原子力安全規制体制のあり方の検討等に関する要請書
(2003年12月1日)
出典:NoNukeML
 はじめに

 平成8年1月、我々は高速増殖原型炉もんじゅの事故により引き起こされたかつてない不安と不信の中、原子力に対する信頼を取り戻し政策の基本的方向について国民的合意を形成することが喫緊の課題と考え、今後の原子力政策の進め方について提言を行った。
 しかし、その後発生したJCO臨界事故は国の安全規制に対する信頼をも揺るがし、更に昨年8月に発覚した自主検査記録を巡る一連の不正事件は、国の原子力安全規制体制そのものに対する立地地域住民の深刻な不信感を惹起するに至っている。
 我が国の原子力政策は、今、極めて重大な局面にある。核燃料サイクル政策をはじめこれに関連する再処理問題、バックエンド問題等の諸課題はいずれも不透明性を抱え、これらの政策方針に対する国民的理解は依然として不十分である。更に立地地域住民の間には高まりつつある国際的な緊張の中で、原子力発電所を対象とした有事の可能性についての不安も影を落としており、こうした万一の事態も視野に入れた万全の対策を講ずることも重要な課題となっている。
 言うまでもなく原子力政策は国民的理解、とりわけ立地地域住民の理解と協力なくしては成り立ち得ない。一連の不正問題が惹起した原子力に対する不信は、安全、安心の拠り所であるべき国の安全規制体制に対する信頼さえも根本から揺るがしており、このことは、福島、新潟両県をはじめとする立地自治体議会の意見書が如実に示している。原子力が今後、国民生活の基盤であるエネルギー供給においてその役割を果たしていくためには、我が国の原子力政策は、失われた信頼を取り戻すことから出直すことが必要であり、そのためには、まず国の原子力安全規制体制について真に国民の信頼を得られる体制へと刷新していくとともに、かかる規制のあり方も含め、今後、原子力政策の重要な課題につい
て、立地地域の声を真摯に受けとめ、これを政策に適切に反映させることが必要不可欠である。
 以上の基本認識に基づき、我々は国の原子力安全規制のあり方や立地地域の意見反映について、原子力立地県知事として下記のとおり要請する。

             記

 1 国の原子力安全規制体制の見直し検討
 原子力安全・保安院の経済産業省からの分離独立など、原子力安全規制の機能・体制のあり方について、あらゆる角度から徹底して見直し検討を行い、その結果を国民に示すこと。そのため、まず、立地地域をはじめとする国民各界各層の意見を聴取し、開かれた議論を行うための場を設けること。

 2 原子力政策に関する立地地域の意見の反映
 現在、我が国の原子力政策は、核燃料サイクルやバックエンド問題などを巡り重大な局面にあり、加えて、立地地域では原子力発電所を対象とした有事の可能性についての不安など様々な問題を抱えている。こうした課題への具体的な対処策も含め、今後の原子力政策の策定、遂行にあたっては、立地地域との政策協議を行うなど、立地地域の意見を十分聞くとともに、その意見を最大限尊重し原子力政策に適切に反映させること

 内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

 平成15年12月1日
 福島県知事 佐藤栄佐久
 新潟県知事 平山 征夫
 福井県知事 西川 一誠










   TOP   APPEAL-TOP   ECOAPPEAL-TOP