もんじゅ訴訟控訴審・政府の上告方針撤回を求める
(2003年1月31日)
出典:NoNuke-ML
 高速増殖炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分が無効であることを確認した名古屋高裁金沢支部第1部(川崎和夫裁判長)の判決に対し、被控訴人の経済産業大臣らは上告の方針を表明した。原子力資料情報室はこの表明に抗議し、
方針の撤回を求める。
 判決は最高裁判決に即しており、この判決に対し上告をすることは、本来ありうべからざることである。「もんじゅ訴訟」では1992年9月22日、最高裁が、福井地裁・名古屋高裁金沢支部の判決が原告らの訴えを起こす資格を制限したのをくつがえし、福井県全域に居住する原告全員の適格を認めた。「原告らは設置許可の際の各審査に過誤、欠落がある場合に起こりうる災害により直接かつ重大な被害を受ける範囲の住民である」とした、この最高裁判決を2000年3月22日、差し戻し審の福井地裁判決は政治的に無視し、原告の訴えを棄却した。今回の高裁判決はこれを是正して、最高裁判決に正しく従ったものである。そのことは判決本文からも明白だと言える。
 上告には理由が必要だが、民事訴訟法はその理由を「判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること」「判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があること」に限定している。今回の判決がそのどちらにも当てはまらないことは明らかである。
 にもかかわらず、いたずらに上告をして時間稼ぎを図ることは許されない。直ちに上告の方針を撤回しすることを求める。
 「もんじゅ」の建設費は約6000億円で、事故後も毎年100億円を超える維持費が投じられている。改造には約200億円を要する計画である。実用化の見込みのない高速増殖炉開発にこれ以上の国費を支出することは「泥棒に追い銭」と言うべきであろう。しかも、超核兵器級の高純度プルトニウムを生み出す「もんじゅ」の運転再開は、核をめぐる国際的な緊張をいっそう高めることになる。
 判決を機に、「もんじゅ」の廃炉をこそ決定し、核燃料サイクル政策の抜本的な見直しを行なうよう求めたい。










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