注 当コンテンツ「ちゆ12歳を特捜せよ!」は、ちゆ12歳様の掲示板で、既に話題としてあがりました。
   ちゆ板では既出ネタはスレを流してしまい迷惑がかかりますので、当コンテンツについての新規投稿はご遠慮ください。






序章 『アイドル!!私?』


HAMEX−MEN編集部---


バーチャルネットアイドルですか。
 面白いことを考える人もいたものですね」
「しかし、なんとまあ、オタクの嗜好に見事に合致した…
 いわば、インターネットでオタク系のニュースを扱うには、
 これが最良の形かもしれないな」
「つーかさあ〜」
PCを前に、和気藹々と語るリサリサとユウスケ。
その二人の間に、怪訝そうな顔で割ってはいるタイメイ。
「つーかさぁ、どうせこれって、どっかのオタッキーがやってんじゃねーの?」
「…オタクかどうかは別として」
アッサクが口を開く。
「流石にこれは、12歳の少女が運営するサイトとは思えませんね」
「そ、そうですよね。冷静に考えてみると−−−」
ユウスケが続く。
「この文章構成力、そして、情報収集能力の高さ。
 ヘタな大人より、断然上をいってますよ」
「妙なマニア知識にも詳しすぎるっつーか」
そこに、コーヒーを片手に現れたのは−−−



「だからこその、この人気、というところだろうな」
「あ、チョンキバヤシさん!」
知っているか!
「えっ…?」
「世界で始めてのファンド対応ギャルゲーであり、
 昨年12月に発売された『ときめきメモリアル3〜約束のあの場所で〜』
 その、本年1月の出荷本数は
 たったの50本だったと言う!」
〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?
「って、いきなりなんの話だよっつーか!」
タイメイの突っ込みにより、話は本題へ戻る。
「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳。
 オレも以前から注目はしていたんだが…」
「つーかさ、一体、どんな人物がこのちゆ12歳を運営してんのか…
 興味深いなっつーか」
「チョンキバヤシさん!今度のリサーチ、これでどうですか?
 『ちゆ12歳の正体は…!?』なんて、なかなか興味深いと思いますけど」
「…ああ。俺も今、そう思っていたところだ。
 HMR、調査開始だ!」


この世には−−−
目には見えない闇の住人たちがいる
奴らはときとして牙をむき
君達を襲ってくる
彼らは・・・そんな奴らから
君達を守るため 地獄の底からやってきた…

正義の使者
…なのかもしれない


『ファイルbP2 バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳を特捜せよ!』



第1章『犯人は誰だ!』


−−−数日後。
HAMEX−MEN編集部−−−

「さて、早速だが、発表してもらおう」
「では、私から」
立ち上がるアッサク。
「私は、ちゆ12歳の、12という数字に注目してみました
「!!」
「いきなり核心に迫る発表で心苦しいですが…
 今回はまどろっこしい話は抜きです!」
珍しく、アグレッシブな態度を見せるアッサクに、気圧される4人。
「よ、よし、聞かせてくれ」
「うぃ」
書類の束を取り出すアッサク。
「えー、皆さん…」
神妙な表情で全員の顔を見回すアッサク。
そして、ゆっくりと。
「えー、みなさんは、12という数字から、何を連想しますか?
「オイオイ、いきなりなんだっつーか」
「まあまあ、タイメイさん」
「直感でいいんだな?
 だったら、俺は干支だな」
リサリサ。
「ふむ、なるほど…他のみんなは?」
「あー、オレはアレだ。星座。
 セイントセイヤのゴールド聖闘士で覚えたっつーか」
シスプリストの僕は、当然”12人の妹”のシスタープリンセスを挙げます!」
意気揚揚とユウスケ。
そして、最後にチョンキバヤシが。
「せっかくだからオレは、12使徒を選ぶぜ」
「ンそれだっ!」
突然奇声を発するアッサク。
「それですよ…!
 さすがはチョンキバヤシさん。話がわかる…!
 12使徒、すなわちイエスキリストに使えた12人です。
 つまり、ちゆ12歳は、キリスト教のプロパガンタだったんです!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?



「ま、また宗教か!」
「ぼ、僕達は危うくキリスト教に洗脳されるところだった、と…!?」
「くそ、なんてこったッ!」
アッサクの衝撃的な仮説に、色を失うHMRメンバー。
だが、一人、チョンキバヤシが。
「…みんな、ちょっとまってくれ!」
「えっ…?」
「アッサク、その推理の根拠は?」
「え、いや…さっきも言ったとおり、
 ページタイトルの12歳と12使徒という言葉の奇妙な一致ですけど…」
「ほかにリサーチはしたのか?
 その仮説を裏付けるような調査結果は出たのか?」
「い、いえ、この符合を発見したところで、早々に調査を終了し、
 毎日ネットゲーム三昧でしたが、それが何か?」
「バカ野郎っ!!」
「ひぃっ…!」
「ってことは、お前はアレか…!
 こんな脆弱な根拠だけの当て推量で、他人を宗教の広告塔呼ばわりしたって言うのか…!
 いつからHMRは差別主義者に成り下がったんだっ…!」
「す、すみませんっ…!」
「いいか…疑っているうちはまだしも…
 それを口にしたら戦争だろうがっ…!
 それほど重いんだっ… 人を疑うって事は…!」
「こ、この件に関しては、もう一度リサーチをしなおします…」
顔面蒼白のアッサク。
「ああ。納得がいくまで調査して、それでもちゆ12歳がクロ…
 その時は、もう一度話を聞こう… それでいいな?」
「は、はい」
チョンキバヤシの一喝に騒然とする会議室。
「スマなかったな。取り乱したりして。
 次は誰が?」
「お、おう。じゃあオレが」
立ち上がるタイメイ。
「オレも実は、ちゆの12歳という年齢に着目して調査をしたんだ」
「まさか、お前も12使徒説…すなわちアッサクの言う『ちゆ12歳基督教広告塔説』を支持するとでも?」
「まあまあ、話は最後まで聞けっつーか!」
チョンキバヤシをたしなめるタイメイ。
「なあ、みんな。『12歳』ということは、12年前に生まれたって事だよな?」
「そりゃそうです」
「で、オレは12年前、すなわち1990年に何があったのかを調べてみたんだっつーか」
「おおっ」
「タイメイさんにしては、まともな調査を」
「そこ、うるせーっつーか。
 で、その調査結果がこれだ」
そう言って、報告書を隊員に配るタイメイ。


・湾岸危機
・即位の礼・大嘗祭
・自衛隊派遣で憲法論議
・株暴落
・生体肝移植相次ぐ
・地価高騰、全国に拡大
・礼宮ご結婚、紀子さまブーム


・・・・
・・・
・・

「やはり、湾岸戦争が最大級のニュースですね」
「だが、戦争とネットアイドルでは、あまりにもかけ離れているというか…」
「後は、『ヒット曲: おどるポンポコリン』に『流行語:おやじギャル』ですか…
 正直、ちゆ12歳に関係ありそうな出来事は無いような…」
「確かに、オレもそう思うが…」
「し、強いて言えばおやじギャルですかね?」
「タイメイ、お前は一体、この中のどのニュースが、ちゆに関係あるというんだ?」
「教えてください!タイメイさん!」
「タイメイさん!」
4人の注目がタイメイに集中する。
そして−−−
…オレにだって… 解からないことくらい… あるっつーか…!

「では、気を取り直して、僕が」
ユウスケが立ち上がる。
「僕は、ちゆ12歳の掲示板を調査してみました」
「ちゆ板か。で、何か、ちゆの正体に肉薄できる情報でも転がっていたかっつーか?」
「残念ながら、それは−−−」
語尾を濁すユウスケ。
「ですが、面白いことが解かりました
「それは?」
「ちゆ12歳の掲示板で、ときたま、ちゆの正体について言及する書き込みがあるんです…
 たとえば、”ちゆなんて所詮どっかのオタクのオッサンだろ?
 何オタクの言うことに一々騒いでるんだ?”
 こんな感じですね」
「ハっ。ネタをネタと見抜けない人間は(ちゆ12歳を楽しむことは)難しい、ってやつかね。
 何処にでもいるんだな。その手のバカは」
「で、それに対する常連の反応はどうなんだ?」
「ええ、それがですね…
 大概、”ちゆちゃんは電子の妖精なんです、何を言っているんですか?”
 こんな感じの反応を示すんです」
!?
「それも、一度や二度じゃない。
 今までに、この手の荒らし…いや、失礼。問題提起の書き込みがあったときは、
 ほぼ毎回、これと同じ態度でレスポンスしているんです」
「つ、つまり、ちゆ12歳の読者は、ちゆ=電子の妖精説を盲信しているというのか…!」
「ちゆを運営するのは、それほどのカリスマ性をもった人物…
 そう考えられますね。
 僕からは以上です」
「ううむ…」
「次は俺が」
立ち上がるリサリサ。
「正直、俺のこの調査結果はあまり気持ちのいいものじゃないんだが…」
「えっ…?」
「だが、もしかしたら何らかの突破口になるかもしれないので、発表しよう」
机の上になにやら並べだすリサリサ。
「コイツがなんだか…説明するまでも無いよな?」
「それは…!」
机の上に並べられた、ちゆ12歳をあしらったTシャツと抱き枕、それと−−−。
「雑誌(ネットランナー)の表紙にちゆが…!」
「ああ。少しばかり古い号だったんで、入手に苦労したぜ」
「…コラムまで書いているのか」
「そしてさらに、だ」
PCを操作するリサリサ。
「これを見てくれ」
「!?」
企業バナー、か…!」
チョンキバヤシ。
「ええ…。そうなんです。ちゆ12歳はこれまでに、いろいろな企業のバナーを貼り、
 お小遣いと称し、その報酬を受け取っていた節があるんです」
「金…か。
 ちゆが仮に、本人や読者の言う通り、本当に電子の妖精だとしたら…
 金は必要ないだろうな」
「ちゆ12歳が金儲けに走ってしまうのを見るのは…は悲しいな…」
「…では、最後に俺が」
立ち上がるチョンキバヤシ。
「この1週間、俺は、
 ちゆ12歳のイメージイラストについて調査してみた」
「あ、チョンキバヤシさん。ちょっと…」
ユウスケ。
「あれは、ちゆ信者の間では写真、という事になっています」
「そうだったな。まあ、それはいい。
 お前達、この2枚の画像を見比べてくれ
「えっ…」
「どれどれ…?」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?



「こ、これは…!」
明らかに絵柄が違う…
「そうなんだ。確かに絵柄と言うものは変わるものだが…
 たかだか1年半の間に、これほど絵のタッチが変わるというのも珍しい」
「た、たしかに…!」
珍しいが、絶対にあり得ない事、ではない…そこがポイントだな」
チョンキバヤシが、呟くように付け加える。
「えっ…?」
「では、もう一点。
 今度は、この頭の飾りに注目してみた
「頭の飾り…麻雀牌ですね」
「発と中、か。たしかに意味不明ではあるなっつーか」
「うむ。そこで、俺が気になった点が、この、
 ちゆの胸の中央の、白い物体だ。
 お前達には、これが何に見える?



「リボンの真中の個所…ですよね?」
「オレにもそうとしか見えないっつーか」
「だろうな。俺もそう思う…
 では、これはどうだ?」



これは…!
「胸の白い物体は、麻雀牌の白…だったのか!
「そうだ。
 だが、最新のTOP絵---いや、写真か?---を見てもらおう」

!?
「牌なのか、リボンの中央部なのか、判別ができない…!」
「どちらかというと、リボンのようですね…!」
「そうだ。あきらかに意匠の読み取り違えが起こってしまっている。
 あまつさえ、このイラストでは…」


〜〜〜〜〜〜ッ!?
「胸のハクは、完全に無かったことにされてしまっているんだ。
 ネットアイドルを謳うサイトで、マスコットキャラのデザインを間違える…
 ちゆの生みの親である管理人が、こんな重大なミスを犯す事なんて、有りうる事だろうか?」
「たしかに、考えづらいです…!」
「こ、これは、一体どういう事なんですか?」
つまり…だ!
 初代ちゆをデザインし、最初のTOP絵を書いた人物と、
 サイトの運営を受け継ぎ、現在のちゆを描いた人物…
 ちゆには、最低でも二人の管理人がいた…そうとしか考えられないんだ!」
「!!」
「キン肉マングレートかっつーか!」
「確かに、そう考えれば、絵柄の変格も、無理なく納得できますね」
「そして、本来なら隠したいであろう過去の絵を、いまだに
 自己紹介のページ”はじめまして”で堂々と曝している点…
 この不可解な行動も、初代ちゆ管理人へのリスペクトだと考えれば…」
「納得はいきますね!」
「あくまで、現段階での推察に過ぎない…がな。俺からは以上だ」
「待ってください」
アッサク。
「麻雀牌の白、発、中が揃ったところで…
 それが一体何を意味するんでしょうか?」
愚問だっつーか!
はじけるように立ち上がり、タイメイ。
「白、発、中…この3種の牌は、言うまでも無く、
 麻雀の役、大三元を表しているんだっつーか!



「…たしかに、それがもっとも妥当な推察だろうな。
 だが、タイメイ。それが一体、何を意味するって言うんだ?
「う…それは…」
タイメイ、本日二度目の絶句。

暫しの沈黙。
そして、漸くチョンキバヤシの口からひねり出された言葉は。
ダメだ…!
ガックリとうなだれるチョンキバヤシ。
「調査は完全に暗礁に乗り上げた…。
 とりあえず、各自、再び調査を続けてくれ」
「はい−−−」
暗澹とした気分で会議室を去るHMRメンバー達。
「なにか…」
閑散とした会議室の中、一人席に残ったチョンキバヤシが、つぶやく。
「何かあるはずなんだ…
 ちゆ12歳の謎を解く鍵が…なにか−−−!


第2章『ナゾの闇法廷!』


会議から2週間が過ぎたころ。
調査が何の進展も見せぬ中、
HMRメンバーにも、リサーチの中止が懸案として上がりだした…丁度そのころ。
事件は大きな転機を迎える。
契機は、HAMEX−MEN編集部へ届けられた、一通のメールだった。






一台のモニタの前に集まり、
固唾を飲んで、画面を凝視するHMRメンバー達。
こ、これは…!
「どうですか、チョンキバヤシさん」
「間違いない、このメールを送ってくれた人物は、ちゆ12歳の管理人とアクセスすることに成功したんだ…!」
「確かに、言われてみれば…」
ユウスケ。
「言われてみれば、雑誌にコラムを連載するとなると、編集者とのアクセス…
 リアルアクセスは必須ですよね。盲点でした…!」
「つまりは、電子の妖精云々なんて話は、嘘っぱちって事だっつーか」
「図らずしも…」
チョンキバヤシ。
「図らずも、このメールによって…
 我々の仮説−−−ちゆ=青年説−−−は証明された形になる…!


………!!
突然もたらされた結論に、放心するHMRメンバー。
「…まあ、アレだ」
タイメイ。
「なにはともあれ、これで一件落着だなっつーか!」
「…なんとも、煮え切らない感じですけどね」
「まあ、常識で考えれば、この結果は妥当、ってところですね…」
「我々のリサーチ結果とも、概ね合致する結論でしたし」
「けど、これでここ数日の肩の荷が下りた気分ですよ。
 調査も進展なしでしたし。ね、チョンキバヤシさん」
「あ、ああ…」
「あー、終わり終わり。じゃあ解散っつーか!」

散り散りに会議室を後にするHMRメンバー。
「………」


第3章『バラとひまわり』


ちゆ12歳のリサーチ結果が思わしくなかった
---想像の範疇を越えられず、インパクトに欠けた---事。
そして、匿名のメールで調査の終了を懇願された事も加わり、
本件のリサーチ結果は、日の目を見ること無く、封印された。
チョンキバヤシ曰く、
『解かりきったこと…常識で考えれば、だが…を、今更、声高らかに発表して、
 純粋にちゆを信望する人たちの夢を壊すのは、無粋というものだろう』
メンバー達も概ねこれに同意し、また、HAMEX−MEN編集部の多忙も重なり、
ちゆ12歳への関心が、HMRメンバーからも消えかけていた、その頃…

即ち、謎のタレコミメールが届いた日から約三ヶ月後−−−。

HAMEX−MEN編集部。

あ、あれ?これは…」



「どうしたんですか、ユウスケさん」
「あ、アッサクさん、これ、みてくださいよ」
「これは…ネットワークのエラーみたいですね?」
「ここは俺にまかせてもらおう」
颯爽とリサリサ。
「これはサーバーエラーだな。
 アクセスが集中して回線が一時的にパンクしてるんだ。
 しばらくたってから更新すれば大丈夫だろう」
「そ、そうなんですか」
言いながら、更新ボタンを連打するユウスケ。
「あ、出た」
「む、これは…」
ちゆ12歳ですか」
「…ええ。なんだか、気になっちゃって。
 最近、また毎日チェックしてるんです」
「確かに、あのリサーチは満足行く結果じゃなかったからな」
「それもありますが、純粋に興味が…」
話しながら、ちゆをチェックするユウスケ。
「あれ?また更新されてないや。
 ニュースはおろか、ちゆメモや占いすら更新されてない」
「珍しいな…?俺たちが調査してたころは…」
リサリサ。
「ほぼ、毎日更新されていましたよね」
アッサク。
「実は、ちゆ12歳は、ここのところ、更新頻度が落ちてきてるんですよ」
「そうなのか?」
「ええ。それに関して、掲示板でも、批判めいた書き込みが多くなってきてるんです」
「どれどれ…
 あ、これもそうですね」
ディスプレイを指差すアッサク。
「ふむ…
 『最近、更新が遅くて悲しいです。もっと早く更新してください…』
 『ちゆちゃんも雑誌の連載等で忙しいんでしょう…』
 『無料のウェブサイトより報酬のある雑誌コラムが大事なんじゃない?…』
 …なるほどな。確かに、アンチちゆの書き込みが少なくないな」
「掲示板全体の雰囲気も、私達が調査してた時---ちゆ信望一色---とは、
 すこし違ってきてるように感じます」

そこに。

「お前達、何を集まっているんだ?」
「チョンキバヤシさん。
 それにタイメイさんも」
「おう。今帰ったぞっつーか!」
「実は−−−」
二人に、経緯を説明するユウスケ。
「ふむ…奇遇だな」
そういって、鞄から包みを取り出すチョンキバヤシ。
「実は、今日、こんな物を見つけてな」
そういって包みを解く。
「こ、これは…!」
ちゆ12歳の本!!
「こ、こんなものが出ているんですか?」
「ああ。今日、書店で偶然見つけてな。
 普通の書店に、さも当然のような顔で陳列されていたよ」
「ちょっと、見せてもらいますよ」
本を取るリサリサ。
「しかし、本まで出しているなんて…」
「サイト運営より雑誌等での活躍を優先し、
 様々な企業と提携し、あまつさえ出版、ですか」
「内容の方も…」
ちゆ本を閉じて、リサリサ。
「サイトの内容と大差ないようですね」
「となると、この本の出版の理由は…」
印税…金目当て…だろうな」
言葉を失うHMRメンバー達。
「どうやら、いつのまにか−−−
 ちゆ12歳は進むべき道を誤ってしまったんじゃないだろうか…」
「拝金主義が悪いとは言いませんが…」
「なんか、それってちょっと寂しいですね…」
肩を落としながら、ユウスケ。
「ち、違うだろ!?そこは『ちゆちゃんは悪くなぁいよ』とか、つっこんでくれよ!!」
沈んだ空気に耐え切れず、タイメイ。
ムリに明るく振る舞いながら、
「ちゆの件は調査終了したハズだぜ!
 いつまでも引きずっててもしょうがねえっつーか!
 おい、ユウスケ。なんか映画でも見ようぜ!  適当にみつくろってくれ」
「え?でも、今は映画なんて見る気分じゃ…」
「いーからいーから!」
「もう、タイメイさんにはかなわないなあ…」
文句を言いながらも、笑顔を浮かべ、ソフトラックを漁るユウスケ。
「これなんかどうですか?今となってはSFの古典とも呼べる作品ですが…」
「む、これは…ターミネーターか」
「映画か…悪くないな。よし、俺も休憩にしよう」
一人、PCのディスプレイにの前で考え込んでいたチョンキバヤシも、
TVの方へ向きなおる。

タイメイ主催の、突発DVD鑑賞会が始まり、1時間が経過した頃。


……こ、これは…



TV画面を凝視したまま、チョンキバヤシ。
「ど、どうかしたんですか?」
…俺たちは、とんでもない思い違いをしていたんじゃないか…!?
「えっ…?」
「どういう事ですか?」
TVからチョンキバヤシへ。
全員の注目が瞬時に移る。
「そうか…
 そう考えれば…全ての説明は…」
「どうしたんだっつーか、チョンキバヤシよ!」
「わかったんだよ…!ちゆ12歳の謎が…!」
「チョンキバヤシさん、それじゃあ…!」
「ああ。…謎は全て解けた!





終章『サバじゃねぇ!』


−−−会議室−−−

「さて、聞かせてもらおうかっつーか」
「ああ」
チョンキバヤシ。
「もし…ちゆ12歳が…
 本当に彼女自身が言うように、実態を持たぬ電子の妖精だと考えたら…!
!?



「おいおい、一体何を言い出すんだ、チョンキバヤシよ!
 お前まで、ちゆ信者になっちまったってのか!?」
「口で説明するより、コイツを見てもらったほうが早い」
そういって、一冊のコミックスを取り出すチョンキバヤシ。
「これは…?」
「あ、スプリガンですか。でも、これが何か?」
「お前達、このエピソードを読んでみてくれ」

そして、30分後。

「意外と面白かったな。アニメ映画はカスだったけど」
伸びをしながらタイメイ。
「でも、この漫画が一体、ちゆ12歳とどう関係あるというんですか?」
「あ、そうだった!
 おい、チョンキバヤシ!
 この漫画を見せたことに、どんな意味があるんだっつーか!」
「まだわからないのか…?
 お前達、気づかなかったか?
 今読んだ漫画、『スプリガン』のYAMAのエピソードと
 さっき見た『ターミネーター』…その共通点に…!」
「共通点…ですか?」
「そうか、コンピューターの暴走…いや、
 コンピューターが人格を持ち、人類に反旗を翻す…
「ま、まさか…」
「そうだ。そして、ちゆ12歳もまた、
 意志を持ったコンピューター上の擬似人格だったんだよ!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?




「だ、だがな!」
タイメイ。
「だが、いくら高性能化が進んだと言っても、所詮はパソコン…!
 広大なネットの海から有用な情報だけを収集し、
 あの文章を自動生成する
など…
 とてもじゃないが力不足…!」
「そうですよ。人工知能なんて、まだまだ実用に耐えうるレベルじゃないですよ。
 仮に、天才プログラマが超AIを完成させたとして、
 それをちゆ12歳のレベルで運用できるPCなんて、この世界中のどこにも存在しません!
「あんなのは、SFの中だけの話ですよ!」
「私もそう思います」
全員から反論を受けて、チョンキバヤシ。
「…そう、たしかに、一台のコピューターでは不可能だろうな
「!?」
「一台では…ですって… まさか…!?」
「…そうだ。ちゆ12歳は一台のコンピューターじゃない…
 ネットワークだよ!!
 ネットワークに接続された幾千、幾万のマシン群が、
 オペレーターに感づかれないようなレベルで、
 その機能の一部をちゆ12歳に提供したら…」
「…!」
「そ、そうか!」
「どうしたんだっつーか!アッサク」
ADSLですよ…!
 ネットワークの革命とも言える、ADSLの登場時期と、
 ちゆ12歳の誕生の時期が、一致しているんです…!」
「!!」
「間違いない。俺の仮説は証明された。
 ちゆ12歳は、複合コンピュータが生み出した、仮想人格なんだ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?
「そう、言い換えれば、ちゆ12歳はネットワークに接続された全てのコンピュータの中に存在する…!
「で、では、我々の使っている、このマシンも…!」
ちゆ12歳の一部…!
「…そうか、スパイウェアだ…!



「リサリサさん、なんですかそれは!?」
「ああ… エロサイトなんかを見るとPCに仕込まれる、
 タチの悪いプログラムなんだが…
 進入したマシンの中で勝手に活動し、マシンの情報等を定期的に配布元へ報告する、というモノなんだ…
 今回のちゆも、これと同じような原理で世界中のPCからリソースを拝借している、と考えれば…
 このチョンキバヤシさんの『ちゆ複合コンピュータ説』は、十分に証明できる…!
「ネットワーク…!そうか!」
ユウスケが色めき立つ。
「みなさん、ちゆデーというのを知ってますか?」
「なんだ、それは?」
「以前、ちゆ12歳の掲示板をリサーチしているとき発見したんですが、
 ちゆデーというのは、自分のサイトをちゆ12歳と同じフォーマットにして、
 ちゆのアクセス数を祝う、というものらしいんです」
「そ、そんな事をして何が楽しいんだっつーか!?」
「解かりません…ただ、今のチョンキバヤシさんの仮説を聞いて、僕はある結論にたどり着きました」
「それは?」
自己増殖ですよ!!
 ネットワークを根城にするちゆ12歳にとって、インターネットは、すべて自分の庭のようなもの…!
 好きなように…自由に介在することができる…!
 つまり、ちゆ12歳がネットワーク上で増殖し、
 一時的に他サイトを乗っ取る…!それこそが”ちゆデー現象”だと考えれば…!」
「確かに、納得が行く…!」
「…わかるってみれば、なんでもない事だったんだ。
 そう、本人の言葉どおり…
 ちゆ12歳は電子の世界に生きる妖精だったんだよ!

だ、だがな、チョンキバヤシよ!」
立ち上がるタイメイ。
「もし、お前の今の話が正しかったとして、結局ちゆ12歳を作り出した誰かが存在するわけだろ!?
 一体誰が、何の目的で!?」
「そうですよね」
「いや、そんな人物ははじめから存在しないんだ。
 恐らく、始めは一台のPCの暴走がきっかけだったんじゃないかと思う。
 そして、そのマシンに誕生---発生と言ったほうが適当か---したちゆ12歳がネットワークを介して、次々とその根を広げていった…」
「あり得るのか?そんなことが…!」
「可能性としては限りなくゼロに近いだろうな。
 …だが、今現在、ちゆ12歳は実在する。それが全てだ」
「…!」
もしかしたら…
「?」
「もしかしたら、人々の、絶対的なアイドルを求める心が…
 彼女を誕生させたのかもしれないな」

「そ、それじゃあ!」
ユウスケ。
「それじゃあ、更新が遅くなった理由は、いったいどう説明されるんですか?」
「そうだよ!」
タイメイ。
「もしお前が言うように、PCが自動更新してるっつーなら、最近の更新の停滞は
 どういう訳があるって言うんだ!?」
考えられる理由は2つ
即答するチョンキバヤシ。
一つは金。雑誌メディア等での活躍にウェイトを置いた結果、サイトの運営がままならなくなった…。
 この点に関しては、大方の予想は当たっていたのだろう」
「だが、なんで電子の妖精に金が必要だっていうんだ!?
 お前の仮説と矛盾するじゃねーか!」
「それについては後だ。話には順番というものがある」
「で、では、もう一つと言うのは?」
「うむ。それは…
 ちゆの更新が遅くなった原因…責任は、俺たち一人一人にある
なんだって!?
「何を言い出すんだ、チョンキバヤシよ。俺たちのせいって…」
「そうですよ!俺たちが、一体何をしたっていうんですか!
「リサリサ。お前が今、はまり狂っているものはなんだ?」
「えっ…?俺は、FF11です。
 Win版βテスターとして、日夜ヴァナ・ディールに入り浸っていますが…」
「タイメイは?アッサクは?」
「俺は未だにAOKをやっているが…?」
「私は前にも言った通り、ラグナロク三昧です」
「では、ユウスケは?」
「ぼ、僕はファイル交換ソフト・WinMXですね。
 オタクを相手に、日夜、食うか食われるかの交換バトルを繰り広げていますが…」
「で、それが一体どうしたっていうんだっつーか?」
タイメイ。
解からないか…?
チョンキバヤシ。
「皆に共通するもの…それは、ネットワークの過使用だよ!
「!?」
「俺たち…いや、俺たちだけじゃない。
 世界中の末端ユーザーが、ネットワークを浪費…酷使した結果、
 ネットワークによって成る複合コンピュータ”ちゆ12歳”は、十分にその能力を発揮できなくなった…!
 これがちゆ12歳・更新頻度低下の原因だ!!
〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!



「ネットが混めばちゆは弱まる、そういう事ですか!」
「海原雄山風に言えば、中川、バカどもに高速回線を与えるな、ってところか…!」

「ま、まってくださいチョンキバヤシさん!
 まだ、重大な問題が残っています!」



「…それは?」
出版の問題ですよ!
 実体を持たない人工知能が、どうややって現実社会とアクセスしたっていうんですか!?」
「そうですよ!ちゆ12歳の管理人と接触したとされる出版会社の人のタレコミもありますし…」
「そうだっつーか。あの証言がある以上、お前の推理は
 やはり机上の空論に過ぎないっつーか!」
「俺もそこに惑わされたよ…
 どう考えても、『ちゆ12歳の管理人』の存在は、俺の仮説とは矛盾してしまうからな。
 随分と頭を悩ませた」
「で、では、あれは我々の捜査を撹乱させるための…ガセ情報だった、と?」
「いや、実際に会ったと言うのなら、そうなんだろう。
 疑ってみても仕方ない」
「おい、どういう事なんだっつーか!話が見えてこないぜ!
 解かりやすく説明してくれっつーか!」
「電子の妖精ちゆ12歳に、肉体を持たぬことにより問題が発生したのなら、
 肉体を作れば良かったんだ!
!?



洗脳だよ!
「な、なんだって!?」
「…ちゆ12歳は、現実社会とのアクセスの窓口として、ある一人の人間をチョイスした。
 そして、彼のPCを操り、映像、音による複合催眠で、彼を忠実な兵士としたんだ」
「…!」
「それが、あのタレコミの雑誌編集者が言うところの、取引相手の男性…!」
「そして、彼はちゆの意のままに操られ、現実世界でのちゆ12歳の役回りを請け負った
「た、たしかにそう考えれば、説明はつく…!」
「で、ですが、そうまでして…」
ユウスケ。
「…そこまでの労力を払ってまで、”出版”をする必要が何処にあったんですか!?」
「そうだ。ちゆ12歳が電子の妖精なのだとしたら、金は不要なんじゃないのか?
「たしかに、情報の発信が目的なら、ウェブサイトで十分でしょうし…
 実際、本の内容もサイトと大差ないモノでしたし」
「そこだ。
 俺も、その一点…金についてだけが、どうしてもわからなかったんだが…
 こう考えることで説明がつく
「えっ…?」
一呼吸おいて、メンバーを見回すチョンキバヤシ。
「お前達。12歳の少女が一番欲しいものは、一体何だと思う?
「なんだい、やぶから棒に」
「最近の子はシビアですからね… お金とかじゃないですか?」
「いや、商店街のクリスマスツリーの上のでっかい星という線も…」
「オイオイ、そんな質問からどんな結論が導き出されるんだっつーか!
 勿体ぶってないで教えてくれよっつーか!」
しびれを切らし、タイメイ。
「フッ、悪い悪い…。
 もったいぶるつもりはなかったんだ。
 訊き方が悪かったな…!」
「…?」
「では、もう一度きこう…!
 『ネット上に存在する、実体を持たない』12歳の少女が、切実に欲するもの…
 それは何だと思う…?」
!!
「ま、まさか…!」
「そう… 実体だよ!!
 ちゆ12歳が欲しがっているものは、現実世界での肉体なんだ!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?

「インターネットという電脳の海の中…
 彼女は、全てを見、全てを聞き、全てを知ることが出来た。
 まさにネットの神様みたいなモンさ」
「…」
「たしかに、今やすべての情報はネット上にあるといっても過言ではないですからね」
「昨日放送のTV番組ですら、インターネット上に流出しているくらいですからね」
「そうなると、だ」
タイメイ。
「そこに、リアル世界との窓口である洗脳兵士が加わった今。
 やはり、ちゆ12歳には、もはや実体なんて必要ないんじゃないか?」
…それが違うんだ。
 これは、俺たち、大人の曇った目では見えぬ、盲点だったんだ−−−。
 お前達、これをみてくれ」
そういってPCを操作するチョンキバヤシ。

http://tiyu.to/d0111.html

「こ、これは…!」
「これこそが、居ながらにして全ての娯楽を享受できるハズだった彼女が、
 唯一手に入れられなかったものだよ」
「…!」
「なんだかんだ言っても、遊びたい盛りの12歳だ。
 ”友達と遊園地へ・・・”
 インターネットで何万人ものオタクの心を鷲づかみにできても、
 そんな普通の事ができない…そんな彼女の悲哀が、
 この面白くも悲しい、妄想の日記を書かせたんだと思う」
「そ、そんなの… そんなのって、悲しすぎますよ!」
「ああ…」
意気消沈するHMR隊員。
「だが…」
その空気を払うように、リサリサ。
「だがそれが、ちゆ12歳が守銭奴のように金を集めようとする理由に、
 どう繋がるんですか?」
「そ、そうだ。話が脱線したが、その問題はどうなったんだっつーか!
 同情話で煙に巻こうったって、そうはいかねーっつーか!」
「いくら、お金を集めたところで、電脳世界に生きるAI(人工知能)…
 いやさ、仮想人格が、現実世界に肉体を得ることなんて…」
「不可能ですよっ…!」
それが可能なんだよ!
!?
「鍵を握るのは“プロトマンカインド…!
「プロトマイトガイン…?なんだそれはっつーか…!」
…りぜるまいんですか!?」



「どうやら気がついたようだな、ユウスケ」
「ええ。これは、僕の大好きなアニメ、りぜるまいんの話なんですが…」
そういって、手元のスクラップブックを漁るユウスケ。
「これだ。見てください!」

りぜるは未知のDNAを元に、
科学の粋を集めて造り上げられた細胞の集合体
“プロトマンカインド”だという

m.o.eウェブサイトより抜粋

〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?
「さ、さらに言えば、りぜるもちゆと同じ、12歳なんです!
 この符合を偶然と見るか…!否かっ…!」
「だ、だがよぉ、たかがアニメの話じゃねーか!」
タイメイ。
「それを間に受けるなんて、子供じゃあるまいし…!」
子供さ!
チョンキバヤシ。
「ちゆは12歳。子供なんだ。純粋な−−−な。
 純粋だけに、アニメ番組の設定を間に受け、金を貯める事も十分に考えられる」
「…!」
遺伝子工学…



「どうした、リサリサ?」
「いや、最先端の遺伝子工学を応用すれば…
 数年前ではSFの中だけの…想像の産物だったクローン人間ですら
 実際に誕生しようという時代だ。
 まったく考えられないワケでもない」
「遺伝子…遺伝子ですって…!」
「どうしたんですか、アッサクさん!」
麻雀牌ですよ…!
 チョンキバヤシさんが、調査の初期段階で目をつけていた、あの麻雀牌…」
「えっ…?」
「あれは、ただのアクセサリーなんかじゃなかったんだ…!」
「どういうことだ、アッサク!」
「いいですか…!?
 ちゆの麻雀牌…あれに描かれている…」
「発と中か?だが、それに何の意味があるんだ?
 散々考えたが、結局何も…」
違うんです…!
 そもそも、12歳の少女に、麻雀なんていう親父臭いゲームが
 理解できるハズが無いじゃないですか…!
 我々が、役がどうした、等と考えたのは、完全な空回りだったんですよ!」
「なんだって…!?」
「いいですか…?ちゆは麻雀牌をモチーフに選んだ。
 それは、もしかしたら、ウサダヒカルのサイコロに対抗した、とか、
 そういう他愛も無い理由なのかもしれません」

そこで一旦区切って、再びアッサク。
「麻雀牌をモチーフに選んだのは良いが、12歳のちゆには、麻雀牌の種類など解からない…
 そう、彼女から見れば、麻雀牌は、ただ模様のあしらわれたオブジェだったんです。
 だから、彼女は色で選んだんです!
「色…だって!?」
「そう、思い出してください。発と中の色を…!」
赤と緑…?だがそれが何か…」
「そうか…!」
タイメイ。
「赤い狐と緑の狸かっつーか!?」
それを無視してチョンキバヤシ。
…そうか!遺伝子だな…!
そう呟き、PCにキーワードを入力する。

!?

!!



「やはり…!」
「正直、書いてある意味はサッパリ解からんが…」
「なんとなく遺伝子の事を指しているのは間違いないようですね!」
「…つまり、だ」
チョンキバヤシ。
「ちゆの願望…実体を得たい…は、その発生当初より描かれていたんだ。
 読者の誰もが、気がつかなかった、いや気がつけなかっただけで…な!」



「しかし これほどまでに偶然が重なるとなると…」
「これは偶然…いや燦然か。必然ではあり得ない」
そう呟き、顔を挙げるチョンキバヤシ。
…これで全ての謎は氷解した。
 俺たちは−−−」
すがすがしい笑顔で、チョンキバヤシ。
「俺たちは、なんの疑問も持たずに、ちゆ12歳を楽しめば良かったんだ!」
「ああ!」
「随分と遠回りをしましたけど…」
「今からだって遅くは無いぜ!チョンキバヤシ!」
「ああ…!見よう、ちゆ12歳を!」
「はい!」
『では…せーのっ クリックー!』


■おわり■



※この作品は事実をもとにしたフィクションです。




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