第一章 『読者からの手紙』

HAMEX−MEN編集部。

「みんな、ちょっとみてください。読者からのメールが届いてるんですが、
 ちょっと面白いんですよ。」
「お、みせてくれっつーか。」
「ん?」
「あ、僕も。」
HMR宛に届いた数通のメールに目を通す4人。
「へえ、たしかに面白いですね。」
「うむ。偶然だとは思うが・・」
「4通のうち、1通がマイクロソフトのX−BOXについて
 残りはすべてリーフの調査依頼かっつーか。」
「リーフと言えば、確か、パソコンでHなゲームを出してるメーカーだったな。」
「75%という数値は無視で来ませんよ・・!」
「そうだなっつーか・・・
 よし、HMR調査開始だっつーか!

HMR第6話 『ファイルbgMX12 リーフの謎を追え!の巻

第2章 『沈黙のチョンキバヤシ』

早速、調査に出発しようとするタイメイとユウスケ。
「・・・?
 お前達、一体何処へ行くんだ?」

入れ違いにチョンキバヤシが編集部に現われる。
「あ、チョンキバヤシさん。実は−−−」
経緯を説明するユウスケ。
リーフを調査する・・・だって?

「ああ。読者から調査依頼のメールが沢山届いたんでな!
 ちょっと行ってくらあ!」
「あ、ああ・・・気をつけてな・・。」

「どうしたんですかね?チョンキバヤシさん。
 なんか様子が変だったような・・
「あ、そうか?まあ、そういう日もあるさっつーか!
 さあ、グズグズしてないで調査に出発だっつーか!」

数日後−−

HAMEX−MEN編集部。
会議室にHMR隊員が集まる。
「さて、早速調査の結果を報告しようじゃないかっつーか。
 まずは、アッサク、頼むっつーか。」
「はい。私はインターネット上のリーフの情報を調べてみました。」
「ほう」
「これが検索結果なんですが・・・」
そういって、プリントを配るアッサク。
「!!」
な、なんて数の関連サイト数だ!
「ええ。改めて、リーフの人気を思い知らされましたよ。」
「で、なにか変わった事は?」
「いえ、特に。」
「そうか。では、次。リサリサの番だよ。」
「俺は、調査の為に、リーフのゲームをプレイしてみた。」
「・・・!で、どうだった!?」
今まで黙りこんでいたチョンキバヤシが、とつぜんリサリサに詰め寄る。
「?あ、ああ。
 さすがに全タイトル試す時間はなかったんで、
 「ホワイトアルバム」というのをやってみたんだが・・」
「W・Aか・・・」
チョンキバヤシの表情が曇る。
「これが、どうもイマイチでな。なぜあんな人気があるのか、
 俺には理解できなかったんだ。」
「・・・そうか・・・。」
「では、最後に俺とユウスケだな。」
「僕達は、メールをくれた読者に直接話しを聞いて来ました。」
「ああ。その結果、とんでもない事が解ったんだよ・・!
「とんでもない事だって!?」
「ええ。どうやら最近、リーフがかなり強引な引き抜きを行っているらしいんです!
「引き抜き・・!」
「業界内から有能な人材を、金にモノを言わせ引き抜きまくり、
 他社の人気ゲームを自社ブランドで出す・・・それが最近のリーフのやり口らしいんです!」
なんだって−−−!

証拠もあるんだ!みてくれ、このゲームを。」
そういって、一枚のCDRを取り出すタイメイ。
「それは・・?」
リーフの『こみっくパーティー』というゲームなんだが・・」
パソコンにCDをセットし、ゲームをはじめるタイメイ。
!!これは〜〜ッ!
「ああ。前に『ブロッコリー』を調査した時に見た、
 『Piaキャロットへようこそ!』に酷似しているんだっつーか!」

「し、しかし、そんな事がまかり通れば、業界はお終いじゃないか!」
「ああ。その通りさ−−−
 そして俺が思うに、それこそがリーフの狙いなんだよっつーか!」
!?
「リーフは自社以外のメーカをかたっぱしから叩き潰し、
 アダルトゲーム業界を牛耳る事を目論んでいるのさ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!

「そ・・そんな恐ろしい計画が、影で進行していたなんて・・・!」
「ああ。どうやら俺達は、リーフの暗黒面を覗いちまったらしいっつーか・・」
「もしかしたら、まだなにか出て来るかもしれませんね。調査を続行しましょう!」
「そうですよ!リーフの無法を、これ以上野放しにするなんて、ぼ、僕には我慢できません!」
うなずき合う4人。
だがその時。
「・・・・お前達・・」
「? どうかしたんですか、チョンキバヤシさん?」
「・・・お前達、いいかげんにしろよ!?
!?

さっきから黙って聞いていれば、当て推量で好き勝手な事ばかり並べているが・・!」
「えっ・・?」
「お前達にリーフの何が解るって言うんだ!?
 これ以上の勝手な調査は、隊長の俺が許さん!
 HMR・調査中止だ!!

〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?

第3章 『不協和音』

翌日−
HAMEX−MEN編集部。
「一体、急にどうしてしまったんですかね、チョンキバヤシさん・・」
「あいつがあんなに取り乱すのを見たのは、初めてだな。」
「うい。」
・・・やはりそうか。
「どうかしたんですか、タイメイさん!」
「うかつだったよ。見てくれ、これを。」
そういって、1冊のファイルを取り出すタイメイ。
「これは・・・?」
「HAMEX−MENの社員データだよ。
 みてくれ、この「好きなゲーム」の欄を。」
「〜〜〜〜〜〜ッ!」
ト、トゥーハート!?
「そうか、チョンキバヤシはリーフのゲーム『TOHEART』のファンだったのか・・・!」
「俺も、もしやと思って調べて見たんだが、案の定そうだったよっつーか。」
「・・・・・。」
「で、でも!」
ユウスケが立ちあがる。
「いくら好きなゲームだからって、調査に私情を挟むのは禁物ですよ!
「理屈では解っていても、その通りに行動できるもんじゃないさ。」
「しかし、どうする?
 ここまで調査を進めておいて、途中で終るのも、なんともスッキリしないが・・」
「けど、調査中止は隊長命令ですし・・・」
「ヘン、ここで素直に ハイそうですか と調査を止める様じゃ、一人前のHMR隊員とはいえねーっつーか!
 これより我々4人は、極秘裏に調査を続行するぞっつーか!!

同日、深夜−−
HMR編集部。

「チィ、結局収穫無しかよ・・」
「ええ。今日はまったくの無駄足でしたね。」
「だが、皆。さっき取材に行ったアダルトゲームメーカーの連中の態度が、
 どうもおかしいと思わなかったか?」
「え、ええ。なにか隠しているような・・」
「そういえば、業界内にもリーフファンが多いって話、聞いたことがあります。」
「こりゃ思ったより大変そうだなっつーか。
 あー、もうヤメヤメ。とりあえず今日は解散しようぜっつーか。続きは明日だ!」
「そうですね・・。」
そういって、自分のデスクのPCの電源を落とそうとするアッサク。
!!こ、これは!
「ああ?どうかしたのかっつーか?」
「見てください、これを・・!」
新着メールか・・!?

知人に教えてもらってHMRを拝見しました
めちゃおもしろいです^^
ツボにはまって笑いころけてます

調査依頼なんですが
18禁ゲームメーカー:Leafが4/23に有明で、開催された同人イベント「こみっくパーティ」なんですが
当日、一般入場数に対してスタッフの絶対数がたりず
一般行列は途中で崩れたり、会場内での混乱等、おそまつな点もあるイベントだったんですが

その夜、Leaf本家のBBSに非難の書き込みをしたら速攻で削除されました(笑)
その後、書き込みに必要な確認Keyも抹消され書き込みすらできなくなりました
どうやら多数非難書き込みは削除されているようです

その結果、こみっくパーティにきてない人達がBBSをみた結果
こみっくパーティは混乱なく開催されて成功したってなイメージが固まりつつあります
これはLeafの巧妙な情報操作な予感がします
Leafはなにをたくらんでいるのでしょうか?(笑)

・・・だめですか?(笑)

くりす

「こいつは、思わぬところから突破口が見えてきそうだぜ!」
「明日早速、メールの差出人に取材に行きましょう!」
「ああ!」
色めき立つ4人。
・・・その取材、俺も同行させてもらうぞ!
!?

チョ・・チョンキバヤシ!!

第4章 『HMR・調査開始』

翌日。
「ここがメールをくれた読者の家だなっつーか。」
(チョンキバヤシさん、いったいどういうつもりなんですかね・・?)
(さあな。俺にもサッパリわからん・・)
「お前達、無駄口を叩いてないで、さっさと行くぞ。」
「あ、はい。」
家のチャイムを鳴らすタイメイ。
『はい。』
「先日電話したHMRの者ですが、クリスさんいらっしゃいますか?」
『!!』
「・・・!?」
「どうかしたのか、タイメイ?」
「い、いや、どうも様子がおかしいんだ。」
ドアが開く。
「!」
「じ、実は娘は・・・」
なんですって−−−−!?

某大学病院−
病室。
ベッドの上には、意識不明の少女が。
「か、彼女が・・・」
「実は、昨日の電話の後、ちょっとでかけてくるといって家を出たんですが、
 そのすぐ後に交通事故にあってしまって・・」
泣き出す母親。
「・・・・・」
絶句する一同。
「・・なにか・・なにか不信な点は無かったですか!?
「お、おいチョンキバヤシ、なにもこんな時に」
「いや、こんな時だからこそ聞いているんだよ!
 我々に救いを求めた読者がこんな目にあって・・黙っていられるかっつーか!」
「タイメイさん・・・」
「そ、そういえばあの子・・」
「!?なにか」
「ええ。事故に遭った時、あの子、手に葉っぱを握っていたんです。
 ただの偶然だとは思うんですが・・」
!?

病院の外−

間違い無い・・彼女が握っていたと言う葉は、ダイイングメッセージだよ!
「つまり、この事故は何者かが、作為的に起こした、そういう事なのか、チョンキバヤシ!」
「そうさ・・言うまでも無く、葉っぱは英語でリーフだ。」
「・・・・!」
リーフが消したのは、批難の書きこみだけじゃ無かったんだ・・・!
「・・・・・・!」
「リーフは、更なる情報の流出を恐れ、掲示板に事件の事を書いた人物を、物理的に消す・・
 つまり、抹殺しようとしているんだよ!」
「!!!」
ブランドイメージの為に人殺しまで・・・!
「そ・・・そこまでやるリーフの目的は、一体全体なんなんだ!」
「・・・こうなったら・・・我々の手で、リーフをもう一度、徹底調査するんだ!

HAMEX−MEN編集部

「しかしチョンキバヤシよ、なんで急に調査に参加する気になったんだ?」
「・・・実は俺は、お前達がリーフの調査に飛び出して行った後、
 冷静になる為に、今一度リーフのゲームをプレイしてみたんだ。」
「・・・・!」
「たしかにTOHEARTは良いゲームだったよ。
 だが、その次の作品であるホワイトアルバムは、今客観的にプレイしてみると、
 どうも違和感を感じたんだ。」
「違和感、ですか・・?」
「ああ。そしてその違和感は、次回作こみっくパーティーで頂点に達した
 何故かは解らんが、作品からなにかこう・・・作為的なものを感じたんだよ。
 そしてその時、もしかしたら、リーフは何か、とんでもない事を企んで要るんじゃないか、そう思ったんだ。」
「ふーん、なるほどな。
 なんにしろ、チョンキバヤシが動き出せば百人力だっつーか!」
「ええ!暴きましょう、リーフの陰謀を!
4人の視線がチョンキバヤシにあつまる。
・・・・・よし、HMR調査開始だ!

第5章 『不安』

翌日。
HAMEX−MEN編集部。
「では、調査報告を開始しよう。まずは俺からだ。
 実は、事件の発端である、『こみっくパーティー』について、
 ある人物に聞いてみたんだ。」
「そんな人物の心当たりがあったんですか?」
「ああ。いるじゃないか、イベント潜入のプロが・・!
・・・シマーノか!
「そうだ。そして彼は、当然の如くこみっくパーティーに潜入していたよ
 話を聞いたところ、どうやらあのメールにあった事件は、間違い無いらしい。
 そしてもう一つ、彼から面白い話が聞けたよ。
「面白い話だって?」
「ああ・・・・

 『・・そうそう、実はその会場で、妙な女の子を見かけたんですよ。』
 「妙な女の子?」
 『ええ。TOHEARTのマルチの格好をしていました。』 
 「しかし、同人イベントでコスプレをした人間がいるのは、別に珍しい事じゃないんじゃないか?」
 『いや、それで何故か興味を引かれて、近づいてみたんです。そしたら彼女、妙な事を口走っていて。』
 「妙な事・・?
 『凶風が吹いてる・・たしか、そういっていました。』

 「凶風・・!?どういう意味だ、シマーノ
 『さあ、それは私にも・・・』

 ・・・とまあ、こんな具合だったんだが。」
「ああー、そりゃシマーノには悪いが、ただのコスプレサイコさんじゃねーのかっつーか。」
「もしくは、ただ単に強い風、つまり強風が吹いていた、と言うだけかもしれないですし・・・」
「まあ、その可能性は否定出来ないがな。俺からは以上だ。」
「では、次に僕が。」
立ちあがるユウスケ。
「実は、アダルトゲーム専門メーカーだと思われていたリーフなんですが、
 どうも実は、家庭用ゲームも手がけているらしいんです。
なんだって!
「バカな、以前リーフを調査したが、そんなデータは無かったぞっつーか!」
「ええ。それにも理由があるんですよ。
 実は、リーフはプレイステーションでゲームを出す際、オリジナルブランド名として
 『アクアプラス』という、リーフとまったく関連性の無い名前を騙っていたんです!

なんだって!!

「実は、私もそこに目をつけたんです。」
「アッサク!」
「インターネット上で色々調べた結果、リーフは・・いや、アクアプラスは
 PS版TOHEART発売にあわせて、いろいろな事件を起していたんですよ。」
「事件・・・だって!?」
「まず第一に、TOHEART電車。」
で、電車〜〜ッ!?
「TOHEARTの広告で埋め尽された電車が、山手線を走っていたらしいんです。」
「一体、何の意味があって・・・」
「そして次に、マルチ踏み絵です!
「踏み絵というと、隠れキリシタンを発見する際行われた、あの踏み絵か!?」
「まあ、そういった意味はすでに失われてますが。
 実は、新宿と秋葉原の駅の床に、TOHEARTキャラの描かれたパネルが、多数設置されていたそうなんです。」
またもや意味不明だっつーか・・・!」
・・まさか・・!
「どうした、リサリサ!」
「これは、踏み絵を踏めない隠れTOHEARTファンを燻りだし、人間失格の烙印でも押そうと言う
 JRの策略ではないのか!?」
!?
「いや、まだ結論を出すのは早い。他には何か無いか?」
「じゃあ俺が。」
立ちあがるタイメイ。
「同人誌業界の昔のコネを使って調べてみたんだが、
 どうもリーフは、版権フリーを謳ってるらしいんだっつーか。」
「版権フリー・・?どういう意味だ?」
「つまり、同人誌にかぎり、勝手に自社のキャラを使う事を容認している、そういう事だ。」
「そ、そりゃまた、寛大ですね。」
「・・ああ。同人・即・訴訟のコナミや任天堂とは大違いだな。」
「まあこれも、リーフの同人界での人気に一役買ってるのは間違い無いっつーかな。
 俺からは、以上だ。」
「では、最後に俺が。」
「リサリサ、頼む。」
「同人で思い出したんだが、リーフは去年(1999年)の冬コミケから
 撤退したらしいんだ。
「撤退!?一体なぜ
「さあな。同人は貴重な資金源の一つである筈なんだが・・・」
「・・?同人人気・・そして同人撤退・・!まさか!
ユウスケ、何か解ったのか!
「ええ!『リーフ』といえば英語で葉っぱの意味ですよね。
 わかりませんか・・?はっぱ・・・つまり発破(ダイナマイト)ですよ!
 リーフは、オタクでごった返す東京ビッグサイトを爆破するつもりなんじゃないですか!?
 リーフのブランド名は、オタク抹殺のキーワードだったんですよ!

〜〜〜〜〜〜〜ッ!?

「た、たしかに過去、コミケ会場火炎瓶爆発事件なんていう物騒な事件もあったが・・」
「き、きっとそれも、リーフの仕業なんですよ!
いや、違うな・・。
 事はそんな単純ではないよ!」

ど、どういう事ですか!?チョンキバヤシさん!」
「踏み絵・・同人人気・・リーフのコミケ撤退・・・そしてアクアプラス。
 この4つのキーワードを聞いて、思い付いた仮説が在る。」
「・・・・・?」
「これからでかけるぞ、お前達!」

国立長崎大学。
山下正樹教授(仮名)
「こちらは地質学の権威、山下教授(仮名)だ。」
「はじめまして。」
「実は今日は、先生に最新のプレートテクトニクス理論について聞きに来ました。」
プレートテクトニクス!?
「で、どのような事を?」
「ずばりお伺いします。人工的な力で、一気に地盤を沈下させる事は可能でしょうか!
!?

「といいますと?」
「たとえば、ある一つの地点・・・東京ビッグサイトに大量の人間を集め
 地盤沈下を引き起こす・・・そんな事が可能なんでしょうか!?」
「!?」
「ま、まさかそれがリーフの陰謀だというのか!チョンキバヤシよ!」
「ああ・・・!俺の推理が正しければな。」
「・・・・・・!」
「俺の考えでは、新宿駅および秋葉原駅に設置されたプレートは、踏み絵なんかじゃない。
 あれは、オタクを集める為のエサだったんだ。」
「ど、どういう意味だ!?」
「駅という一見オタク要素の無い場所に、突然ギャルギャルしいプレートがあらわれたらどうする?」
「・・・・・?」
当然、一目見よう、記念に踏もうと、オタクが大挙して訪れるだろう。」
「たしかに、私の調査でも、例のプレートを踏んで記念写真をとっている連中がいましたが・・。」
「しかし、それがどうしたっつーか!」
「確かにどうもしないさ。
 だが、これはあくまで、予行演習だったんだよ。」
「・・・?」
「これは俺の予想だが、TOHEARTの人気だけでは、予想していたほどの
 オタクを動員出来なかったんじゃないだろうか。その結果が、次にリーフの出したタイトルなんだよ。」
「次というと・・時期的に『こみっくパーティー』か。」
「ああ。そして、『こみっくパーティー』は何を題材にしたゲームだった?」
「ど、同人誌業界ですよね?」
「そうだ。・・・見えて来ないか、リーフの企みが。」
「・・・・・?」
「ヒットメイカーであるリーフが、同人誌を題材にゲームを出せば、同人業界が盛り上がるのは火を見るよりあきらか。
 そして、同人業界が盛り上がれば、おのずと盛り上がる、オタクの一大イベントがある!
コミケ・・コミックマーケットか!
「ああ!そして、リーフの同人版権フリーの理由もここにある!
 リーフの狙いは、同人業界の活性化だったんだ!
!!!

「し、しかしチョンキバヤシよ。
 同人業界が盛り上がったところで、人類が滅亡するワケでも無いし、
 過剰な心配は無用じゃないのか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい、それと地質学がどう関係するんですか?
「・・・『こみっくパーティー』が発売された事により、コミックマーケットが大盛況になることは間違い無い。
 つまり、例年に無いほど、大量のオタクが東京ビッグサイトに集結するんだ。」
「たしかに、それはそうだろうが・・」
「俺の調査によると、コミケの例年の入場客数がだいたい40万人程度。
 これに『こみっくパーティー』人気が加わり、最低でも3倍の客が来るはずだ。
 そして、オタクの体重を一人当たり100キロ平均で計算してみると、
 およそ120000000キロもの過重が東京ビッグサイト一点にかかる事になるんだ!
「!!」
その結果、ビッグサイトの地盤は沈下し、連鎖的に関東一体は水没する!
 それこそが、リーフの目的だったんだ!
 そして、リーフがPS版TOHEARTを出す際に作ったダミーブランド名
 『アクアプラス』・・・つまり『水を加える』というのは、この関東水没計画の暗号だったんだよ!

〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

「し・・しかし、そんなムチャクチャな事が可能なワケが・・」
「・・・いえ。それは、まったく不可能という訳ではありませんね。」
「山下教授!!」
今まで沈黙を守っていた山下教授が口を開く。
「ただし、地盤を沈下させようと思ったら・・
 そうですね、ざっと試算してみましたが、東京ビッグサイトの場合、
 およそ100万トン程の過重が必要でしょう。」
「100万t・・・」
「俺の計算したオタクの、ざっと百倍の人出が無ければ不可能と言う事か・・!」
「チョンキバヤシさん、いくら『こみっくパーティー』の発売によって、
 同人業界が活性化したとしても、100倍は・・・」
「・・・・・。」
「つまり、あなたがたの考え過ぎと言う事です
 関東水没はありえません。私が保証しますよ!
ニッコリと、満面の笑みを浮かべる山下教授。

第7章 『真相』

大学を出て、HAMEX−MEN編集部へ向かうHMR。
川辺の道を行く。
「しかし、良かったですね、これで一安心ですよ。」
「そもそも、去年の年末の冬コミの前に『こみっくパーティー』は発売されてたワケだし、
 良く考えたらその段階で既に、チョンキバヤシの考えは破綻してるぜ。」
「そうですね、仮にチョンキバヤシさんの推理が正しかったとしても、もうなんの心配も要らないって事ですし。」
「さーて、今年の夏は安心して、コミケで同人誌でも買い漁るかなっつーか!」
「ははは。」
「・・・・なんなんだ、この胸騒ぎは・・・
 もしかしたら俺は、とんでもない思い違いをしているんじゃないだろうか・・・!

「あーあ、しかしゴールデンウイークも終っちまったし、次は盆まで、まとまった休みは無しかあ。」
「そうですね。ところでタイメイさん、今年はどうするんですか?」
「あー、今年もどうせメチャクチャ暑いだろうしなー。コミケなんて行ってられねーよねっつーか。実際。
 田舎でも帰るかねー?」
盆でガラガラの東京で遊ぶってのも、なかなか良いですよ。
 普段はギュウギュウの電車だって、悠々座って乗れますし。」
「・・・・・!?」
急に歩みを止めるチョンキバヤシ。
「どうしたっつーか、チョンキバヤシ!」
そうか・・・もしかしたら・・・」
その時。
一陣の風が吹きぬける。
木々がざわめき、抜け落ちた葉が川に落ち、浮かび、そしてゆらゆらと揺れる。
「・・・・・!
 誰か今、PS版のTOHEARTを持ってなかったか!?」
「ああ、念の為持ち歩いているが・・」
「貸してくれ!」
半ば奪い取るようにゲームを受け取るチョンキバヤシ。
「ど、どうかしたんですか!?」
やはり間違い無い・・・
 謎は−−− すべて解けた!」


HAMEX−MEN編集部。
「俺達はリーフの関東水没計画を見ぬいた
 だが、計画の実行は不可能・・机上の空論だったんだ。」
「ああ。大学教授がそういってたんだ、間違いはないだろうっつーか。」
たしかに、あの時のデータならな。」
!?

あの時のデータには、重大な要素が抜け落ちていたんだよ。
 いいか、お前達。夏のコミケはいつ開催される?」
「そ、そりゃ盆休みだから、だいたい8月の15日とか、そんくらいだろ?」
「そうだ。そしてその時期、この東京は特異な状況に陥るんだ!
「特異な状況だって!?」
「ああ・・!帰省だよ!
 多くの人が、盆休みを利用して田舎へ帰るんだ。
 その結果、一時的に東京、そして近郊のベッドタウンの人口が激減して、重量のバランスが崩れる!
「・・・・!!!」
「それだけじゃない。
 埋立地である東京ビッグサイトには弱点が在るんだ。」
「弱点!?」
夏の高温多湿だよ!
 それによって、ビッグサイトの地盤は液状化現象を起こし、よりいっそう脆くなる!
 そこに、120000000キロもの過重が一気にかかれば・・・」
「かかれば・・・」
ビッグサイト水没は・・机上の空論から・・・現実のものとなるんだ−−−!
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

「し、しかし、そんな事をしてリーフになんの得があるってんだ、チョンキバヤシよ!」
「そうですよ。リーフにしてみれば、オタクはお得意様、いわば資金源じゃないですか。
 そのオタクを一掃したって・・・」
「俺も、その点だけが疑問だった。だが、これを見た瞬間、その謎も解けたよ。」
「それは・・PS版TOHEART!?
「しかし、それが一体?」
「ここに注目してくれ。」
アクアプラスのロゴ・・?
 たしか、アクアプラスは水没を暗示するって、さっき」
「問題はこっちの、ロゴマークのほうなんだ。
 聞くが、これを見て、一体何を表現していると感じた?

「いや、言われてみれば・・エム・・かな?しかしアクアプラスと関係無いし・・」
「M?AN・・?無理をすればAVとも読めるな・・」
もしや・・・AV、つまりアダルトビデオが関係しているっつーのか!?」
「まさか。俺は多分、これは『M』で正しいと思うんだ。」
「しかし、アクアプラスと『M』が、一体どう繋がると言うんだ。」
「・・・この本を見てくれ。」
そういって、机から1冊の本を取り出すチョンキバヤシ。
ムー大陸の謎と真実・・・?
「ここだ。」
栞を挟んだページを開く。
ムー帝国の紋章はMU、またはMOからとったM字型をした盾の形をしており・・』
平川陽一著・ムー大陸の謎と真実より
M・・・ムーの紋章だって!?

ムーの紋章が、なぜリーフ・・アクアプラスのロゴに印刷されているんだ!」
「・・・リーフにとって、東京ビッグサイトを水没させる事は、手段であって目的では無かったんだよ!
「どういうことだ・・・」
リーフの真の目的は水没したムー大陸を浮上させる事だったんだ!!
 リーフ社員はムー帝国国民の生まれ変わりつまりムーの光の戦士だったんだよ!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

「しかし、いくらなんでもそんな事が可能なのか、チョンキバヤシ!」
「そ、そうですよ!」
「我々の住むこの日本が、4枚のプレートの上に乗っている事は知っているな。」
「ああ。たしか 太平洋プレート、ユーラシアプレート、北米プレート、そしてフィリピン海プレートだったな。」
「最近の調査によると、北米プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込むと、
 連鎖的にユーラシアプレートに歪みが生じ、沖縄の海面下の陸地が隆起すると言われているんだ!」
まさか・・・
「ああ。それこそが、消滅帝国・・ムー大陸だったんだよ!
「たしかに、ムー大陸が日本にあったという仮説は聞いたことがあったが・・・・!」
「そういえば、沖縄の海底に、古代遺跡の痕跡が発見されたというニュースを、TVで見たことがある!」
「大ベストセラー『神々の指紋』の著者であるグラハム・ハンコックも、ムー大陸が日本にあったという仮説を
 唱えていたという話もある−−!」
!!!
「そして、証拠ならまだ在る。リーフの人気を不動のものにしたタイトル、TOHEART。
 その中でも、もっとも人気の在るキャラは誰だ?
「そ、そりゃあ間違い無く、アンドロイドのマルチじゃないのか?」
「そう、その通りだ。そして マルチ=MULTI! 
 こんなところにもさり気なく、ムーの名が刻まれていたんだよ!
〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!

「お、俺達はどうすればいいんだ・・・!」
「この恐るべき計画を知っていながら・・どうする事も出来ないのか!」
「ち、チクショウ!」
「コミケ開催の8月まで、あと三か月・・同人マニアたちは、すでに引き返せない道を歩み出してしまっている・・!
 たとえ俺達が止めたところで、聞く耳をもたないだろう・・!」
「・・・遅すぎた・・我々は何もかも遅すぎたんだ・・・・!

その時。
HAMEX−MEN編集部の電話がなる。
「はい、もしもしHAMEX・・・あ、シマーノさんですか。」
「・・?」
え・・?はい、はい、わかりました!
 テ、TVを付けてください!10チャンネルです!」
「おいおい、一体何があったってんだ・・・?」
戸惑いながらTVのスイッチをいれるタイメイ。
「ニュース番組・・?沖縄のサミットか。これがなにか・・・ああっ!」

〜〜〜〜〜〜ッ!!!


現在我々は、事件の鍵を握っていると思われる上記の女性を、徹底調査中である。

なお、HMRは読者の皆さんに、2000年度夏に開催されるコミックマーケットに
参加されない事を強くお勧めします−−
                        2000年5月 HMR隊長 チョンキバヤシ


■おわり■



※この作品はフィクションです。