東京電力は本日、柏崎刈羽6号炉の運転再開に向けた作業を開始した。不正事件や相次ぐ機器ひび割れの発見などなかったかの如くに形通りの検査を済ませ、首長の了承のみを住民合意の根拠とした運転再開の強行は、とうてい首肯できない。
炉型がABWR(改良型沸騰水型炉)で、ひび割れが多発している再循環系配管を持たないとはいえ、機器の材質は共通している。本来なら時間をかけて、徹底した検査が行なわれて然るべきだろう。そうせずに同炉の運転再開を急いだのは、そして、これを突破口に他の運転停止中の原発の運転をも再開しようとするのは、東京電力にとって4月15日以来の全原発17基停止の局面を打開することが急務だからだ。
といっても、原発の運転を再開しないと電力の供給が危機に瀕するから、というのが理由ではない。運転の再開ができなくとも、実際のところ、供給力には必ずしも困らない。しかし、原発が止まったままでも供給ができてしまったら、原発の存在意義が問われる。そうならないようにという、運転再開の強行である。また、「節電キャンペーン」を始めざるをえなかったものの、本気で節電をされたら困ることも、再開強行の大きな動機となっている。電力自由化の進展の下で、東京電力では料金の大胆な値下げによる需要開拓に力を入れていた。同電力のコマーシャルを見れば、「原発さえ動かせれ
ば、節電なんてしなくていいんですよ」というメッセージが露骨に伝わってくる。
柏崎刈羽6号炉の運転再開は、東京電力の地元軽視・虚偽体質がまったく改まっていないことをこそ示している。強く抗議したい。
以上
2003年5月7日
原子力資料情報室
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