■柏崎刈羽原発の再循環系配管とノズル部の点検箇所は当初計画に限定、過去5年間の点検箇所を除外している。
柏崎刈羽原発の1〜5号機は、その全号機で、今回の停止検査で再循環系配管の損傷が確認されている。福島ではノズル部の損傷兆候が確認された。
柏崎刈羽原発は今回の停止点検で、再循環系配管とノズル部の検査計画は過去5年間で点検しなかった溶接箇所として、1号機47ヶ所、2号機19ヶ所、3号機32ヶ所、4号機74ヶ所、5号機71ヶ所とした(6月4日−健全性小委資料
等)。そして、点検の結果、1号機26ヶ所、2号機3ヶ所、3号機2ヶ所、4号機6ヶ所、5号機9ヶ所の損傷や損傷兆候を確認した。
■東北電力・中部電力は、損傷確認で当初点検計画を変更し全溶接線の検査を実施している。
東北電力・女川1号は、再循環配管の損傷発見後、当初点検箇所所を増やして、全溶接線を点検した。
5月22日から定期点検中の同2号は、6月23日損傷を確認後、39ヶ所の点検計画を倍増し、結果として全溶接線(ノズル部含む)を点検することを6月24日に発表した。
中部電力浜岡原発の停止中の1号、3号、4号とも、損傷発見で当初計画を倍増して、結果として再循環系配管とノズルの全溶接線の点検している。
しかし、柏崎刈羽原発の再循環配管の点検箇所は当初計画通りで追加点検を計画していない。
■東京電力は、保安院通達を独善的に解釈し、損傷を確認しても同数追加の検査をしていない。
4月17日に出された保安院指示文書(通達) http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003950/
には、過去5年の点検済を除く箇所の点検を計画・実施し、「点検においてひび割れが認められた場合は、当該点検期間中に予定した点検対象箇所数と同数について追加点検を行う」ことが指示されている。これは、社団法人日本電気協会電気技術規程「軽水型原子力発電所用機器の供用期間中検査」(JEAC4205-2000)に明記されていることでもある(文末解説参照)。
東北電力・中部電力は、この規程に基づき、損傷確認後、点検箇所を倍増し、結果として全溶接線の点検を実施することになったのである。
■東京電力は4月17日の保安院通達、供用期間中検査に違反している。
東電は損傷を確認したにもかかわらず、追加検査を実施しないので、供用期間中検査に違反している。また、4月17日の保安院通達に違反している。
■原子力安全・保安院の無責任・無能さを示す事実である。
原子力安全・保安院は、東京電力が、通達を無視したにもかかわらず、4号機の「安全宣言」を行った。これは、原子力安全・保安院の正体−安全軽視・電力擁護を示す重大な事実である。
経過は、原子力安全・保安院の存在意義を自ら否定することで、原子力規制行政の再構築の必要性を示す。
■新潟県・柏崎市・刈羽村に要求する。
東京電力の供用期間中検査に違反は、専従スタッフを要する自治体として容易に気づくことだと考えられるが、今日まで指摘されていない。
昨年の夏以降、自治体の対応変化の兆しを、単なる形式に終わらせてはならない。
自治体は、東京電力や原子力安全・保安院の上記体質に対抗し、住民の安全・安心確保の側に立つことを求める。
自治体として、東京電力に、電気技術規程「軽水型原子力発電所用機器の供用期間中検査」と保安院通達の遵守を求めなければならない。
■東京電力の安全軽視・嘘つき東電の体質を糾弾する。
不正発覚後、「反省します、変わります」と宣伝している東電は、本質的には何も変わっていない。
ビール券事件や6月28日の刈羽説明会で認めた「事業推進のためなら何でもやり、局地戦に勝利する」(01.7.13プルサーマル推進対策本部会議(第3回)議事録)との桝本副社長発言が如実に示している。
この緊急声明で指摘する、「再循環系配管・ノズルの全数検査をしない」ことは、安全に密接に関連する事項である。
2003.7.1
柏崎原発反対地元三団体
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク
※JEAC4205−2000より
追加試験の範囲及び程度を定めるフロー図より
ひび割れ等問題を発見したら→当該停止期間中に予定した試験の数に等しい数又は範囲を追加試験する→追加試験でひび割れ等が発見された場合→類似の材料と使用条件の残り溶接継手、部品又は範囲の全数を検査する→それでもひび割れ等発見されたなら→個別に試験の方法、範囲、程度及び期間を定める。となっています。
追加試験は以上の流れですが、上記にあるように追加試験で問題があった場合、「類似の材料と使用条件の溶接継
手」も調べる訳ですが、それは、再循環系配管においては、その配管の延長上で原子炉容器と接続する部分である、安全上再循環系配管より重要な「ノズル部」が相当すると思います(中部や浜岡原発ではノズル部まで今回全部検査しています)。
ただし、そもそもこのJEACはアメリカの機会学会のASMEを根拠としています。しかし、ひび割れが起きている部材は、日本で開発したSUS316LC材であり、元々、ASMEを根拠とすることがおかしいのです。
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