住民基本台帳ネットワーク実施の凍結を求める声明
(2002年8月2日)
出典:個人情報バスターズML


 政府は8月5日より、「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」を稼動させようとしている。これは、国民全員に11桁のコードをつけ、その上で各自治体が管理する住民票情報を、オンラインで地方自治情報センターを通じて結ぶものである。住民票には氏名、住所、生年月日、性別が記されており、オンライン化されれば、これらの情報がどこでも、また大量に取り出すことが可能になる。
 しかし、この個人情報をどのように保護するのか、その安全性の確保について大きな疑問がある。たとえば、悪質なハッカーによるシステムへの侵入、国・自治体や指定情報処理機関(地方自治情報センター)等の内部からの情報漏洩、情報の目的外使用などの危険性が指摘されている。とくに自治体は、その費用負担や人員・体制も含め、実施への不安や戸惑いを見せている。日本弁護士連合会の昨年の自治体への調査では、「メリットがある」19%、「デメリットがある」12%、「どちらともいえない」60%と、積極的に意義を見出せないでいる。実施を前にして、福島県矢祭町、東京都国分寺市、東京都杉並区が、「住民の個人情報を守れない」と、住基ネットに参加しないことを表明した。また70以上の自治体が住基ネットの延期や慎重な対応を求めている。さらに、7月26日にはジャーナリストの斎藤貴男氏ら6人が、「住基ネットは憲法に違反する」として、稼動差し止め訴訟を東京地裁に起こしている。
 そもそも1999年の改正住民基本台帳法成立にあたり、小渕首相(当時)は「住基ネット実施の前提に個人情報保護法の成立」を上げていた。ところが個人情報保護法案は今国会でも成立しておらず、前提が成立していない以上、住基ネットの実施は出来ないはずである。しかし政府は、個人情報保護法案を提出しており小渕首相の発言も当時の見解に過ぎないと、国民を無視した対応をとって実施を強行しようとしている。
 出版労連はこの間、個人情報保護法案を廃案にする運動を行ってきた。そこで指摘したのは、メディア規制の問題と同時に、個人のプライバシー保護・情報コントロール権の重要性と管理・監視社会の危険性であった。住基ネットは個人情報の漏洩の危険性があり、しかも、個人情報を一元的に管理し、国民総背番号制への道を開くものである。
 以上のことから、我々は住民基本台帳ネットワークの導入に反対し、その実施の凍結を求める。そして政府提出の個人情報保護法案を廃案にすることを重ねて要求するものである。

  2002年8月2日
 日本出版労働組合連合会中央執行委員会









   TOP   APPEAL-TOP   RAPPEAL-TOP