験し、米軍基地の集中するこの沖縄。自衛隊と米軍が一体となって軍事活動を行うということは、新しい日本の戦争の拠点として沖縄が利用され、それに対する「反撃」として沖縄が攻撃を受ける可能性が大きいことを意味します。
 戦争はもはや遠い過去や場所のことではありません。有事(戦争)法は、戦争を回避するためにあるのではなく、まさに戦争を行うためにあるのです。沖縄に住む私たちが平和に暮らすためには、戦争と基地を否定し、諸地域との友好を進める以外にありません。例え小さな声や行動であっても、集まれば必ず大きな力になります。この沖縄から改めて戦争反対の声をあげていきましょう。
 私たち反住基ネット沖縄は、沖縄を再び悲劇の島としないために、沖縄戦の体験の継承に努め、戦争と軍隊、軍事基地を否定する思想と運動を作り上げることを県民の皆さんに呼びかけます。そして、有事(戦争)法制を支え、国民を一元的に管理、監視するためのシステムである住民基本台帳ネットワークに反対する行動を呼びかけます。

 2003年6月21日
 住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
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