豊かな公教育を実現するための、貴下の日頃のご努力に敬意を表します。
さて、広島県初の公立併設型中高一貫教育校として、広島県立広島中学校及び広島県立高等学校の開校が来年度に予定されています。そのための教科書採択を巡り、「新しい歴史教科書をつくる会」が扶桑社の歴史・公民教科書を採択させるため全国的な運動を展開しています。
しかし、これら扶桑社の教科書は、アジア諸国の人民が過去の歴史の反省に立って友好関係と平和を実現するためには、非常に多くの問題をはらんでいるものと考えられます。
これらの教科書は、アジア太平洋戦争がアジア諸国の独立に貢献した「大東亜戦争」であると美化しており、日本軍「慰安婦」や「731部隊」などの残虐行為については記述もしない一方、多くの中国人の命を奪い犠牲とした南京大虐殺の真相が不明であるという立場を前面に出しています。
一貫して歴史を歪曲・隠蔽し、侵略戦争と植民地支配を肯定し正当化する、そして、アジア蔑視の歴史観に満ちたこの教科書によって、日本の未来を担う世代が教育を受けることについて、私たちは深い憂慮を感じております。
つきましては、このような状況にご配慮いただき、広島県教育委員会の皆様が来年度開校予定の県立中高一貫校に扶桑社の教科書を採択されることのないよう、強く要請いたします。
広 島 県 知 事 藤田雄山様
広島県教育委員長 小笠原道雄様
広島県教育長 常盤豊様
2003年7月29日
中国歴史研究者十三名一同
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