かかりつけ医認知症対応力向上事業について

 次に、「かかりつけ医認知能対応力向上事業」についてお聞きします。

 2003年に、厚生労働省老健局長の私的諮問機関である高齢者介護研究会が出した、「2015年の高齢者介護報告書」によると、2002年の統計からではあるが、実に、要介護認定を受けた人の2人に1人は、程度の違いはあるが何らかの認知能があるということであります。

 また、その認知能があると判断された人のおよそ半数が在宅で生活しているということであります。
 少し古いデーターになりますが、神奈川県医師会が平成3年に報告した調査研究の結果によると、家族が認知症で医療機関を受診し、医師に相談した理由の1番目は、「夜騒ぐ、怒りっぽい、暴力、徘徊、不潔な行為」など、家族だけでは対応が困難と考えられる問題となる行動であり、約43%を占めていたということであります。
 次いで「物が盗まれる、家族がいじめるとか、誰か見知らぬ人が来ている」などの妄想的な精神症状であり、約35%たったといいます。
 なかでも、かかりつけの医師から認知症ではないかと指摘をされて診察を受けに来た方は、たったの約16%だったといいます。
 この報告は10年以上前のものなので、現在と少し状況が異なっているとは考えられますが、現実として、必ずしも認知症の早い時期に、医療機関を受診し医師に相談をする、ということにはなっていないのではないかと思っております。つまり、認知症の症状がみられても、専門といえないかかりつけの医師に相談しても、受診時には認知症の症状が出なかった場合、診断しかねるのではないかと思うのであります。
 
また、2002年に老年社会科学に発表された、認知症に対する意識調査を見ると、認知症が病気であると認識している人は約半数であったといいます。同じ調査で、身近な人の認知症について相談した相手は、家族や友人・知人が約65%と最も多く、次いでかかりつけの医師が約27%となっており、割合としては少ないのですが、家族以外の相談した相手はかかりつけの医師が最も多かったことになり、かかりつけ医師の重要性が認識される結果となっております。
 
しかしそのかかりつけの医師の対応についてみますと、2003年に行われた全国調査では、家族が認知栓の相談をした際に、「年齢のせい」で片付けられてしまというのが、4分の1みられたということです。
 私は、認知症のさまざまな症状で困っている高齢者や家族が、かかりつけの医師に相談した時に、その医師がどのような対応をしてくれるかによって、その後に在宅生活を継続できるかどうかを左右するといっても過言ではないと考えております。

 つまり、認知症を早い時点に把握することで、適切な医療やケアに結びつけることができるのであって、認知症の高齢者や家族が、安心して地域で在宅生活ができるようにするために、かかりつけ医師の役割は大変重要と思っております。
 我が公明党としても、今後の高齢化の急速な進展に、認知症対策は重要な課題と位置づけており、特に早期に把握し速切なケアに結びつけることは、高齢者の虐待防止、権利擁護など、認知症高齢者の尊厳を支えるケアの推進につながるものであり、介護と医療の連携が重要と考えております。
 そこで、札幌市は、平成18年度新規事業として、「かかりつけ医認知症対応力向上事業」を実施するとありますが、どのように取組むのかおたすねします。
また、この事業にどのくらいのかかりつけの医師の参加を見込んでいるのか伺います

再質問

 札幌市内の一般診療医は約1,600名いると聞いており、それを考えると、この事業に参加する医師の数は十分とは言えないがと思うが、かかりつけ医師が認知症の相談に対応できるようになるという、ーつのきっかけづくりとして、妥当な事業であると理解した。

 事業の概要などは理解したが、この事業を実施することで、認知症の方やご家族の日々の悩みやご苦労などは、どのように改善されると考えているのかお聞きしたい。