表現の自由に関する緊急アピール
(2003年1月22日)
出典:個人情報保護法バスターズML
 いま、幾つかの法案が、国会で審議されています。いずれも、表現者にとって無縁の内容ではなく、この国の今後を考えるにあたって、大きな問題をはらんでいる法案です。
 すでに各界からさまざまに指摘されていますが、これらの法案に対して、舞台芸術に携わる表現者としての立場から、次のように反対を表明いたします。

 「個人情報保護法案」「人権擁護法案」「青少年有害社会環境対策基本法案」、そして有事関連3法案は、いずれも主務大臣などの国の機関が、表現の規制に関与することになっています。そして、取り締まる対象やその根拠が、具体的ではなく、恣意的に解釈できる内容です。
 「人権擁護法案」は、「メディア規制につながる」と批判された犯罪被害者や家族等へのプライバシー侵害、過剰な取材についての規制部分は凍結が合意されたと報道されています。しかし、表現行為にとってより本質的と思える差別的表現に対する事前規制については十分議論されないまま、成立が図られようとしています。そもそも同法案は、国連からの勧告で、法務省管理下の刑務所などでの人権侵害を監視するための法案としてスタートしたにも関わらず、なぜか表現規制にまで拡大された上、取り締まり機関である人権委員会が、法務省の管轄(外局)とされています。
 また、「個人情報保護法案」については、与党三党から「修正要綱」が提出されていますが各界から様々な反応があり、今後も内容について注意深く見守り、議論を深めていく必要があります。
 「青少年有害社会環境対策基本法案」では、性と暴力に関する表現について、何が有害かを国が基本方針として規定し、事業者ごとに協会を作らせて、表現行為に直接介入できる規定になっています。性にしても暴力にしても、時代や地域、宗教、風習の違い及び、表現行為の目的や性格によって、その表現の許容範囲は、千差万別です。この法案にしても、「人権擁護法案」にしても、民事・刑事の問題として、現行でも、被害がおきた場合の対処はなされています。国があらかじめ規定を設けて取り締まる必要はないはずです。
 以上の問題点が改められない場合は、いずれの法案も廃案とすべきです。
 同時に、真に国民の利益を考え、自由や平和や安全を守るため、表現の自由を規制せず、かつ国連勧告に添った、公正な立場を保ちうる監視機関を持つ「人権擁護法案」や、公的機関が個人の情報を悪用しないための「個人情報保護法案」の成立を望みます。
 有事関連3法案は、有事の規定を一方的に押しつけるものです。3法案及び概要のみ提示されている「国民保護法制」においても、「国を守るための協力」という言葉で、主権者である国民の権利や財産、表現の自由を制限し奪う規定に対しては断固反対します。

 2003年1月22日
 日本劇作家協会
 日本演出者協会協同組合
 日本脚本家連盟全国演劇鑑賞団体連絡会議幹事会
 日本舞台美術家協会

  








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