国連「越境組織犯罪防止条約」の批准と国内関連法
「共謀罪の新設」に反対する市民団体共同声明
(2003年4月22日)
出典:反ひのきみネットML
 ■私たちは越境組織犯罪条約の批准に反対します。
 越境組織犯罪条約は、越境的な組織犯罪を防止するために国際的な法的枠組みを創設することを目的として2000年11月国連総会で採択され、日本も署名したものです。しかし、この条約は民主的な討論を欠いた拙速な審議でつくられ、日本の戦後の刑法、刑事訴訟法などの司法の根本原則をくつがえして、憲法が保障する基本的人権を抑圧する重大な問題をはらんでいます。
 ■私たちは実行行為なき共謀罪の新設に反対します。
 政府・法務省は、今通常国会での越境組織犯罪条約の批准を目指して、国内関連法の整備にとりかかっていますが、その中でも最大の問題は、犯罪の実行行為がなくとも相談や合意をしただけで処罰できる「共謀罪」の新設です。
 現行刑法は、犯罪が実行されたことを前提に、共謀共同正犯で実行行為に加わらなった者も処罰をしていますが、政府・法務省が考えている共謀罪は殺人や傷害などの実行行為がない場合でも、現在刑の上限を4年以上としている犯罪について相談したり議論したりするだけで、2〜5年以下の刑に処すというものです。4年以上の刑を科している犯罪には、一般的なほとんどの犯罪が含まれます。それらについて冗談や相談しただけでも罪が成立するというのが、新設されようとしている共謀罪です。
 日本ではすでに、政治活動、市民運動などの正当な抗議行動の権利を「犯罪」行為とみて摘発しています。新設しようとしている「共謀罪」では、さらに、「越境的な性質」をもたず「組織犯罪集団」でもない国内の市民団体、労働組合、政党その他の団体一般にたいしてこれを適用し、弾圧しようとしています。
 この共謀罪が新たに設けられたならば、反原発や自然保護、平和や食の安全を求める運動体、組合や政党などが、たとえば米軍基地や食品会社の前でやむにやまれぬ思いで「座りこみをしよう」と議論や合意しただけで、実行されなくとも会議などの参加者全員が共謀罪で処罰されます。この共謀罪の新設は新たな団体規制法の性格を強くもつものです。
 共謀罪の新設は個人の犯罪行為を処罰する現行刑事法体系を否定するものであり、憲法の保障する言論・思想・結社の自由など基本的人権を侵害するものにほかなりません。政府・法務省は条約を盾に国内法を変えようとしていますが、越境組織犯罪防止条約が対象としている犯罪は、組織犯罪集団が関与する越境的な性質をもつ犯罪であり、条約からの著しい逸脱が国内法化のもとで進められ、権力の増大が図られていると言えましょう。
 「共謀」の事実を立証するために、室内盗聴の導入や盗聴法の改悪がはかられることは疑いありません。
 私たちは、同条約の批准と共謀罪の新設に断固として反対します。国会におかれても憲法に照らして慎重に審議されるよう強く求めます。


 2003年4月22日
 ■呼びかけ団体
 盗聴法に反対する市民連絡会
 ネットワーク反監視プロジェクト
 日本キリスト教団神奈川教区国家秘密法反対特別委員会
 日本消費者連盟

 ■賛同団体
 市民じゃ〜なる        
 日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会
 Nシステムに反対しプライバシーを守る会 
 特別区教職員組合 
 盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会  
 すぎなmix 
 ぴ〜す・め〜る 
 アジア・フォーラム横浜
 人権ビデオ制作委員会 
 ■賛同人
 岩熊 幸男(大学教員)、長野英子(全国「精神病」者集団会員)、野田隆三郎(岡山大学名誉教授)
 太田修平(障害者の生活保障を要求する連絡会議 代表)、山口響(一橋大学大学院生)、福島博子(小学校教員)
 野村修身、草野好文(雑誌編集者)、山口洋子(沖縄環境ネットワーク会員)、神保欣世、深田卓(インパクト出版会)
 新倉修(青山学院大学教授)、田村ゆかり(契約社員)、岡田良子、山口直也(山梨学院大学法学部教授)
 村岡啓一(一橋大学教授)、高野ゆう子、大杉光子(弁護士)、濱本正彦(地方公務員)
 宮本弘典(関東学院大学教授)、松村達也(反戦・平和アクション編集委員)、藤井剛(龍谷大学大学院)
 桜本豊己(小学校・教諭)、むらき数子(フリ‐ライター) 大友深雪、松本弘子、清水雅彦(和光大学講師)
 松田 一樹、丸浜江里子(主婦)、中島まり英(ネパの会) 小林伸子(フリー校正)、野崎 彩(学生)










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