私たちは、青森県に立地されている原子力施設の安全性に危惧を抱いている市民のグループです。六ヶ所再処理工場の本格的な使用前試験入りを前にした再処理施設・設備での相次ぐ不祥事・トラブルの発生には、多くの県民が施設の健全性や日本原燃の安全確保対策に対して一段と不安と危惧の念を強くしています。このような状況の中、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会(以下検討会)が設置されたことを歓迎し、その審議には大きな期待を寄せています。
ところが、第1回検討会の審議経過を知る限りでは、残念なことに今後の検討に大きな懸念を感じざるを得ませんでした。プール水漏洩の直接の原因は、施工業者大江工業による大規模な不正溶接によって引き起こされた事態であることは、判明いたしました。しかし、これまで企業として一定の評価を得ていた大江工業が何故このような不正溶接を約300ヶ所もにわたって施行するに至ったのか、施工工期に問題はなかったのか、原燃の指示に問題はなかったのか、根本的な問題に関する原因・動機などは、いまだに日本原撚から公表されず、貴検討会への報告もないと思われます。
私たち市民の立場からすれば、再処理施設全体への安全性に大きく疑念を抱かせるような不正溶接工事が何故かくも大掛かりに行われたのか、徹底的な原因究明がなされなければ、品質保証体制の再検討も、再発防止策の策定もあり得ないと考えます。したがって検討会に最初に求められることは、不正溶接が行われるに至った本当の原因を明らかにすることではないでしょうか。
私たちのこのような懸念は、今日までの事故やトラブル発生の都度、日本原燃が公表してきた数多くの品質保証体制を見直し強化する旨の文書が、まったく生かされてこなかったという事実に基づいています。たとえば、日本原燃が青森県と六ケ所村に提出した「再処理工場の内部品取付け漏れに関する品質保証活動の改善について(2000年3月29日付)」に記載されていた内容が厳格に実行されていれば、今回の漏水に連なるような不正工事は防げたものと思われま
す。
http://www.jnfl.co.jp/press/pressj99/pr000329.html
http://www.jnfl.co.jp/press/pressj99/pr000329b.html
さらに問題は、品質保証計画についてこれから検討会で審議が行われるにもかかわらず、六ヶ所再処理施設の現場では日本原燃の自主的な品質保証体制点検作業が開始されていることです。これは検討会の審議自体を蔑ろにするような日本原燃の態度であると言っても過言ではありません。根本的な原因究明もないまま補修や点検を先行させることは、施設の健全性の確保や県民の信頼回復にも結びつくものではありません。
検討会には、多くの専門家が集われ、またオブザーバーとして青森県と六ヶ所村も参加していることも承知しておりますが、ぜひ私たち青森の市民の下記の要望にも格段のご配慮のいただけますことを、委員の皆様に強くお願いする次第です。
1.六ヶ所再処理施設の品質保証体制点検計画の検討に先だって、不正溶接の抜本的原因究明審議を最大の優先課 題とすること。
2.検討会での品質保証計画の審議が尽くされるまで、日本原燃の品質保証点検活動を中止するよう要請すること。
以上
六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会 御中
主査 近藤駿介 殿
委員各位 殿
2003年10月8日
核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会/核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団/青森県生活協同組合連合会
青森県保険医協会/核燃料サイクル施設問題青森県民情報センター/六ヶ所牛小舎/花とハープの里
核燃から郷土を守る上十三地方住民連絡会議/核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会
グリーン・アクション六ヶ所/ネットワークみどり/核の中間貯蔵施設はいらない下北の会/核燃いらないわ三沢の会 核燃を考える住民の会/核燃止めよう浪岡会/核の再処理はイラナイ・八戸の会/核燃を勉強する会
放射能から子どもを守る母親の会/弘前脱原発・反核燃の会
【以上19団体連絡先】核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会
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