私たちは日教組に「教育基本法に関する請願書」
署名運動の即時中止・撤回を求めます
(2003年6月21日)
 日教組は最近、国会の両院議長にあてた上記「請願書」に対する署名運動を始めました。そして、その「請願書」には<請願事項>として、以下の二つだけが述べられています。

 1.教育基本法は、準憲法的な性格を有していることから、そのあり方については広範な議論を通して国民的な合意形成をはかるとともに、国会に「調査会」などを設置し慎重に対応すること。
 2.教育振興基本計画については、教育基本法の改正と切り離し、教育条件整備を推進するものとし、財源措置の伴った実効ある教育改革をすすめるものとすること。

 しかしここには、「教育基本法改悪反対」という文字が無いばかりか、むしろ教育基本法の「改正」を前提とした姿勢が前面に出ています。
 なぜなら、第一に、「国会に『調査会』などを設置し」ということは、すでに教育基本法の「改正」を前提とするものだからです。
 そのことは、この間、国会に設置された「憲法調査会」の性格にはっきりと現れています。この「憲法調査会」の設置については、かつて日教組も「憲法改悪につながる」として反対したのではないでしょうか。
 しかも、4月2日に開かれた国会の文部科学委員会で河村文部科学副大臣は次のようなことまで述べています。「憲法を見直すということは、これは憲法調査会でも真剣に今議論をされておるところでございますから、当然それとの関係もあるわけですね。・・・これから憲法改正がされたときに、教育の問題についても当然あるでしょう。しかし、今までの基本的なことは残っていくでしょう、しかし、教育基本法が先に決まれば、この精神こそやはり今度は逆に憲法の中にも当然必要なものは入っていくでしょう」。
 つまり、政府・文部科学省は、教育基本法と憲法改悪を一体のものとして考えています。
 こうした中で「調査会」の設置を要求することは、日教組自ら、教育基本法改悪だけでなく憲法改悪にまで手を貸すことになるでしょう。
 第二に、「教育振興基本計画」についてです。日教組は『中間報告に対する日教組見解』(2002、11、14)では次のように述べていました。「教育基本法に教育振興計画を位置づけることで教育基本法の理念を根本から変えようとしている。(中間)報告では、教育振興基本計画に教育のあり方や内容についての施策を盛り込み、その根拠規定を教育基本法10条に位置づけようとしている。これは教育内容へ国が介入することに法的な裏づけを与えることになる」。
 最終報告でも、「教育基本法に教育振興計画を位置づけることで教育基本法の理念を根本から変えようとしている」ことは全く変わっていません。したがって、「これは教育内容へ国が介入することに法的な裏づけを与えることになる」ものです。しかも、その具体的な内容まで最終答申には盛り込まれ、教育の国家統制が強められようとしているのです。したがって、このような性格を持つ「教育振興基本計画」に対しては、中間報告に対する「見解」のように、はっきりと反対することが重要です。
 それを、このような形で請願項目とすることは、これまでの日教組の姿勢を大きく転換し、「教育振興基本計画」に対しても日教組は手を貸すことになるでしょう。
 たしかに、請願書では「教育振興基本計画については、教育基本法の改正と切り離し」と述べていますが、それならばなぜ他方で「調査会」の設置を要求するのでしょうか。全く筋の通らない話です。
 したがって、この請願署名は「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを掲げる日教組としては自殺行為に等しいものです。
 以上から私たちは、日教組は早急に請願署名を中止し、撤回することを強く要求ます。
 
 2003年6月21日
 教育基本法の改悪に反対する教職員と市民の会
 「教育基本法改悪反対6・21学習会」参加者一同

 私たちは、現場教師と市民を中心に、下から教育基本法改悪に反対する広範な運動を作り上げていきたいと考えています。
 教育基本法の改悪は、
 1.弱者切り捨てとエリート育成、
 2.「愛国心」強制の国家主義教育の徹底、
 3.民主教育の全面的な否定、です。それに反対する市民や組織とは、私たちは誰とでも、どことでも連帯します。セクト主義はありません。
  多くの方々の参加をお待ちしています。     

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