アイガモや牛乳が「農薬」指定されるなんてあまりにも変です。悪い冗談は止めて下さい。今、農林水産省は、有機農業などの農薬を使わない農業のために農家が工夫し、開発してきたアイガモ技術や食品である牛乳や食酢を、作物の病害虫防除や除草を目的に使うからと、「特定農薬」という「農薬」に指定する準備作業を進めています。
これは、昨年の「無登録農薬」問題への対応として農薬取締法が改正されたことに伴う措置ですが、農薬(日常の用語では、ふつう化学合成農薬を指す)を使わないためのさまざまな栽培技術を、国が勝手に「特定農薬」に指定することになっています。
もしもこの措置が強行実施されれば、有機農業は「特定農薬」使用農業になってしまいます。減農薬栽培農産物も、(化学合成)農薬は減らし、(特定)農薬を増やす、という矛盾をきたし、農業現場でも、消費者のあいだでも、混乱します。
農業問題緊急集会に集った私たちは、農林水産省がいま進めている「特定農薬」指定作業を直ちに中止し、法律改正をやり直し、有機農業に影響が及ばないよう、有機農業において使用される資材類の包括的適応除外、「特定農薬」の規定及びその手続きの根本的改定を強く訴えます。
農薬は農地・農村というオープンな環境に大量かつ日常的に放出使用される有害な合成化学物質です。これまで国が許可してきた農薬の中には発ガン性、ダイオキシン、環境ホルモンなどが指摘されている有害物資がたくさん含まれています。しかも最近では農薬は都市においても広範に使用されるようになっています。農薬は、食べ物の安全、農薬が使用される地域の自然環境と生活環境、農薬を使用する人の健康に、重大な危害を及ぼしつつあります。これらの危険を回避し、安全を確保していくには、取締り強化だけでなく、農薬についての危険性情報を広く社会に公開していくことも不可欠です。
しかし、農水省は農薬メーカーから提出された危険性データの公表を頑なに拒み続けています。農薬問題緊急集会に集った私達は、農林水産省の情報隠蔽に強く抗議し、
農薬の危険性についてのデータの即時完全公開を要求します。
「無登録農薬」問題の背景には、農薬規制についての国の重大な失政がありました。ダイホルタン、プリクトラン、PCNB剤などの発がん性農薬、催奇形性農薬、ダイオキシン農薬など、危険きわまりない農薬が、大量に販売され、使用されていたのです。しかもそれらは、輸入されたり、国内の化学品が転用されていました。こうした事態が少なくとも、10年以上は続いていたのです。
これは国が、農薬の取締りをまじめに実施してこなかった結果です。この間、国は、農薬メーカーと一体となって農薬使用を奨励する政策をとり続けてきました。「無登録農薬」問題は、明らかに国の重大な失政です。これを苦い教訓として、国は、危ない農薬の使用を禁止し、危ない農薬の使用規制を強化すると共に、農薬使用の大幅削減へと方針を大転換すべきです。
ところが、昨年の農薬取締法改正では、国はこのような農薬奨励政策を反省し、見直すのではなく、農薬の使用拡大につながる対象作物のグループ化や、さらに「特定農薬」などの珍妙な新制度をつくるという方針を打ち出したのです。アイガモを「特定農薬」に指定することなど、国民は誰一人望んでいません。国民が望んでいることは、危ない化学合成農薬を厳しく規制し、脱農薬の農業を広げていくことです。また、農家を農薬メーカーと同列に扱うのではなく、農家が有機農業に向けて積極的に取り組めるよう、制度面・予算面から政府が強く支援していくことです。農薬問題緊急集会に集ったわたしたちは、農林水産省が農薬奨励の政策を改め、農薬規制、脱農薬の推進に政策転換することを強く要求します。
主催団体(呼びかけ団体)
全国産直産地リーダー協議会・日本有機農業研究会・食農ネット・反農薬東京グループ・全国合鴨水稲会
有機農業推進協会・ポラン広場全国事務局・ IFOAMジャパン・鹿児島県有機農業協会山梨有機農業市民の会
東都生協 ・ 日本消費者連盟・首都圏コープ生産者消費者協議会・大地を守る会・民間稲作研究会・土と文化の会
青森県有機農業研究会・三多摩たべもの研究会・(財)自然農法国際研究開発センター・日本オーガニック検査員協会 ヤマキ醸造株式会社・かごしま有機生産組合・
アファス認証センター「たべもの」の会(松江市)
JAみちのく安達二本松有機農業研究会・愛媛県有機農業研究会
(1月6日現在 26団体)
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