盧 武 鉉 大韓民国大統領貴下
小泉 純一郎 日本国総理大臣貴下
6月6日からの盧武鉉大統領の初の訪日に際し、日韓両国首脳が「慰安婦」・強制連行・強制徴用被害者など日本の植民地支配と侵略戦争によって被害を受けた人々の問題を解決するために誠意と勇気を持って協議し取り組まれることを強く求めます。90年以降、これらの被害者たちは自らの尊厳と人権回復のために日本政府に公式謝罪と補償を求めて両国の内外で問題提起をし、国連人権委員会やILOなどで継続的に取り上げられ、国際的にも大きな共感を得てきました。4月にジュネーブで開かれた国連人権委員会では「慰安婦」問題が再度取り上げられ、韓国政府代表は「従軍慰安
婦」という戦争犯罪・人道に対する罪を認めず、法的責任と責任者処罰を回避する日本政府を名指しで批判したラディ
カ・クマラスワミ特別報告官の報告を歓迎しながら、補償問題が未だに解決していないことに強い憂慮を表明しました。
しかし、これまで日本政府は「日韓条約で解決済み」として韓国の被害者に対しては個人補償を拒み、歴代首相も「お詫びと反省」を繰り返すのみで、こうした要求に誠実に答えようとはしてきませんでした。最近では、釜山地裁で争われている三菱重工強制徴用被害者訴訟で、裁判所が求めた1965年日韓請求権協定締結交渉に関する記録文書の開示請求を、日本政府の要請を受けて韓国政府が拒否したことが発覚しました。
盧大統領の来日を目前にした5月31日、与党自民党の麻生太郎政調会長は東京大学で行った講演で、日本の植民地時代の「創始改名」を「朝鮮の人が『名字をくれ』といったのが始まり」と朝鮮に対する植民地支配と皇民化政策を正当化する発言を行い、内外の批判を受けています。
5月30日大阪高裁は「浮島丸訴訟」で、日本政府に損害賠償を命じた京都地裁判決を覆して棄却判決を下しましたが、6月12日には韓国のシベリア抑留被害者、靖国合祀の遺族らが日本政府に謝罪と補償を求めて東京地裁に提訴を予定するなど、謝罪と補償を求める動きは途切れることなく今なお続いています。
21世紀にもなって、日本政府がいまだに被害者に対するきちんとした謝罪と補償を実施せず、韓国政府がそのことを許したまま日韓関係が積み上げられていくのではないかと被害者たちは強い危惧を持っています。両首脳は「未来志向」を掲げていますが、こうした不信と懐疑の上に、未来に向けて信頼できるパートナーシップを築くことはできません。半世紀以上も被害に苦しみ続け、現在なお日本政府から誠実な謝罪を受けられずに侵害され続ける「現在の人権問題」を解決してこそ、盧大統領が高く掲げる「人権」という人類普遍の価値の上に21世紀の日韓、アジアの平和と友好関係
が築かれるのではないでしょうか。
首脳会談で、日本の植民地支配と侵略戦争による被害者たちの人権回復のために、両首脳が国際的にも納得のいく解決をはかるべくしっかり交渉して下さることを強く要請します。
2003年6月5日
<日本>
●個人●
土屋公献(元日本弁護士連合会会長)、坂本義和(東京大学名誉教授)、荒井信一(茨城大学名誉教授)
李仁夏(川崎教会名誉牧師)、内海愛子(恵泉女学園大学教員)、石川逸子(詩人)、鈴木裕子(女性史研究家)
船橋邦子(和光大学教員)、戸塚悦朗(龍谷大学教員)、前田朗(東京造形大学教授)、加藤武(立教大学名誉教授)
空野佳弘(弁護士)、大島孝一(戦後補償実現!市民基金)、有光健(戦後補償ネットワーク世話人代表)
池田幸一(シベリア抑留訴訟原告団カマキリの会事務局長)、平塚光雄(全国抑留者補償協議会東京都連会長)
蓮見幸恵(日本キリスト教会牧師)、高城たか(「慰安婦」問題の立法解決を求める会)
吉井國勝(日本キリスト教会横浜長老教会)、小野寺ほさな(日本キリスト教会牧師)
三宅和子(日本キリスト教会慰安婦問題と取り組む会)、金英姫(戦後補償実現!Japan=Koreaネットワーク)
大谷雄暁、森川静子、渡部静子(日本キリスト教会牧師)、朱秀子、矢嶋宰(韓国ナヌムの家)
岩脇彰(三重県歴史教育者協議会事務局長)伊藤孝司(フォトジャーナリスト)
木野村照美(在日の慰安婦裁判を支える会)、鳥居靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会)
俵義文(歴史教育アジアネットワークJAPAN共同代表)、神山典子(城西国際大学大学院生)
弘田しずえ(カトリック正義と平和協議会)、天野理(神奈川大学法学研究科)、及川信(中渋谷教会牧師)
石下直子(かながわ憲法フォーラム)、木村公一(伊都キリスト教会牧師)、伊吹由歌子(教員)
長谷川洋一(大阪女学院教諭)、森田幸男(日本キリスト教会大阪北教会牧師)
仲田文之助(飯田市民主・平和教育を語る会)、川見一仁(花岡裁判支援連絡会議会員)
新国久男(日本キリスト教会札幌琴似教会会員)、新国雪子(日本キリスト教会札幌琴似教会会員)
斉藤寿子、岡田泰平(大学院生)、森崎千恵(日本キリスト教会浦和教会長老)、野村光司(行政評論家)
吉田好一(国際人権活動日本委員会代表委員)、根本敦子(くにたち慰安婦問題を考える会)
坪川宏子(歴史教育アジアネットJAPAN)、曽根緑(戦後補償を考える湘南市民の会)、杉山百合子(藤沢市民)
丹羽 雅代(アジア女性資料センター運営委員)、伊藤明彦(日本キリスト教会横浜長老教会)
木村登喜子(日本キリスト教会横浜長老教会)、武田兵次郎(日本キリスト教会横浜長老教会)
登家勝也(日本キリスト教会横浜長老教会)、梁澄子(在日の慰安婦裁判を支える会)、金貞任(大学教員)
むらき数子(フリーライター)、Edward BRZOSTOWSKI(カトリック教会神父)、平田一郎
坂内宗男(キリスト教学生寮寮長)、坂内義子(キリスト者政治連盟副委員長)、原田あきひろ(横須賀市議会議員)
芹沢明男(ノーモア南京の会)、飯島信(足立教職員組合委員長)、及川真理子、里子和子、氏家多貴子
関口朝子、朴英子、村田まり子(挿絵画家)、御園生光治(在韓軍人軍属裁判を支援する会関東事務局長)
<77人>
●団体●
「慰安婦」問題の立法解決を求める会(会長・土屋公献)、戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会
(会長・土屋公献)
日本の戦争責任資料センター(共同代表・荒井信一・吉見義明)、戦後補償ネットワーク(世話人代表・有光健)
戦後補償実現!J=Kネットワーク、戦後補償実現!市民基金(代表・大島孝一)、リドレス国際キャンペーン
戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会(代表・松岡澄子)、日韓民衆連帯全国ネットワーク
カサナグの会(代表・森彪)、在日韓国民主女性会、アジア女性資料センター、戦時性暴力調査会(代表・小林美和子) 日本キリスト教会「従軍慰安婦」問題と取り組む会、戦後補償を考える湘南市民の会
日本キリスト教会横浜長老教会靖国問題委員会、アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会(代表・谷島光治)
フィリピン・ピースサイクル(代表・大森進)、ピースサイクル三多摩ネット(代表・大森進)
在韓軍人軍属裁判を支援する会、千代田・人権ネットワーク <20団体>
●団体●
3.1女性同志会、浪費追放汎国民運動本部、ナヌムの家、大邱KYC、独島守護隊、独立記念館、民族問題研究所
民主社会のための弁護士会、白凡精神実践民族連合、釜山民主抗争記念事業会、不正腐敗追放実践市民の会
シベリア朔風会、歴史問題研究所、歴史を正しく伝える市民連帯、浮島丸爆沈真相究明会
浮島丸爆沈被害者賠償推進委員会、原爆被害者とともにする市民の会、全国民主労働組合総連盟
全国女子大生代表者協議会、挺身隊ハルモニとともにする市民の会、太平洋戦争被害者補償推進協議会
太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会、太平洋戦争犠牲者遺族会、太平洋戦争犠牲者光州遺族会、平和市民連帯
韓国労働組合総連盟、韓国原爆被害者協会、韓国挺身隊問題対策協議会、韓国挺身隊研究所
韓日民族問題学会、韓日歴史問題研究所、韓日問題研究会、アンチ日本歪曲教科書
日帝強制動員被害真相究明特別法推進委員会、戦後補償推進速報、三菱重工業強制徴用者裁判支援の会
東アジア平和運動連帯、日本の教科書を正しくする運動本部 <38団体>
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