小泉政府は3月7日午前の閣議で、昨年の臨時国会で廃案となった個人情報保護法案を修正した新たな個人情報保護関連5法案を決定しました。政府・与党は、4月から審議入りし、有事関連法案とともに最重要法案として今国会での成立を目指しています。これら法案は、もっぱら8月
25日の住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)本格稼働(第2次稼働)を押し進めるためのものです。私たちはこの閣議決定に抗議し、新たな個人情報保護関連5法案に強い反対の意思を表明します。
新たな個人情報保護関連5法案は、、メディア規制と批判を受けた旧法案の「利用目的の制限」など基本5原則を削除したり、報道機関や著述業に配慮したり、情報を取り扱う行政機関職員らの職権乱用に罰則を設けたり、と修正されています。しかし、個人情報を取り扱う事業者に勧告や命令を出す主務大臣制度を残し、報道を「不特定多数の者に客観的事実を事実として知らせること」と定義して、報道か否かを主務大臣が恣意的に判断できる道を残し、個人の自己情報コントロール権も認めていません。
私たちは、廃案となった「個人情報保護法案」について、個人情報を保護するどころか国家による管理を強める天下の悪法であり、この法案を部分的に修正しても改善されることは見込めないとし、直ちに廃案として改めて自己情報コントロール権に基づく個人情報保護基本法および行政機関を対象とした個人情報保護法を制定することを強く主張してきました。修正された新たな個人情報保護法案にも、私たちは同じ主張を続けなければなりません。きちんとした「自己情報コントロール」が制度的に担保されていなければ、現在構築が進められているような「分散開放型情報通信技術」を使う「電子政府関連システム」の運用はそもそも不可能です。ネット上の膨大な情報発信者や一人一人の市民が誰でも狙い打ちされ規制される危険はそのままで、個人情報の保護が反故にされてしまう本質はなんら変っていません。
そもそも昨年8月の住基ネット第1次稼働は、個人情報保護法の成立を前提にするという公約を反故にしてなされたものでした。第1次稼働までに接続を拒否した5自治体につづいて稼働後も中野区、国立市と離脱が続き、横浜市では84万人が不参加の意志表示をしています。個人データが悪用されるのではないかとの住基ネットへの疑念や不安から離脱を検討している自治体は増え、反対の声は広がっています。
政府・与党は、「政治とカネ」の問題が再燃する波乱含みの国会情勢の中で、衆参両院に与党が委員長を務める特別委員会を設けて、単独採決も辞さない構えで法案の早期成立を目指しています。ともかく個人情報保護法案を成立させることで個人情報の保護は大丈夫という建前をととのえ、離脱自治体を切り崩して本年8月の住基ネット本格稼働にこぎつけようとしているのです。私たちは、市民を番号で一元管理する住基ネットの中止を求める立場から、修正された個人情報保護法案の閣議決定に強く抗議し、関連5法案に反対します。
私たちは、「住民基本台帳ネットワークシステムの中止および自己情報コントロール権に基づく個人情報保護法制の制定を求める国会請願署名」を推進し、すでに数万の署名を集めて国会に提出し、さらに署名運動を展開しています。新たな個人情報保護関連5法案を再び廃案に追い込み、住民基本台帳ネットワークシステム8月本格稼動を阻止するとために奮闘します。
新たな個人情報保護法案を阻むために声をあげ、共に行動しましょう!
2003年3月7日
反住基ネット連絡会
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