きたる6月7日、小泉首相と盧武鉉大統領が首脳会談を行なう。この会談で両首脳は、現在、産官学の共同研究段階にある日韓自由貿易協定を、政府間の交渉段階へと引き上げることに合意する方針だという。日本と韓国の民衆は、日韓自由貿易協定が労働者民衆のあらゆる権利を奪い、多国籍資本に自由な企業活動を保障する反民衆的協定であることを、はっきりと確認する。
現在、共同研究作業をすすめている専門家たちでさえ、日韓自由貿易協定が締結されれば、対日貿易赤字幅がさらに拡大し、対日依存度も深まるものと予想している。そればかりか、多くの分野で日本は関税も低く非関税障壁も微々たるものなので、日韓自由貿易協定の締結による輸出の拡大も期待薄だと明かしている。韓国政府はこのように予想される不利な効果を無視してでも、日韓自由貿易協定を速やかに締結しようと焦っている。多国籍企業に、「韓国は起業しやすい国」という印象を与え、外資を大幅に誘致することが、韓国経済成長の唯一の道だと信じているからだ。
しかし、私たちは「起業しやすい国」というのが、多国籍資本には規制を緩和してさまざまな恩恵を与える反面、労働者民衆には職がさらに不安定になるのはもちろん、抵抗する権利さえも剥奪される国になることをよく知っている。日韓自由貿易協定をめぐって、日本経団連、全経連など日韓の財界は先を競って「労働争議に対して厳重に対処」することが「起業しやすい国」をつくる優先条件だと主張している。生産活動と関係なく株式価値を高め利潤を増やそうとする多国籍資本が労働者の生活を不安定にする張本人であるにもかかわらず、彼らはむしろ、権利を闘いとろうとする労働者の活動を不法視し、これに対する政府の弾圧を約束させようというのだ。私たちはこのように労働者民衆の基本権を無視する日韓自由貿易協定の締結に断固反対する。
それだけでなく、日韓自由貿易協定は教育・医療など、欠くことのできない公共サービスに対する民衆のアクセス権を剥奪し、この分野の商業化をけしかけるものである。現在行なわれているWTOサービス交渉は、教育・医療・水・エネルギーなど営利を目的にせず、誰でも享受されるべき公共サービスを商業化するいっぽう、外国人の株式保有限度を撤廃
し、多国籍資本が浸透して活動できる領域へと変貌させる。
この交渉を積極的に主導している日韓両国政府は、日韓自由貿易協定においてWTOのサービス交渉よりもさらに水準が高く幅広いサービス自由化を成し遂げていこうとしている。私たちは多国籍資本の活動範囲を広げるために、民衆の生活に欠くことのできないサービスへのアクセス権を妨げる日韓自由貿易協定の締結に反対する。
私たちは日韓両国政府が、民衆の生活を破壊し貧困を拡大させた北米自由貿易協定(NAFTA)の弊害をもう一度反芻することを要求する。北米自由貿易協定の締結によって多くの労働者が職を失い、賃金が引き下げられた。巨大な穀物企業の私腹を肥やし、農民の家計所得を引き下げ、食品の安全基準が低められ、民衆の健康が深刻に損なわれた。中産層は消滅し、貧困層が増大するなど民衆の生活は劣悪になるばかりだった。もっぱら「投資者の権利」を拡大することのみが目的で、労働・健康・環境など民衆の生活全般に対する権利は眼中にもなかったのだ。日韓自由貿易協定もま
た多国籍資本の自由な活動の保障を目的とする限り、日韓両国政府は民衆の生活破壊とこれによる社会的混乱を避けられないだろう。私たちは、両国政府が日韓自由貿易協定の締結によってひき起こされる悪影響に対して、はっきりとした解決策を提示する前に、これに対するいかなる交渉も始めてはならない立場を明らかにする。
日本と韓国の民衆は、今回の首脳会談に注目し、これ以降、日韓自由貿易協定の締結をくい止めるための活動を持続的に展開していく。さらに全世界的に日増しに拡大している新自由主義グローバリゼーション反対の流れに加わり、全世界民衆との連帯を固めていくだろう。
小泉首相と盧武鉉大統領は、日韓自由貿易協定締結の企みを即刻中断せよ!
多国籍資本の利潤追求に労働者民衆の権利を売り渡す日韓自由貿易協定に反対する!
2003年6月5日
「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン(日本)
自由貿易協定・WTO反対国民行動(韓国)
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