関東大震災朝鮮人・中国人・日本人虐殺
真相究明を求める決議文
(2003年6月15日)
出典:CHANCE-ForumML
 私たち「女性・戦争・人権」学会(事務局・大阪)と「戦争と女性の人権」センター(事務局・ソウル)は, 関東大震災80周年となる本年2003年の第7回大会のシンポジウムのテーマとして, 「ジェンダー視点から 植民地暴力を振り返る・・・三一運動から関東大震災・朝鮮人虐殺へ」に取り組みました. そこで, 韓国・在日・日本の女性が, それぞれに歴史的・社会的に構築されたポジションに立って発言しました. またフロアからも, 様々な立場にある参加者が, この問題をめぐって真剣な討論を展開しました.
 私たちは, 近代日本の植民地暴力がどのように発現し, 朝鮮半島の人々の生活と生命を破壊したか, それに対して人々がどんなに激しく抵抗したか, そのことを恐怖した日本政府が関東大震災が生じた時, まず戒厳令の施行を企て, 朝鮮の人々を誹謗する悪質なデマを流し, 「日本人」を煽動し, その結果未曾有の朝鮮人・中国人・ 日本人虐殺が激発したかを話し合いました.
 私たちは, このような歴史的大事件が, 日本の近代史の中に十分に位置づけられていないこと, 一体何人の, どういう名前を持った人たちが殺戮されたのかが全く分かっていないことに, 驚きを禁じ得ません. このような 大虐殺が行われたこと自体が問題ですが, 日本政府および日本社会がその事実を80年間認めず, 調査も謝罪もしてこなかったことは重大な問題です.
 殺戮の当事者や扇動者が, ほとんど処罰されることなく放置されたことは, 日本人の差別意識を助長し, 暴力の行使に対して鈍感な人間性を構築することになりました. それは, 現在も, 日本在住の韓国・朝鮮人, 中国人への差別意識として残存しています. このような差別意識を煽り立て, 暴言を吐く政治家がいるという事実は, 80年前と同じ状況が続いていることを示しています. このような状況にある限り, 日本在住の韓国・朝鮮人, 中国人の「日本人」に対する不信感は解けることはなく, ことあれば誹謗中傷や暴力に脅かされるなど, 心休まることのない日々が続いています.
 私たちは, ジェンダー視点からの日韓共同歴史教材編纂プロジェクトを2001年10月に立ち上げました. 東アジアの近現代史を一国史を超えた観点から明らかにすることを目的としていますが, 関東大震災の朝鮮人・中 国人・日本人虐殺事件こそ, まさに日本の植民地暴力が, 国境を越えてアジアの民衆に襲いかかり, 民衆を加害者と被害者へと引き裂いた決定的な一歩だったことを痛感します. 私たちは被害者/加害者の二元論を乗り越 え, 共通の地盤でアジアの諸問題解決のために連帯していくことを目指していますが, そのためにも, この問題の解明は緊急の課題だと考えます.
 私たちは, 地道な研究者たちの研究成果によって, この犯罪に対して, 日本政府はもちろん東京都, 千葉県, 埼玉県, 神奈川県などの自治体に大きな政治的・法的責任があることを知ることができました. このような歴史的犯罪には時効はありません. 私たちは, 日本国首相および東京都, 千葉県, 埼玉県, 神奈川県などの政治責任者である知事に対して, 関東大震災の朝鮮人・中国人・日本人虐殺の真相究明, 再調査, そして殺された人たち に対する謝罪, 追悼碑の建設を要求します. これは, 歴史の再審に取り組むグローバルな市民社会の要請でもあります. 日本国首相および, 東京都をはじめとする諸自治体の知事に対し, これ以上問題から逃げることなく, すみやかに政治的・法的責任を取るよう強く求めることを, 参加者一同の決議といたします.

 2003年 6月15日
「ジェンダー観点から植民地暴力を振り返る」
 シンポジウム参加者一同









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